中国旅行にも影響する、ギョーザ中毒事件

　中国製ギョーザ中毒事件は、またもや中国産食品に対する不信感を膨張させている。
　中国は、輸出する食料加工品については業者任せで国としての関与はしていないようだ。
　わが国においても十数万に及ぶ輸入食料加工品について、検査するすべもないようであり、今度もそうだが、被害者が出ないと不良食品を見つけにくいのが実態のようだ。
　このような実情の中では、とりもなおさず責任を持たなければならないのは輸入業者になる。輸入業者が一品ごとに綿密に検査して、責任を持って市場に出すことが必要になる。
　この事件で厚生労働省は３１日、全都道府県に同様の事例の報告を指示するとともに、製造元の中国・河北省の「天洋食品」からギョーザ以外の食品を輸入していた計１９社の社名と品名を公表、自治体を通じて各社に販売中止を要請した。
　産経新聞の調べでは、各自治体で被害の訴えなどを集計したところ、北海道、福島県、埼玉県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、大阪府、沖縄県などで新たに「中国製ギョーザなどを食べて体調が悪くなった」との届け出があることが分かった。これまでの不調の訴えは、１７都道府県８５人に上ったがまだまだ届けでは増える見通しだ。
　中国政府は８月の五輪開催を控えて、食品問題については神経を尖らせているようだが、その矢先に起こった今回の食中毒事件にどのように対応するのか。五輪関係だけでなく、中国旅行をする人は年間４００万人以上になっている。
　食に関する安全が損なわれると、日本から中国への旅行等にも影響が出てくる。中国政府の真剣な対応が望まれる。

ハンドボール男子も韓国に敗退

　やはり実力の差はいかんとも成し難かった。２９日の女子に続いて、３０日東京・代々木競技場で行われたハンドボール男子のやり直し北京五輪アジヤ予選は、韓国が２８－２５と日本を破り北京五輪にアジヤ代表として８大会連続出場（モスクワは不出場）を果たした。
　日本は女子と同様、世界最終予選にまわり再度五輪出場を目指すことになった。
　日本で行った試合で、男女とも枕を並べて韓国に敗れたことは屈辱的だが、この試合を見ていて最小２点差に迫っても、追いつく気がしなかった。後半は日本がかなりシュートを試みたが、韓国のゴールキーパーは敏捷な反応で、ことごとくこれを弾き飛ばしてゴールを許さなかった。
　日本も韓国のエースで、世界最高峰のドイツプロリーグで７度の得点王に輝いた身長２０３センチの尹京信を、富田を中心に２人、時には３人がかりで抑え込み、わずか２点に封じた。
　しかし尹をマークした分、他の選手のマークが手薄になり、日本が２点差に追い上げた後半２７分、手薄になった防御のすき間から白元チョル（大同特殊鋼）に、決勝点とも言えるゴールを決められた。
　結局、尹の次にマークしなければならない白に計９点を決められた。
　しかし勝敗はともかく、昨年９月に行われた北京五輪アジヤ予選の不手際のお陰で、どちらかというと日本ではマイナースポーツに位置づけられるハンドボールで日本中が沸き立ち、ハンドボールへの興味を植えつけたことは、ハンドボール協会としては万々歳だろう。

引っ込めた、暫定税率のつなぎ法案

　自民・公明両党は、３月３１日に期限切れとなる、ガソリン税の暫定税率を５月３１日まで引き伸ばすための、いわゆるブリッジ法案（つなぎ法案）を議員立法で提出、即座に衆議院通過を図ろうとした。
　しかし、いかにも筋の悪いこの法案に対し、河野洋平衆議院議長、江田五月参議院議長が協議、結局「公聴会や参考人質疑を含む徹底した審議を行ったうえで、年度内に一定の結論を得るものとする」との新たな斡旋案を与野党に提示し、与野党双方とも、この斡旋案に合意した。この結果ブリッジ法案は取り下げられることになった。
　ただ暫定税率問題は、自民党は道路財源確保、民主党はガソリン価格引き下げと、表向きは国民向けの理由を挙げているが、本心は政局絡みになっていて、民主党は政府・与党が暫定税率延長を衆議院の三分の二で再議決したところで、参議院において福田康夫首相の問責決議を議決し、福田首相が衆議院を解散、総選挙に打って出ることを狙っている。
　しかし福田首相は、どんなことがあっても８月の洞爺湖サミット前には、解散・総選挙はしないだろうから、民主党も攻め倦む。
　民主党の事情からは、小沢一郎代表の影響力を維持するためには、衆議院選挙をできればサミット前に行いたいだろうから、自民、民主の思惑が違っており、それだけ、これから予算案審議などの過程で暫定税率問題も含め、与野党激突の山場が何回も到来することが予想される。

