正さん日記

世の中思いにつれて

日本は中韓首脳に反論できるか

2014-03-31 18:33:47 | 政治

 中韓首脳が、外国で日本の戦争責任について歴史を甦らせるような演説をしている。これをそのままにしておけば、世界は忌まわしい太平洋戦争を想起し、戦後、日本が戦争を反省し、平和国家として甦ったことが、埋没しそうな状況を惹起する。

 これに対し、さすがに安倍晋三政権も、中韓首脳の言動に対し、世界に誤解を与えないよう日本としての立場を訴えるための手段を講じるとしている。

 ただ、日本の立場をどのような形で訴えるのかは難しさある。つまり、安倍政権の歴史認識をそのまま主張できるのか否かである。もし、主張した場合、例えば、中国の習近平国家主席がベルリンの講演で言ったことを論破できるのか。

 習主席は極めて具体的に数字を示して、軍国主義による侵略戦争で民間人の死傷者出たと言っている。また、南京虐殺で30万人が殺されたとも語った。

 これに対し、日本が具体的な数字を出して反論できるのかと言えば無理だろう。例え、出せたとしても双方の水掛け論になってしまうだろう。また、それで、ますます中韓との関係が感情的になりこじれてしまう。下手をすれば戦争にならないとも限らない。つまり、日本が反論することは難しいし、双方が反論を繰り返せば泥沼状態に陥ることになりかねない。

 中韓首脳はそこまで計算して日本非難のキャンペーンを展開しているものと見るべきだ。このままでは、日本が国際的にイメージダウンになる可能性の方が濃厚だ。

 安倍首相のような独自の歴史認識を振り回しても、国際的には日本に勝ち目はなく、不利な状態に追いやられる可能性が高い。やはり日本は、欧州におけるドイツの戦後処理に学ぶべき点が多々ある。「関連:3月30日

 

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中韓首脳の批判発言が広まり、日本は孤立化する恐れ

2014-03-30 14:16:42 | 政治

 先に韓国の朴槿惠大統領が、アメリカ議会で日本の過去における植民地支配や従軍慰安婦問題について演説し、暗に安倍晋三首相の歴史認識を批判した。

 また28日、今度は中国の習近平国家主席がベルリンの講演で、日本軍による南京事件に言及し「30万人以上が殺害された」と主張した。さらに軍国主義による侵略戦争で3500万人の民間人の死傷者を出した。この残虐行為は今もわれわれの記憶に鮮明に残っている」と述べた。

 歴史認識問題で、中国はホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の過去を持つドイツの対応と比較する形で、日本批判を強めた。

 最近は何かにつけて中国と韓国が連携し、世界各国に歴史認識問題を中心に日本への批判を強め、各国に同調を促している感じだ。

 このまま、日本が手をこまねいていると、太平洋戦争で連合軍として日本と対峙したいわゆる戦勝国が、昔の日本軍国主義を思い起こし、せっかく日本が、戦後営々と築いてきた平和主義や世界に対する経済的な貢献などを忘れさせ、日本は世界で孤立する恐れの広まることが無きにしも非ずになってきた。

 安倍晋三首相が、国会で「侵略という定義は、学界的にも国際的にも定まっていない。国と国との関係において、どちらから見るかにおいて違う」と答弁したような、中途半端な歴史認識を引きずっていくと、今に、戦後、親日的になってきたと言われるようなアジア各国にも、徐々に日本から心が離れていくことにならないかと心配する。

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選挙前に8億円借り入れ、みんなの党渡辺代表に違反疑惑

2014-03-29 17:24:44 | 政治

 

 みんなの党代表の渡辺喜美氏が平成24年12月の衆院選前に、化粧品会社ディーエイチシー(DHC、東京)の吉田嘉明会長から8億円を借り入れていたことが分かり、吉田会長も事実としてこれを認めた。

 渡辺代表は27日、記者団に「純粋に個人として借りたもので、選挙資金や政治資金としては使っていない」と述べたが、渡辺氏は吉田会長に携帯メールで「(衆院選に)60人ぐらい候補を立てる」と説明。太陽の党が設立されたことなどを挙げて「カオスな状態」とし「手持ち資金が5億円ありますが、あと5億円必要です」と記していた。吉田会長はこのメールを受け取った直後に、5億円を渡辺代表名義の銀行口座に振り込んだ。

