正さん日記

世の中思いにつれて

ロシア、トルコに対し強行姿勢崩さず、難しいシリアの正常化

2015-11-30 15:36:07 | 世界

 ロシアの爆撃機Su-24がトルコ領に侵入したとしてトルコ軍のF-16戦闘機によって撃墜されたが、このロシア機は撃墜される直前にシリアのトルコ系少数民族トルクメン人の居住地域を爆撃したようだ。

 また、トルコ側は、ロシア機の領空侵犯に対し10回ほど警告したとしているが、パラヒュートで脱出して助かったパイロットは、警告は聞かなかったとこれを否定している。

 どちらが正しいかは闇の中だが、ロシアは自らの正当性を譲らず、トルコに対しかなり厳しい経済制裁を課した。

 昨日の情報で、トルコのエルドアン大統領が演説で「起きなければ良かった」と述べ「後悔の念」を表明したと報道されたが、ロシア側はこの程度の反省の弁ではだめで、トルコが正式に謝罪しない限り批判の手を緩めない。

 どうもシリア情勢については、報道が錯綜しており、ロシアが反政府勢力への攻撃を抑制することになったとか、フランスがアサド政権の維持を認める方向に転換したとか、欧米の有志連合とロシアが協調してシリア情勢に対応するかの雰囲気を感じるが、そんな単純な状況ではないようだ。

 シリアの正常化のためには、先ず国内のISを排除することが前提になるはずだが、シリアには、反政府勢力の中にアルカイダ系が便乗して加わっているとのことであり、アサド政権を擁護するシーア派のイラン、イラク、レバノンの過激派ヒズボラに対し、反アサドのスンニ派のサウジアラビア、イラクの反政府派のスンニ派勢力が絡み、イスラム教の宗派争いもなっているため、問題がいっそう複雑化している。

 また、ISは、個として至る所に点在し、一点爆撃では掃討できるものではなく、地上部隊や秘密部隊のような戦力を投入しない限り撲滅することはできないようだ。

 また、例えISを掃討したとしても、反政府勢力の扱いや、その中に含まれているというアルカイダ系がまた頭を出してくる可能性がある。

 IS対欧米有志連合+ロシアといった図式ではシリアの正常化は難しいようだ。「関連:11月29日

 

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ロシア、トルコに経済制裁、複雑化するシリア情勢

2015-11-29 15:56:19 | 世界

 ロシアが欧米の有志連合に呼応してIS空爆を行うことになったとたん、ロシア機がトルコに撃墜され、ともにIS成敗をするはずのロシアとトルコが仲たがいしている。

 ロシアはトルコが謝罪しない限り輸入の停止、両国間におけるチャーター便飛行禁止、ロシア企業による新たなトルコ人雇用の禁止やエネルギーの供給等をストップするなどの経済制裁を加えると強硬だ。

 ただ、先の情報ではトルコのエルドアン大統領は、ロシア機を撃墜したことはまずかったと直接謝罪はしないものの反省するかの姿勢をみせている。

 プーチン、エルドアンともに国内に対し強い大統領を見せるためには、そう簡単に譲歩はしないだろう。今日から始まるパリでのCOP21で両首脳が膝を交わすことがあるのか否かが注目される。

 しかし、撃墜はまずかったかも知れないが、トルコの気持ちは分からなくはない。なにしろ、今まではロシアがISを空爆すると言っても、むしろアサド政権に反対する反政府勢力も空爆しているというから、これでは反政府勢力を加勢しているトルコなど欧米の有志連合に立ち向かっているようなものだ。

 情報では、ロシアも欧米の有志連合と協調して、今後はISのみを狙った空爆に限定すると言っているが、ロシアのことだからそれが本当に実行されるかは余り当てにならない。

 反面、フランスのオランド大統領は、ロシアと協調する余りシリアのアサド政権を容認すると発言したようだが、これでは、今までアサド政権打倒で戦ってきた反政府勢力を見殺しにすることになる。このフランスの変節に対しアメリカのオバマ大統領はどのように受け止めるのか。

 また、アサド政権を生き伸ばせばシリアに安定が戻ってくる可能性があるのか。状況はますます複雑になってきた。

 しかし、問題を複雑化してはいけないので、先ずは、ロシアとトルコが和解して共同してシリア情勢に立ち向かうことが大切だ。その上で、現実問題としてアサド政権の維持を図るのか、ロシアと欧米が同一歩調を取る必要がある。

 問題なのは反政府勢力がアサド政権と和解できるかだが、これは極めて困難性があるだろう。しかし、現状のシリア戦線の三つ巴状態ではいつまで経ってもシリアに平和がこない。

