自民党による菅直人政権への不信任案は、今週中にも上程される予定だ。この不信任案には、公明党などほとんどの野党が同調することになろう。加えて、民主党内から、小沢一郎元代表に近い議員がどの位加担するか、今のところ分からないが、大方の見方では、不信任が通る82人までにはいかないようだ。しかし、いずれにしても反乱軍が出れば、民主党内は分裂状態に陥る可能性がある。
それにしても、民主党内の反管グループの態度は、見苦しいばかりだ。権力に固執する小沢氏はともかくも、鳩山由紀夫前首相まで、小沢氏には首相にしてもらったという恩義があるとかで、小沢氏と手を組もうとしている。
もっと可笑しいのは、西岡武夫参議院議長が、狂気のごとく菅首相をこきおろし、野党でも言わないような罵詈雑言を自らの足場である民主党代表に浴びせている。マスコミでも言っているように、本来、三権の長である参議院議長が、立法府の長である首相の退陣を求めることは異常な行為なのだ。それならば、参議院議長を退任して、いくらでも悪口を言うべきではないのか。どうも、西岡氏は、地元長崎が反対している、諫早湾干拓潮受堤防の水門を、菅氏が自分に相談も無く開放することにしたため、憤懣やる方ないからのようだ。
もう1つは、西岡氏は、自民党時代から小沢氏とじっこんの間柄のためだとも言われている。いずれにしても、小沢、鳩山、西岡氏は、在所の自民党にノスタジアを感じたがごとく、自民党に擦り寄っている。しかし、自民党側は、菅下ろしに手は貸してはもらいたいが、二代目闇将軍の小沢氏、マザコンでいい加減な鳩山氏、自民党を出たり入ったり、また出たりして信用の置けない西岡氏を迎え入れることはほとんど考えられない。「関連:5月29日」