 元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士によると、この借入金について、選挙資金だった場合、たとえ借入金だったとしても選挙運動費用の収支報告書に記載がなければ、公職選挙法違反に問われる可能性がある。政治活動の費用だった場合は、政治資金収支報告書に記載がないと政治資金規正法違反にあたる可能性があるとのことだ。

 渡辺氏は、個人的入用の金であり、選挙運動の費用でもなく、政治活動に使ったものではないと言っているから、多分、どちらについても報告書は作られていないのだろう。

 となると、一辺にアウトなる。彼は、政治家となると諸々の金が必要であり、例えばこれらの金の使い道について、交際費や旅費などに加えて、「酉の市でかなり大きな熊手」を買ったことも挙げた。

 大きな熊手はいったい幾らなのか、まさか何億もするものではあるまいし、政治家の必要経費に必要不可欠のものではあるまい。窮地に迫って口から出まかせの言い訳をしているにしか聞こえない。

 渡辺氏は自民党を離党しみんなの党を結成、一時は国会で勢力を伸ばしたが、親分としては、初めから父の故渡辺美智雄氏の七光りだけで、実力不相応の感じがしていた。

 最近は、自民党にすり寄り、人徳の無さもあってか江田憲治幹事長らが大量離党し、みんなの党は縮小、支持率も大幅に低下している。

 そんな中で、案の定とも言うべきか今回の金の問題が明らかになった。猪瀬直樹氏が5千万円を借りて東京都知事を棒に振ったが、今回の渡辺氏の問題はそれよりも額が多く、言い逃れ方も猪瀬氏より稚拙だ。

 猪瀬氏が罰金50万円、5年間の公民権停止という軽い処分となって、こっちの方も問題が残っているが、テレビの会見で見る限り、渡辺代表はどうも逃げ切れそうでない。

 安倍晋三首相に、責任野党などとおだてられたみんなの党や渡辺代表に、世論の厳しいしっぺ返しが待っているだろう。(写真:8億円借り入れ問題で記者の取材に応じる、みんなの党の渡辺喜美代表)

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袴田巌さん釈放、逮捕から48年

2014-03-28 18:29:50 | 社会

 3月27日、静岡地裁で、1966年に静岡県で一家4人が殺害された「袴田事件」の第2次再審請求審で、死刑の判決を受けていた袴田巌さん(78)の再審開始が認められた。

 袴田さんは同日、拘留されていた東京拘置所から約48年ぶりに出所し、再審請求に死力を尽くしてきた姉の秀子さんと待機していた車に乗り込んだ。

 袴田さんは再審決定にありがとうと述べたそうだが、長年の拘留と死刑の恐怖から認知症を患っていて、釈放されたという実感がはっきり呑み込めない様子も見えたという。

 袴田さんの再審請求が認められたのは、衣服に付着していた血液が、DNA検定の結果まったく別人の物だったことや、着衣していたというズボンが小さくて袴田さんがはけないことが明確になったことが主な理由のようだ。

 これらについて、静岡地裁はねつぞうがあったと指摘、検察に対し異例の批判をした。警察や検察が普通の人を証拠のねつぞうにより罪人にするという絶対にあってはならないことが行われ、袴田さんはあたら48年間も人生の空白期間を作られてしまった。この償いはどんな手段を尽くしてもできることではない。

 死刑判決からの再審請求、無罪決定は、過去にも4件あるが、もちろん絶対に許されるわけはない。特に今回の袴田事件については、証拠の判断違いではなく、ねつぞうというのだから、これは形を変えた犯罪だ。

 このようなねつぞうによって、普通の人を死刑判決まで持ち込んだ検察官などの関係者には、まったくお咎めが無いことに疑問を持つ。

 東京高裁(三好幹夫裁判長)は28日、拘置の停止を認めた静岡地裁の判断を支持する決定をしたが、検察側では即時抗告も検討しているという。

  しかし、裁判でねつぞうしたと言われるような証拠で争ってきた検察が、新証拠を出してこれを覆すことができるのだろうか。もし却下されてもはいそれまでよ、では済まない。この際、検察はせめても潔く静岡地裁の再審開始を認め、袴田さんの早期無罪を確定しなければならない。