 イラクにもはびこるISを叩くだけではシリア、イラクに安定は望めず、次善の策になるが、どうしてもやらなければならないのは、ISに対しロシア、欧米、アサド政権、反政府軍が一緒になって立ち向かうことが最も重要なのではなかろうか。「関連:11月6日

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オウム、菊池直子元信者に無罪判決=東京高裁

2015-11-28 10:26:54 | 社会

 昨日、東京高裁でオウム真理教による東京都庁爆発物事件で殺人未遂ほう助の罪に問われた元信者菊地直子被告(43)の控訴審があり、大島隆明裁判長は「テロ計画の認識があったとは推認できない」と述べ、懲役5年とした一審東京地裁の裁判員裁判判決を破棄し、無罪を言い渡した。菊地元信者は同日午後、勾留先の東京拘置所から釈放された。

 菊地元信者は1996年4月、3回にわたり薬品を山梨県内の教団施設から持ち出し、都内のアジトまで運搬。元幹部の井上嘉浩、中川智正両死刑囚らは5月、爆発物を製造して都庁に郵送し、元都職員の内海正彰さんに大けがをさせたとして殺人未遂ほう助の罪に問われていた。

 菊地元信者については、一審で井上嘉浩死刑囚が菊池元信者は事件を起こすことを認識していたと証言、地裁ではこれを採用して有罪としたが、今回の高裁では、菊池元信者が、爆薬の原料となる薬品をアジトに運搬するなどしたことは認めたものの、「毒ガスや爆発物の製造を想起するのは困難」と否定した。

 菊池元信者は、1994年の大阪国際女子マラソンに教団陸上部所属で出場、東京八王子市のアジトまで頻繁に爆薬を運んだことから「走る爆弾娘」の異名を持つなどオウムの中でも存在感があり、姿を隠し指名手配された1996年11月から2012年6月に逮捕されるまで16年近く逃亡生活を送るなど罪の意識がなければ行わないような行動を取っている。

 逃亡期間中の1997年元オウムの高橋克也被告と川崎市のアパートに潜伏、2007年3月からは教団外の男性と共に暮らしていたが、16年の歳月はオウムの看板娘から普通のおばさんに変容していた。

 今回の無罪判決については、菊池元信者が運んだ爆薬が爆発事件に使用されるものとして認識があったのか、無かったのかの判断で、認識があったとする確たる証拠がないとしてのものであり、極めて微妙な判断だ。

 無罪放免された菊池元信者は、自ら運んだ爆薬によって、結果としては多くの被害者が出たことを悔いているようだ。意外な無罪判決に、びっくりしている人も多いと思うが、果たして検察が上告するか否かまだ分からない。

 ただ、東京都庁爆発物事件は、前代未聞のオウム事件の中の一部であり、首魁の松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚が口をつぐんでいる状態でいまだ真相は闇の中にある。「関連:2012年6月17日

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新三本の矢と具体的な政策の格差

2015-11-27 15:18:17 | 政治

 安倍晋三政権が打ち出した新三本の矢とやらは、GDPを600兆円にする、出生率を1.8にする、介護離職をゼロにするということだが、これは矢というよりも的といった方が分かり易い。

 副題としては、1億総活躍社会の構築、50年後も人口1億人を堅持するということだが、これらは全部が目標といった方がよい。

 これらの目標(的)に対して放たれる矢は、企業に対しては設備投資の促進、従業員給与の引き上げを求める傍ら、政府としては法人税を現在の31%台から20%台に引き下げるとのことだ・

 また、政府としては、低所得者対策として最低賃金を1000円に引き上げる。低年金生活者には3万円を給付するとのことだ。

 出生率1.8と介護利殖者ゼロについては、待機児童や待機介護者を減らすために、保育施設を50万人分増やす、介護施設を50万人分増やすという。

 しかし、設備投資拡大や賃金引き上げなどは企業頼みであり、今までちまちまと少しずつ上がってきた最低賃金は、現在、全国最高は東京の907円であり、それを全国的に1000円に上げることは大変だ。これこそ中小企業者など雇用者の理解だけでは済まない問題だ。

 政府が予算化する低所得者への給付金はバラマキとも言え、介護施設、保育施設の増強については、例え施設ができてもそこで働く介護士や保育士は大きく不足している。

 介護士や保育士になり手のない最大の理由は、報酬の少ないことだが、その点について給与を増やすといった具体的な方策は考えられていない。

 1億総活躍社会というが、40%もいる非正規社員と正規社員の賃金格差、貧困老人や貧困児童の現状などをみると、よくぞこんな夢みたいなフレーズをおめおめ出すかよと怒りを超して笑ってしまう。

