国会がはじまり、代表質問が昨日から行われている。衆議院は自民党が295議席と60%を占め、選挙前に民主党が多数だった状況と風景が一転した。以前の衆議院は政府演説でも、民主党議員の拍手が際立っていたが、今はすっかり逆転、自民党議員が、安倍晋三首相に対して嵐のような拍手をおくっている。
これに対して、民主党はたった57議席に落ちぶれ果て、見るも無残な状態をさらしている。心なしか、テレビに映る民主党の元閣僚らの顔は、疲れ果て生気を失っている感じだ。また、他の野党は、国会新顔の日本維新の会が54議席と民主党と拮抗している。維新と同類項のみんなの党18議席を加えれば、72議席と野党1党となる。しかも、維新の会は、憲法改正など自民党に近い議員が多く、野党共闘を組むには難しい状況だ。
政府・与党は、公明党の31議席を加えると326議席となり、参議院で否決された法案が衆議院に戻されても可決できる三分の二を有しているので、言うならば、何でもやりたいようにできる状態になっている。
これに野党の中で、自民・政府寄りの党があるのだから、極端に言えば、翼賛会体制になっている。しかも、安倍内閣は、憲法改正を目指している名にし負う右派内閣だ。ただ、与党を組んでいる公明党が、右派路線にある程度のブレーキをかける存在と言えるが、自民党は単独でも有に衆議院の過半数を持っているし、憲法改正に必要な三分の二も、例えば、公明党に代え、維新の会と組めば満たすことができる。
安倍内閣は、7月の参議院選挙までは、低姿勢状態を続けるが、参議院選挙で勝利すれば、いよいよ本格的に憲法改正、集団的自衛権行使、自衛隊の国軍化、防衛費拡充等右派路線を突き進んでくるだろう。これに対して、抵抗できる政党が無いに等しい状態なのだから、首筋が寒くなる。