新型コロナウイルス感染状況は、桜の満開時期の今もしつこく蔓延状態から脱出できない。
3月21日に、まだ早いのではないのかいう国民の多くの声を無視するように、東京など首都圏4都県に出していた緊急事態宣言を解除したが、その後、恐れていた通り、感染者が前週の同じ曜日を上回り、落ち着きのない日々が続いている。下げ止まり状態から感染拡大の第4波の気配を感じる。
全国的には、特に感染者が目立って増えているのが、大阪府、兵庫県、宮城県、山形県、愛媛県などで、宮城県は村井嘉浩知事による独自の緊急事態宣言を発動、自粛を呼び掛けるなど、各府県知事が懸命に感染防止に努めている。
昨日、大阪が東京より多い感染者を出した。東京より多かったのは宣言解除後2度目だ。
大阪府の吉村洋文知事は、第4波が到来したと述べ、政府に対し、先の国会で成立した「まん延防止等重点処置」の発動を求めた。
「まん延防止等重点処置」は、2月の国会で成立した制度で、緊急事態宣言が発令されていない状況の中で、「知事が営業時間短縮の要請や命令を出すことができ、命令に違反した事業者には、20万円以下の過料が科される」というものだ。
菅義偉首相は、緊急事態宣言を解除したばかりであり、できれば発令したくないのが本音のようだが、知事の要請があれば発令せざるを得ないので、結局、今週末には要請に応じることになりそうだ。
それにしても、吉村知事の身勝手な行動が目に余る。大阪に第2波が襲来した際、真っ先に政府に緊急事態宣言を求めていた立場でありながら、ちょっと好転すると今度は真っ先に終了を要請するという有様だ。
吉村知事は、大阪は、緊急事態宣言の解除が早かった分、4波が早く来たと勝手なことを言っている。
しかし、客観的に見ると、吉村氏は判断ミスの繰り返しをしているだけだ。また、維新の会に弱い政府に駄々をこねて援助を要請しているようにも見える。
緊急事態宣言の発令、解除は、京都、兵庫の3府県共同行動を取ったが、今回の「まん防」要請は独自の行動だ。兵庫も多いが、井戸敬三知事は「まん防」の要請には消極的だ。これで、感染拡大が収まらなかった場合、吉村氏はどのように責任を取るつもりか。
吉村氏は若い知事で期待されているとは思うが、同じ若手知事では、鈴木直道北海道知事の方が、よほど適切な判断で行動しているように思える。「関連:2月24日」