 安倍政権は、余りのも理想と現実の格差が分かっていない。いや分かっていても、有権者向けの受けの良いキャッチフレーズが先行して、現実に見向こうとする姿勢が乏しい。「関連:10月8日

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軽減税率対象品目、自民、公明の隔たり縮まらず

2015-11-26 09:46:00 | 政治

 いわゆる消費税の軽減税については、酒を除くすべての食料品を対象にしたい公明党と、生鮮食料品に絞りたい自民党との合意がいまだ難航している。

 税額に直すと公明党案では約1兆円になるのに対し、自民党案ではマックス4000億円というからかなり隔たりは大きい。

 自民党の宮沢洋一税制調査会会長は、安倍晋三首相の4000億円で抑えろとの指示を錦の御旗にして今のところがんと譲らない姿勢をみせており、谷垣貞一幹事長も首相と同一歩調を取っている。

 これに対し、公明党の山口那津男代表は、安倍首相から4000億円の話など聞いていないと強気の姿勢を崩していない。

 アンチ派からみると安全保障法制で平和の党の衣をかなぐり捨て自民党に従った公明党が、この問題での強行姿勢が高じて自民党と喧嘩別れにでもなると面白いと思うのだが、与党のうまみを享受している公明党はどんなことがあっても自民党に従っていくだろう。

 自民党も、公明党の選挙協力がなければ1強状態を維持できないので、公明党を突き放すことは絶対にできない。

 結局は、両党がいろいろ知恵を絞って妥協点を見出すことになると思うが、こんな与党のバトルを、指をくわえて見ているだけの野党はさぞかし無力感を覚えているだろう。

 今朝のテレビを見ていても、本当は、軽減税はびた一文設けたくない自民党が、最低限譲歩している4000億円の対象である生鮮食料品は、高齢者は余り買わず、対象外になりそうな加工食品の方が買う数量が多く、これは軽減税の適用にならないので、これでは公明党の言う弱者救済にはならないのではないかと指摘していた。

 もともと、主に企業、金持ちが支持する自民党と、主に多くの貧困者を支持者に持つ公明党とは政治的なスタンスが異なるはずだ。いみじくも、消費税軽減税問題で、そのスタンスの相違が表に出ている。「関連:11月13日

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大阪知事選、市長選で大阪維新の会候補がW当選 ぐっと政権に密着か

2015-11-25 11:07:56 | 政治

 11月22日(日)に行われた任期満了に伴う大阪府知事と大阪市長のダブル選挙で、先に橋下徹大阪市長が作った大阪維新の会公認で現職の松井一郎氏(51)が再選、市長選は同会公認の新人で前衆院議員の吉村洋文氏(40)が初当選した。

 松井氏、吉村氏とも、今年の5月の住民投票で否決された「大阪都構想」に再挑戦するという。

 大阪は、今回は知事、市長とも任期満了に伴う通常の選挙だが、2014年3月には、橋下市長が「大阪都構想」が議会で否決され、やけのやんぱちで行った出直し選挙、そうして5月の住民投票と年がら年中、選挙絡みで住民が駆り出されている感じだが、それでも、そんなことには頓着なく、今回の選挙でも橋下氏の息の掛かる2人を当選させた。

 ならば、今度こそは「大阪都構想」が陽の目を見ることができそうかなと思いきや、選挙と「大阪都構想」とは別物というからまたややこしくなる。

 しかし、今回の選挙では、大応援団長の橋下氏はもとより、府知事選の松井氏も、市長選の吉村氏も主要な公約に「大阪都構想」を掲げていたと思うので、両人が当選したことによりそれが容認されたと思うのが常識だが、それとこれとは違うというから大阪市民の気持ちが分からない。

 橋下氏は、「大阪都構想」に執念を燃やしているので、それを実現するためには国会で自治制度改正が必要となり、そのためには、どうしても安倍晋三首相のおめがねに適わなければならず、自らの安保理念と一致していることもあり、大阪維新の会は安倍政権に超密着することは必然だ。

 安倍政権も憲法違反の安保法制に、野党側の応援があった方が国民の批判を交わしやすくなるので、次世代の党に加えて大阪維新の会を抱き込んだ方が得策に決まっている。

 野党側は、また変なのが与党の応援団になったのでやり難くなることは間違いなく、民主党内のごたごたに加えて野党の結束などできない状況に陥っている。

 やっぱり、当初は数が減るかも知れないが、憲法9条を守るか守らないかを基準に大胆な政党再編成をしないと、日本の政治はいつまでたってもぬるま湯に浸かったままになる。

 