 

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武器輸出三原則の見直し、安倍政権どんどん前のめり

2014-03-25 16:12:25 | 政治

 右寄り政権の安倍晋三内閣は、次々と戦後の平和を保ってきた制度の見直しに着手している。最近は第一次安倍内閣のキャッチフレーズである「戦後レジュームからの脱却」をまた使い始めた。安倍氏の考え方は、「戦後レジュームから脱却し、積極的平和主義で世界に貢献する」というものだろう。

 そのために、何をやるかと言えば、憲法改正をするための国民投票法、教育基本法改正、首相と数人の閣僚で構成する国家安全保障会議(日本版NSC)、国家機密保護法、集団的自衛権行使容認、加えて武器輸出3原則の見直しとくる。

 これらの内、集団的自衛権行使容認、武器輸出3原則の見直し以外は総て法律が国会を通っている。集団的自衛権行使容認については、先にも書いたが、公明党はもとより、自民党内でも本質と手続き論でさまざまな意見が出ており、今後紆余曲折がありそうだが、もう1つの武器輸出3原則の見直しについても大いに議論が必要だ。

 従来の武器輸出3原則は、昭和42年、佐藤総理の時代に、下記①から③の場合は武器輸出を認めない方針を表明した。①共産圏諸国向けの場合、②国連決議により武器等の輸出が禁止されている国向けの場合、③国際紛争の当事国又はそのおそれのある国向けの場合、さらに、昭和51年、三木総理の時代に、「武器製造関連設備の輸出については、武器に準じて取り扱う」として、その技術などの輸出を禁じる政府見解を表明していた。

 しかし近年、グローバルな情勢の変化に対応するという趣旨で、国家安全保障会議は、「同盟国との防衛装備・技術協力の強化や、平和貢献・国際協力への積極的対応、さらにわが国の防衛生産・技術基盤の維持・強化の観点から在り方を検討する」とし、与党PTでは新ルールを定める考えを打ち出した。

 新原則では、①現在武器禁輸対象とされている「共産圏諸国」「紛争当事国」などの記述をはずし、「国連安保理決議や国際条約に反する国」を新たな禁輸対象として盛り込む。②武器輸出は、武器の国際共同開発や平和利用が目的の場合やシーレーン(海上交通路)の安全を確保するために必要な場合にのみ可能とする。③武器の目的外使用や第三国への予期しない譲渡が行われるのを防ぐために、輸出目的や用途を厳格に審査・管理することも明記する。

 こうみると、いかにも厳格な規制を継承するような記述になっているが、その流れは、かなり自由化に傾斜している。また、武器の輸出とは呼ばず、新たに「防衛装備品の移動」などと表現していることがうさん臭い。専守防衛を国是にしている日本なので、武器は持たないと言いたいところだが、現在、日本が持ったり、作ったりしているものは紛れもない武器そのものだ。輸出を移動と言い換えたが、いかにも姑息で滑稽だ。「関連:3月23日

 

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不明機、海洋に墜落と発表=マレーシア首相

2014-03-25 12:18:56 | 世界

 マレーシアのナジブ首相は24日夜、民間の衛星情報の分析結果として、行方不明のマレーシア航空機はインド洋南部で墜落したとの見方を発表した。

 これまで、オーストラリア、フランス、中国が人工衛星で、この海洋に浮揚する航空機の残骸のような物体を発見、日本の自衛隊機を含めオーストラリア海上保安局など各国でこの物体の確認に努めてきたが、それがまだ終わらない内にマレーシア首相の発表は唐突感を隠せない。