ハンドボール女子、韓国に大敗

　昨晩、東京・代々木競技場で、ハンドボール女子のやり直し北京五輪アジヤ予選が行われ、韓国が３４－２１と圧勝した。
　昨年９月に行われたアジヤ予選が、審判の悪意ある誤審と受け止められ、国際ハンドボール連盟の管理下で日本、韓国のみの出場による予選のやり直しということから、国民的関心が集まり、競技場の観客の入りも多く、テレビ中継もあって、普段余り目にしないハンドボールが思いがけなく脚光を浴びた。
　当然、国民は日本の勝利を期待したが、冷静になって振り返ると、日本が勝つことはほとんど奇跡に近いことが分かった。
　なにしろ韓国の女子は、五輪に不参加だった１９８０年のモスクワ大会以来７大会連続アジヤ代表として出場、優勝２回、２位３回、４位１回という世界でも名だたる強豪で、この試合まで日本は４勝３５敗１分けと全く歯が立たない国だ。もし日本が勝ったら７６年モントリオール（この大会５位）以来の快挙だったが、とうてい無理だった。
　これで日本は３月に、１２カ国が参加する世界最終予選で２組に入り、ルーマニア、クロアチア、ポーランドとのリーグ戦で２位に入らないと北京五輪には出られない。
　今晩は男子がやはり韓国と対戦し、北京五輪キップを狙う。しかし男子も直近１０試合で２引き分け８敗と１回も勝っていない。勝利は至難の業だろう。

姑息な議員立法による暫定税率のつなぎ法案

　自民・公明両党は３月３１日に切れる揮発油税の暫定税率について、期限を５月３１日まで２カ月延長するいわゆる「つなぎ法案」を議員立法で２９日に提出し、３月中に衆院を通過させる方針だ。
　そうすれば例の６０日規定によって、参議院で否決されても、衆議院で再議決し暫定税率の維持が出きるという、与党からすれば高等戦術、野党からすればいかにも姑息なやり方を用いた。
　先の新テロ特措法もこの手で強引に決めて、海上自衛隊をインド洋へ再度向かわせた。衆参ねじれ現象の中で、政府・与党は遵法の精神で行うことなので問題はないと言っているが、同じ方法を何回も重ねられると、参議院無有論に繋がってくるし、直近の世論無視にもなってくる。
　何度も言うようだが、衆議院の三分の二の多数は、一昨年の小泉純一郎内閣による郵政民営化の是非を問う選挙で得た議席だ。この多数議席を使って安倍晋三内閣は、数々の重要法案を通過させたし、福田康夫内閣では、とうとう三分の二の衆議院再議決という天下の宝刀を抜いてしまった。それをまた抜こうとしているが、天下の宝刀を二度も三度も抜いて良いものか。
　しかも今回は議員立法によって、審議もそこそこに間髪を入れず衆議院議決を諮るつもりだが、政府は与党のやることだからしょうがないと、みえみえの白を切っている。また、議員立法だから福田首相の問責決議案は出せないので、政局になることを回避できるとの策略だ。
　まるで分かりきった理屈を平気でこねるやりかたは、普通の大人のやり方ではない。教育上も悪いのではないか。
　野党は徹底抗戦をするといっているが、いつも頃合を見て撤退してしまう。何で暫定税率を廃止すると地方の道路が作れないのかといったところも良く分からない。
　もしこの「つなぎ法案」を与党が強引に国会を通過させたら、野党はあらゆる手段を駆使して国会を解散させ、民意を問うための衆議院選挙に持ち込まなければならない。

大阪府知事選で橋下氏が初当選

　昨日行われた大阪府知事選挙で、無所属で３８歳のタレント弁護士橋下徹氏が、2位に大差をつけ初当選した。
　橋下氏は、自民党大阪府連と公明党府本部の支持を得て、民主党、社民党、国民新党推薦で無所属の元大阪大学院教授の熊谷貞俊氏（６３）と共産党推薦、新社会党支持の無所属で弁護士の梅田章二氏（５７）らを破った。
　橋下氏の勝因はやっぱりテレビ出演などによる知名度と、若さによるものか。一方の熊谷氏は出足が遅かったことによる知名度不足と、橋下氏とは対照的に地味さが受けなかったかもしれない。
　衆議院選挙を考えて、この選挙による政党の支持状況をみると、やっぱり民主党にとって痛い黒星と言える。とくに小沢一郎代表が、国会をさぼって大阪に乗り込んだのにも関わらずの敗北で、先の大阪市長選挙の勝ちが吹っ飛んだ。形勢がかなり不利な中で、敢えて大阪にきた小沢氏はいわゆるＫＹだったのか。
　反面、大阪府連の支持のみで、本部としては表向きノータッチだった自民党も、大笑いはできないのではなかろうか。橋下氏も余り政党色を出したくなかったようなので、完全に自民、公明の勝利ともいえまい。まあ野球に例えれば、自民３－１民主くらいになるか。
　橋下氏は時折テレビで拝見したが、かなりやり手の弁護士で、型破りの発言が多かった。核保有の必要性や、中国蔑視など過激発言も気になった。
　こんどの選挙のマニフェストにも大阪府改革で、相当思い切った施策を打ち出しているようだ。大阪府はかなり多額の借金を抱えているようで、民間で言えば倒産寸前の事態に陥っているとのこと。
　しかし、きちっとしている所の後を受けるより、どうしようもない所を受けた方が気は楽になる。
　つまり、これ以上は悪くはできないから、がんばるだけ良くなる一方なので、成果を挙げればその分は手柄になる。その意味で橋下氏は実に良い条件に置かれているわけで、反面、もしマニフェストで約束したことができないと即座に力量不足の烙印を押されかねない。
　ところが、あれだけ府の職員の批判めいたことを公言して、実働部隊としての府職員を動かすことができるのか。橋下氏が、人を使ったことがあるか否か分からないが、人ははっぱを掛けただけでは動かない。