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ジュビロ磐田、奇跡の勝利で3年ぶりにJ1へ復帰

2015-11-24 09:45:34 | スポーツ

 サッカーJ2ジュビロ磐田が、昨日のJ2最終戦でフォームチームの大分トリニータを劇的な勝ち越しゴールで破り、勝ち点を82に伸ばし、2位で3季ぶりのJ1昇格を決めた。

 両チーム得点なく、後半に入り17分、磐田は、伊野波雅彦がゴール前混戦の中でボールをこじ入れて待望のリードを奪った。

 勝ち点同点の3位福岡がほぼ同時進行の岐阜戦で4-1とリード、この試合でJ1復帰を決めるには絶対勝たなければならない45分、大分のバウリーニョがセンターからの長距離キックがネットに飛び込み、最早、万事休すかと思われた。

 しかし、ロスタイムの46分、磐田の小林祐希が執念のゴールを決めて磐田は奇跡的な勝利を収めJ1復帰を確定した。

 勝ち点で並んでいた福岡も岐阜に4-1で快勝したが、得失点差で及ばず3位でJ1昇格プレーオフ(PO)に回った。最下位の栃木はJ3に降格し、21位の大分はJ3で2位の町田との入れ替え戦に回る。

 サッカー王国静岡で、J1清水エスパレスが17位でJ2へ降格が決まっており、プレーオフがあるものの、若し、この試合で勝たなければJ1復活がどうなるか分からなかった状況の中で、磐田がJ1復帰を決め、J1無しを辛うじて回避でき静岡のサッカーファンを安堵させた。「関連:2014年12月1日

 

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日馬富士が2年ぶりに7度目の逆転優勝=大相撲九州場所終わる

2015-11-23 17:26:53 | スポーツ

 本年治めの場所、大相撲九州場所は横綱日馬富士が13勝2敗で2年ぶり7回目の優勝を果たして終了した。

 昨日の千秋楽は、1敗の日馬富士を2敗の横綱白鵬、平幕松鳳山が負う形で優勝争いを演じていたが、まず松鳳山が安美錦に敗れ、日馬富士が大関稀勢の里に勝てばすんなり優勝が決まった取り組みで完敗、結びの一番で白鵬が横綱鶴竜に勝って優勝決定戦に持ち込みたいところ、意外にも鶴竜にこちらも完敗、その結果、日馬富士が無手勝流で優勝を呼び寄せた。

 今場所は、白鵬、日馬富士の両横綱が休場明けで出場、3場所ぶりに出場した日馬富士が2日目に幕内大砂嵐に敗れ前途多難を思わせたが、その後は持ち前のスピード相撲で勝ち星を重ねた。

 一方、白鵬は2場所ぶりの出場だったが、無難に勝星を上げ12日目まで全勝、今場所12回目の全勝優勝もあるかと思わせたが13日目、横綱対決で日馬富士に敗れ、14日目にも大関照ノ富士にも力負けでまさかの2敗となり日馬富士に先行を許した。千秋楽鶴竜に負けて12勝3敗で終わった。

 もう1人の横綱、先場所優勝の鶴竜は散々で、早々優勝戦線から脱落したが、千秋楽の結びで白鵬に勝って結局9勝6敗の横綱としてのノルマ達成ができなかった。

 白鵬は、関脇栃煌山に猫だましを用い、その意図が様々に言われたが、後半に疲れがみえる相撲をとるなど30歳を超えてやや衰えが出てきたか。31歳の日馬富士は、幕内最軽量の身体で2場所休んでからの優勝はよくやったと言って良い。

 今場所も大関陣は優勝に絡めず、日本人大関3人の内、稀勢の里が不戦勝を入れてやっと10勝、ご当所大関の琴奨菊は14日目から休場してファンをがっかりさせた。豪栄道は、千秋楽に栃煌山に窮地の首投げで勝ち正に大関としての首を繋げた。

 栃煌山はやっと8勝では、大関挑戦はまだまだ、ベテランの小結嘉風は、今場所も横綱、大関を食って場内を沸かせた。「関連9月28日

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北の湖理事長急死、歴史に残る大横綱

2015-11-21 16:22:57 | スポーツ

 