 この発表により239人の乗客、乗員の死亡が現実のものとして受け止められ、分けても153人の乗客があった中国人の家族の落胆ぶりがテレビで報道された。

 中国外務省の洪磊副報道局長は24日夜、「中国政府はマレーシア側に(墜落したと判断した)全ての情報や証拠を提供するよう要求した」との談話を出した。

 これまでの航空機事故から考え、謎に包まれているマレーシア航空機の消息、事故原因が明確に示されるのか。インド洋における軍事的な謀略情報まで飛び交っている今回の航空機事故が、万が一闇の内に消されてしまうことは、今後、各国の民間航空機に対する信頼性を確保するうえで、絶対に許されるべきではない。「関連:3月21日

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鶴竜が初優勝、横綱を射止める=大相撲春場所終わる

2014-03-25 11:38:23 | スポーツ

 

 大相撲春場所は3月23日の千秋楽に、それまで日馬富士、白鵬の両横綱を破り1敗で優勝に王手をかけていた大関鶴竜(28・井筒部屋 モンゴル出身)が、こちらも両横綱を下して勝ち越しを決めていた大関琴奨菊を力相撲の末寄り切りで破り14勝1敗で初優勝を果たした。

 鶴竜は、前場所、本割で白鵬を破り、白鵬との優勝決定戦では惜しくも敗れて優勝を逃したものの、次の場所13勝2敗以上で優勝すれば横綱昇進を約束され、春場所は横綱昇進にチャレンジした場所だったが、見事に与えられた条件をクリヤーした。

 相撲協会は24日さっそく横綱審議委員会を招集し、鶴竜の横綱昇進について協議した結果、2場所連続14勝の好成績が高く評価され、審議はわずか11分で終わり、満場一致鶴竜の横綱推薦を決めた、26日の夏場所番付編成会議後に開く理事会で「第71代横綱鶴竜」が正式に誕生する。

 これで外国人出身の横綱は、武蔵丸後5代連続続き、モンゴル出身は朝青龍以後4代連続、来場所はモンゴル出身3横綱の競演になる。

 春場所は、終盤になって、29回目の優勝を狙い、全勝街道をひた走っていた白鵬が13日目に、勝ち越しも危惧されていた琴奨菊に圧倒されて負け、その際右手親指を痛めたためか、3連敗するという意外な展開になった。

 休場明けの日馬富士も後半疲れたか3敗を喫した。ご当所の関脇豪栄道は12勝3敗で、来場所の成績次第で大関を狙える。

 カド番だった大関稀勢の里は、早々に勝ち越し、カド番は脱出したが、終盤に負けが込んだ。稀勢の里は、初場所が横綱挑戦場所だったが期待を裏切り、大関に後からなった鶴竜に先を越されてしまった。待望久しい和製横綱候補のトップとみられている稀勢の里への期待がだんだん萎んでいく。

 今場所は、新鋭遠藤が前頭筆頭に上がり前中盤の人気を盛り上げたが、6勝9敗と負け越した。元大関の関脇琴欧州が引退、これで欧州出身の大関がいなくなった。「関連:1月27日

 

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大阪市民、橋下氏を見限る 投票率史上最低、異例に多かった白票=大阪市長選挙

2014-03-24 14:47:41 | 政治

 昨日行われた大阪市長選挙は、市長を自ら辞職し改めて立候補した橋下徹市長が377472票で当然ながらの当選をした。立候補した他の3人は単に出ただけで合せて約53000票となったが、無効票が約67000票、その内白票が約67%の約45000票という異例の結果になった。

 投票率は23.59%で過去最低の1995年の28.45%をさらに下回った。投票率が極端に低かったことと、白票が多かったことは選挙前からある程度予想されていたことだ。

 橋下氏の得票率は、有権者約2百十万人比で17.85%と橋下氏の初当選時の35.67を%の丁度半分になった。つまり、今回の選挙で橋下氏が最大の争点としたはずの大阪都構想の区割り案については、大阪市の有権者の18%弱の支持しか得られず、棄権した有権者を含めれば82%が反対か、どうでも良いと思っているという結果になった。

 橋下氏が得た得票率の低さ、投票率が史上最低だったこと、白票が異例に多かったことを考え合わせると、今回の大阪市長選挙は、橋下氏にNOを突きつけたに等しい。

 橋下氏は、この結果を受けて再び市長として議会に臨むが、大阪都構想の区割り案を多数で否決した議会は、出直し選挙前と全く同じだ。むしろ選挙の結果が予想以上に悪かったこと、公明党を含め野党との関係がますます悪くなっていること、大阪府議会では、大阪維新の会を脱党する議員も現れ、それが大阪市にも飛び火しないか危惧されることなどから、橋下氏は、辞任前より一段と厳しい議会対応をしなければならなくなった。