白鵬、朝青龍を投げ３場所連続優勝＝大相撲初場所

　大相撲初場所千秋楽で３１場所ぶりに横綱同士の同点決勝が行われ、白鵬が朝青龍を上手投げで破り３場所連続６度目の優勝を成し遂げた。
　白鵬は取り組み後の談話で、２場所続けて休んだ横綱には絶対に負けたくなかったと本音を語った。
　東横綱として白鵬が、先輩横綱朝青龍に完勝したことは、白鵬自身大きな自信になったと思うが、今後の大相撲を面白くさせるためにも良かったのではないか。
　白鵬が朝青龍に勝ったことは、大相撲の奥の深さを再認識させ、今場所は絶対朝青龍に優勝させたくなかった相撲協会や多くのファンにとって一番良い結果となった。
　白鵬の努力と自覚は褒められて当然だが、２場所ぶりの土俵で前半危ない相撲をとったものの、中盤から後半にかけて本来の相撲を取り戻し、１３勝を挙げた朝青龍も及第点をつけて良いのではないか。やっぱり今の土俵は、何のかのといっても朝青龍が居てはじめて引き締まるし、熱気を感じさせる。
　今場所の観衆の入りも極めて好調だったようだ。第一人者の立場を白鵬に与えた朝青龍が、少しは傲慢な態度を改めるか、また、どんな巻き返しをしてくるのか、来場所が楽しみだし、暫らくは青白の並立時代が続きそうだ。
　この両横綱の牙城を揺るがすような力を持った力士は、今のところ見当たらない。大関陣は魁皇、千代大海は無理だし、何とか琴光喜。琴欧洲に少しでも接近してほしい。
　関脇で安馬、帰り関脇確実の琴奨菊、帰り小結決定の稀勢の里当たりに期待をかけたいが、力の差が大きい。
　和製ホープの稀勢の里は朝青龍に完勝し、10勝を挙げた。来場所、この稀勢の里がもう一皮むけると両横綱を脅かす存在になってくるのだが。

ヤマウチ（英）が逆転で初優勝＝大阪国際女子マラソン

　２７日、大阪国際女子マラソンが行われマーラ・ヤマウチ（英）が２時間２５分０９秒で初優勝した。
　北京五輪代表選考会を兼ねたこの大会で、初マラソンの女子長距離界の第１人者福士加代子（ワコール）の代表入りが期待されたが、福士は終盤に大失速し期待に応えられなかった。
　レースは福士がスタート直後から飛び出し、一時は２位グループに２分以上の大差をつけた。しかし福士は３０キロ手前から急激にペースダウン、３５キロ手前で２位グループから抜け出したヤマウチに捉えられ、さらに森本友（天満屋）ジュリア・モンピ（ケニヤ・アルゼ）にも一気に抜き去られた。
　勝負はここまでで、ヤマウチはそのままゴールイン、２位には森本が２時間２５分３５秒、３位はモンピ２時間２６分となった。
　福士は最終５００メートルで脱水状態に陥り、４度も転倒しながら何とかゴールにたどり着いた。
　コーチが福士の側について何度もストップをかけようとしたが、観衆の必死の応援を受け、気力を振り絞って完走した姿は何とも感動的であった。
　さてこの大会で日本人１位になった森本友（２４）の五輪代表入りだが、２時間２５分３５秒のタイムでは厳しい感じだ。
　北京五輪の女子マラソン代表枠は３枠で、すでに昨夏の大阪世界陸上で３位に入った土佐礼子（三井住友海上）が内定。昨秋の東京国際女子マラソンを圧勝したアテネ五輪金メダリストの野口みずき（シスメックス）も、代表入りが濃厚となっている。
　残りは、３月に行われる名古屋国際女子マラソンとなるが、この大会に出場する予定の高橋尚子らの結果で最終的に決定することになる。