 昨日午後6時55分、相撲協会理事長の元横横綱北の湖親方が、直腸がんによる多臓器不全のため福岡市内の病院で死去した。62歳だった。

 北の湖は、優勝回数が白鵬、大鵬、千代の富士、朝青龍に次ぐ歴代5位の24回。横綱在位は史上最長の63場所で、横綱での白星670勝は歴代1位。幕内804勝(247敗107休)は、魁皇、白鵬、千代の富士に次ぐ歴代4位だった。

 その功績から、大鵬に次ぎ2人目の、現役時のしこ名で親方になれる一代年寄となって北の湖部屋を創設。元幕内巌雄(山響親方)や幕内北太樹らを育てた。

 2002年2月に理事長に就任。しかし、08年9月に弟子の白露山が抜き打ち検査で大麻の陽性反応が出た責任を取って辞任。12年に理事長に復帰すると協会の公益法人化を実現し、不祥事のため低迷していた観客数の増加にも尽力した。

 生れは北海道壮瞥町、中学1年だった1966年冬に上京し、三保ケ関部屋に入門。当時は認められていた中学生力士として、両国中学校に通いながら、67年初場所で初土俵を踏んだ。71年夏場所で十両昇進。72年初場所で幕内に昇進するなど、当時の最年少記録を次々と塗り替えた。

 74年名古屋場所後に横綱昇進。21歳2カ月での最年少記録は、いまだ破られていない。得意は左四つからの寄りや投げで、ライバルの横綱輪島との熱戦はファンの声援を二分し「輪湖(りんこ)時代」を築いた。

 現役時代は、「憎らしいほど強い」と言われ、人気よりも実力派、横綱としての存在感は抜群だがどちらかというと地味な存在で、学生相撲から横綱になったライバル輪島の派手さとは対照的だった。

 しかし、引退後は、輪島が醜聞を巻き起こし相撲界から去ったのに対し、北の湖は長く相撲協会のトップの理事長として大きく貢献した。

 傍目には、強豪横綱としての印象が強く、協会の経営者としての手腕は分からない面があったが、大相撲界でのカリスマ性は抜群で、様々な試練を乗り越えて相撲協会の屋台骨を背負って立った。

 その点、同じ大横綱でも故大鵬が若くして病にかかり、後年は隠遁生活の止む無きに至ったが、北の湖は、現在行われている年治めの九州場所も、死の直前まで理事長として携わり、現役理事長としての最帰を迎えたことは本人としても本望だったろうか。

 

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日本、韓国に悔しい逆転負け、野球プレミア12の初代王者を逃す

2015-11-20 14:33:24 | スポーツ

 昨晩、東京ドームで、日本と台湾で初開催された国際野球大会「プレミア12」の準決勝が行われ、B組1位の日本は同3位の韓国と対戦、9回3点差をあえ無く逆転され、苦手の韓国に一敗地に紛れた。

 札幌ドームで行われた予選リーグの初戦で韓国を5-0で下し、この試合で好投した大谷(日本ハム)を再び先発させた。期待にたがわず大谷は最速160キロの速球と快速スライダーで韓国打線を寄せ付けず4回2死からは5者連続三振を奪うなどで7回を1安打無失点で韓国打線を封じ込んだ。

 日本の打線は4回1死一、三塁で平田(中日)が三遊間を破るレフト前へ適時打で待望の先取点。相手のミスで1点を追加すると、1死満塁から坂本(巨人)の右犠飛でこの回3点を奪った。

 しかし、8回から2番手で登板した則本(楽天)が、9回に3連打で1失点。さらに1死満塁とし降板。3番手松井裕(楽天)が押し出しで1点差に迫られ、なお無死満塁。4番手の増井(ロッテ)が李大浩(ソフトバンク)にレフト線へ適時二塁打を許し、ついに勝ち越された。

 9回裏、三番から始まる打線に期待が掛けられたが、5番中田(日ハム)が安打で出塁したものの、6番松田(ソフトバンク)に代わる中村(西武)が凡退し、またも宿敵韓国に悔しい敗北を喫し、初代王者の夢は消えた。

 日本はついそこまで手が届いていた決勝進出を逃したが、敗因は何と言っても快投していた大谷を7回で交代させたこと、何度もあった追加得点のチャンスをことごとく逃したことだ。

 ただ、日本は予選リーグでもメキシコ、ベネズエラには薄氷を踏む思いの逆転勝ちするなど、幸運な点もあり、決して楽な試合でここまで来たわけではなかった。

 また、A組1位のカナダが準々決勝でB組4位のメキシコに敗れるなど、日本も決勝トーナメントで勝つことのむずかしさを味わった。「関連:11月9日

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