 橋下氏は、昨日、当選が決まった後にも姿を現さなかったようだ。今度の選挙結果にショックを受けていることは間違いない。自信家が逆風にさらされた時の落ち込みは人一倍になるらしい。橋下氏にとっての再浮上の道は、唯一都構想について、直接市民の声を聞くための住民投票の実施があるが、これも実施するためには議会の承認を必要とするし、若しやったとしても市民多数の支持を取り付けることは、今回の選挙結果からいって至難の業だ。

 橋下氏の衰退は、共同代表の石原慎太郎氏のボケ気味の行動と併せ、取りも直さず、国政における日本維新の会の存亡にも影響する。「関連:3月9日

 

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集団的自衛権行使容認は、日米安保改正、徴兵制度導入まで繋がらないか

2014-03-23 16:19:05 | 政治

 安倍晋三首相が傍目で見ても滑稽なくらい、集団的自衛権の憲法解釈容認にしゃにむに動いている。3月22日には防衛大学校(神奈川県横須賀市)の卒業式に出席し、訓示で集団的自衛権の行使容認に向けた憲法解釈変更と、自衛隊法など関連法の改正に重ねて強い意欲を示した。

 このような安倍首相の焦りにも似た前のめりの動きに対し、さすがに危機感を持ったのか与党内で何とか彼を落ち着かせようとする動きが出始めている。

 公明党は、先に漆畑良夫国会対策委員長が、明確に違和感がある旨の発言をしたが、その後も党内で容認を批判する立場で勉強会を開いている。

 また、自民党内でも何年振りかの総務会を開き、その中で解釈憲法による容認については、批判や疑問視する意見が多数出たとのことだ。閣内でも、岸田文雄外相が、自らが率いる派閥の会議でこの問題を議論し、やはり解釈憲法による集団的自衛権容認については、党内議論を深めることが必要との意見をまとめている。

 集団的自衛権については、そもそも今これが必要なのかという問題と、若し必要だとしても、憲法第9条の解釈で容認できるのか、そうではなく、憲法改正をしなければ容認はできないとする問題点がある。

 今、集団的自衛権行使が必要なのかというと、軍事同盟を結んでいるアメリカが、日本の周辺で中国や北朝鮮、ロシアと戦争状態に入る可能性があるかというと、現在の米中、米ロ関係から見て可能性が無い方が現実的だ。確かに、クリミア問題で、米ロの関係は悪化しているが、それが戦争にまで発展するとは考え難い。北朝鮮とはどうかと言えば、もし、北朝鮮が軍事行動に出れば、国自体が壊滅する可能性が高く、いくら無謀な北朝鮮でもそんな危ない橋は渡らないだろう。

 だったら、戦後70年近く日本は集団的自衛権行使は容認していないのだから、今さら急いでこれを認め、行使できるようにしなければならないという緊急性はほとんど無いと言って良いだろう。

 従って、集団的自衛権行使を憲法の解釈により容認することも、憲法改正で容認することも必要性が無いと言えよう。よしんば、どうしても集団的自衛権行使が必要だとしても、憲法解釈による容認は邪道である。

 常識的に考えても、憲法解釈による容認を認めると、歴代内閣の考え方によって、容認する場合と、そうでない場合に分かれ、その都度自衛隊法などの法律を変えなければならなくなる。一方、国際的に懐疑心を持たれることに繋がるし、分けても日米同盟のあり方がちぐはぐになることも考えられる。

 だいたい、同盟国のアメリカが攻められたら、日本が集団的自衛権行使によって、一緒になって戦うというが、当のアメリカは本当にそれを望んでいるのだろうか。日米安保条約では、日本が攻められたらアメリカが日本を守る代わりに、日本は基地を提供するという軍事面では片務契約になっている。従って、日本は沖縄をはじめ多くの基地を提供し、アメリカに対し思いやり予算とか言って膨大な費用を負担している。