選抜出場３６校決定、常葉菊川の２連覇なるか＝８０回記念大会

　１月２５日、球春を呼ぶ選抜高校野球の出場校が決まった。今度の選抜は８０回の記念大会になり、一般選考３２校、２１世紀枠３校、希望枠１校の計３６校が選出された。
　昨秋の東海大会、明治神宮大会を制し、今大会で２連覇を目指す常葉菊川（静岡）、一昨年の優勝校で昨秋の関東地区優勝校の横浜（神奈川）など、実力校は順当に選ばれた。
　連続出場は５校、初出場は２１世紀枠の安房（千葉）、華陵（山口）を含めて９校となっている。
　２１世紀枠で成章（愛知）が３６年ぶり、丸子修学館（長野＝旧丸子実）は３１年ぶり、下関商（山口）は２９年ぶり、宇都宮南（栃木）は２２年ぶり、関東一（東京）は２１年ぶりの復活となった。
　また、希望枠には一関学院（岩手）が決まった。 今大会の最多出場校は平安（京都）の５年ぶり３６回、次いで６年ぶり中京大中京（愛知）の２８回、４年ぶり東北（宮城）、３年ぶり天理（奈良）の１８回と強豪校が顔を揃えた。組み合わせ抽選会は同１４日に行われる。大会は３月２２日から１３日間、阪神甲子園球場で開催される。
第８０回選抜出場校
北海道（１）：駒大岩見沢
東　北（２）：東北（宮城）、聖光学院（福島）
関　東（６）：横浜（神奈川）、慶応（神奈川）、水戸商（茨城）、聖望学園（埼玉）、千葉経大付、宇都宮南（栃木）
東　京（１）：関東一
東　海（３）：常葉菊川（静岡）、中京大中京（愛知）、宇治山田商（三重）
北信越（３）：長野日大（長野）、丸子修学館（長野）、敦賀気比（福井）
近　畿（６）：東洋大姫路（兵庫）、平安（京都）、履正社（大阪）、智弁和歌山、天理（奈良）、北大津（滋賀）
中　国（３）：下関商（山口）、八頭（鳥取）、興譲館（岡山）
四　国（３）：明徳義塾（高知）、小松島（徳島）、今治西（愛媛）
九　州（４）：明豊（大分）、沖縄尚学、城北（熊本）、鹿児島工
２１世紀枠（３）：安房（千葉）、成章（愛知）、華陵（山口）
希望枠（１）：一関学院（岩手）

欺瞞多い道路財源問題

　国会の焦点は道路特定財源の暫定税率を廃止し、道路特定財源は一般財源化するという民主党と、暫定税率を１０年間継続し、今後道路財源を５９兆円確保したいとする自民党と、どちらが民意を獲得できるかの一騎打ちになっている。
　折からの原油高騰を受け、ガソリン高騰に悩まされている国民は暫定税率を廃止し、１ℓ２５円下がる方を選びたいのが人情だ。
　これに対し暫定税率を廃止すると道路財源が無くなり、地方など道路を作りたくても作れなくなるというのが自民党の言い分だ。
　しかし考えてみると、道路作りなどへの公共投資は極力削減していくことによって、財政再建を図っていくと言ったのが小泉純一郎元首相ではなかったか。国民はこの小泉内閣の構造改革路線を支持して、郵政民営化が焦点ではあったが、一昨年の総選挙で自民党に３００議席を超す圧倒的な議席を与えたはずだ。その小泉氏が退くと、にわかに道路族が息を吹き返して、あたかも、そんな経緯が無かったかのように、地方の道路作りができるできないで国民を脅かすかのような手段に出ている。
　また、暫定税率を道路財源に用いたとしても、年間２兆６千億円の全額ではないので、１０年間５９兆円から比べるとさしたる額にはならない。
　自民党は、暫定税率が廃止された場合、年間２兆６千億円の財源をどこから持ってくるのか、と言っているが、これは５９兆円の道路を作ることを前提にしている言い分である。よしんば道路を作るとしての財源処置は、平成２０年度予算案の支出の中でこれから論議するのではないか。もう予算の支出が決まっているかのような決め付け方は、野党だけでなく国民をも愚弄している。
　暫定税率を廃止すると、国民はガソリンを買い過ぎるのでCO2の削減にもとるといった言い分は全く国民を馬鹿にしている。こんな高いガソリンを買わなければならない庶民の懐具合を理解しない馬鹿政治屋の放言だ。
　やっぱり、この暫定税率問題で国民に信を問うため、衆議院解散、総選挙が不可欠だ。