30日噴火のあった口永良部島から、屋久島に137人全員が無事避難したが、昨日、今日と収まっている火山は、まだエネルギーが地下に止まっているため、今後さらに大規模な爆発噴火の可能性が高く、年単位の警戒を必要としているようだ。
このような先行きの見通しの中で、屋久島に避難した人の内、鹿児島などの親戚を頼って80人余りが移動し、屋久島には60人弱しか残っていないとのことだ。
その中で、特に酪農を営んでいる人は、口永良部島に残してきたブタなどの家畜に心配が募っている。ブタは一日でもエサを与えないと死んでしまうらしく、いっそのこと安楽死をさせたいと苦しい胸中を明かしている。
また、避難が長引くことによって、さまざまな問題が起きてくるが、何と言ってもどのように生計を立てるのかが最も差し迫った問題だ。政府、行政の適切な援助が必要だ。
そのような中で、口永良部島では突然の大噴火にも関わらず、軽いやけどを負った人もいたが、全員無事で避難することができた。
口永良部島は、薩南諸島最大の「火山島」で、昭和以降だけでも噴火を10回近く経験し、積み上げた教訓がある。昨年8月、34年ぶりに噴火した際には、防災マップを見直して避難場所を変更するなど、対策を練り上げたことも安全な避難に寄与した
島に唯一ある学校、金岳小中学校では児童・生徒16人、教諭11人がいるが、昨年の噴火以降、教諭の車を校舎脇に止めてすぐに避難できるようにした。
島全体の防災マップもあったが、昨年の噴火を受けて見直し、地区ごとの避難ルートを詳細に作成。避難場所も新岳から遠く離れた高台にある既存の建物に設定し直した。今回の噴火でさっそくこれらの対策が功を奏したと言える。「関連:5月30日」