岸田文雄首相がウクライナへ電撃訪問してゼレンスキー大統領と会談したことは、野党も好意的に評価したようだ。
確かに、G7の首脳で行っていなかったのが岸田氏だけだったので、5月に広島で行われるG7首脳会議の議長としても格好がつかなかったが、何とか使命を果たした感じだ。
日本の立場では、アメリカはじめ他のG7諸国が戦車や砲弾などの武器を供給しているのに対し、発電機やヘルメットなどの非軍需品を提供していることは理解されているものと思う。
また、ウクライナ支援については、大方が、欧米諸国が行っている中で、アジアの一員としての日本がそれに参加していることは、ウクライナに対しても、敵国のロシアに対してもかなりの影響力がある。
率直に言って、昨年2月にロシアがウクライナ侵攻を行った後、岸田内閣がかなりスピーティにウクライナを支援し、ロシアを批判していることは評価される。
岸田首相が、ロシアの侵攻に対し、意識的に「侵略」と言っているが、的を得ているものと思う。
その岸田氏が、ウクライナ訪問の際、ゼレンスキー大統領に、地元広島の縁起物の「必勝しゃもじ」を土産に渡したことが物議を醸している。
受験、スポーツ、選挙など「平時における『必勝』」を目指して縁起物としてしゃもじが使われているが、それを悲惨な戦争に勝つ「必勝」に用いてよいものなのか。戦争には「必勝」という言葉自体が不似合いであり、非常識のそしりは免れない。
保守勢力は、リベラルに「平和ボケ」と詰っているが、岸田首相の「必勝しゃもじ」の土産こそ、「平和ボケ」の象徴の表れではなかろうか。「関連:3月23日」