 もし、集団的自衛権を行使し、アメリカと一緒になって戦うことになるのなら、日米安保を変えなければならないし、アメリカに基地の返還を求め、膨大な費用の軽減を要求しなければならない。

 アメリカはそれをやられるのが困るから、本心は、日本に集団的自衛権行使を無理矢理に求めないだろう。もし、日本が集団的自衛権行使だけ認め、アメリカに協力するだけで他に何にも要求しないとしたら、これほど人の良い話はない。

 もう1点、例えばの話だが、集団的自衛権を行使しアメリカと一緒になって戦うことになると、自衛隊員に死傷者が出る可能性が濃厚になる。そんな危ない役務を求める自衛隊に若者が勇んで入隊するだろうか。

 現在でも自衛隊員が不足している中で、集団的自衛権行使容認後は、ますます自衛隊員が不足する可能性が出てくる。そうなると最後の手段として、隣の韓国でも用いている徴兵制度の導入も視野に入ってくる。そこまで見通して、集団的自衛権行使容認問題を考えることが必要だ。「関連:3月6日

 

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悲惨なベビーシッターによる幼児の死亡事件

2014-03-22 16:13:27 | 社会

 3月17日、埼玉県富士見市で、いわゆるベビーシッターに預けた横浜市磯子区の2歳と8カ月の子供の内、2歳の子供が死亡し、8カ月の赤ちゃんは保護されるという事件が起こった。

 神奈川県警はこの2人を預かったベビーシッターの物袋(もって)勇治容疑者(26)を死体遺棄容疑で逮捕した。捜査官が物袋容疑者の自宅と「保育室」を兼ねる富士見市のマンション一室に入った際、死亡していた山田龍琥(りく)ちゃん(2)と弟はほとんど裸の状態だった。消防によると、龍琥君は畳の上で仰向けになって倒れていた。弟は居間で低体温状態になっていた。龍琥君は16日ごろに死亡し、口をふさがれた窒息死の可能性があるとのことだ

 2人の幼児の母親は、インターネットで検索したベビーシッターの物袋容疑者に14日~16日までの約束で2人の子供を預けていたという。ただ、この母親は以前持袋容疑者に子供を預けた経緯があり、その際彼に不信感を持ったため、別のシッターに依頼したつもりが、実は持袋容疑者が別名でサイトに登録してあり、結局、別名サイトの持袋容疑者に預けてしまったとのことだ。

 従って、今度の事件は既にインターネットで検索したベビシッターの持袋容疑者と面識があったが、普通考えると、インターネットで調べただけで、見ず知らずの男に、大事な子供を預けるなど無謀と思われるが、最近はこのようなことは、日常的に行われているようだ。

 もちろん、今回の事件は例外で、ほとんどが善意のベビーシッターとは思うが、このような悲惨な事件が起こると、ネットで検索しただけの人に子供を預けても大丈夫なのかと、親の不用心さをなじってしまいそうだ。

 ただ、現実的には、子供を抱えて働かなければならない親はごまんといる。しかし、働いている間、子供の面倒を見てくれる人がいなければ、止む無く第三者に頼まなければならない。

 昼間なら待機児童はいるとしても、保育所などに預けることは可能だが、夜間はそれができない。従って、やむなく夜間でも子供を預かってくれるベビーシッターなどを利用せざるを得ないのだろう。

 ベビーシッターは、企業として従業員を雇って子供を預かるものと、個人で行っているものと2通りあるようだが、個人で子供を預かる場合でも行政の認可は必要ではないようだ。

 余りにも、放任状態になっているように思うが、そこのところを強化するとベシーシッターの就業者が少なくなり、子供を預けなければならない親のニーズに対応できないためからなのか。

 また、企業と個人のベビーシッターでは、個人の方が時間当たりの値段が安いようだ。ただ、今回の事件では、1時間の預かり料金は1000円というから、普通のアルバイトやパートで働いている人だと、自身の稼ぎではこれを補うことができない。いわゆる水商売をやっている人でなければ金銭面で預けることはできないだろう。

 今回の場合は、インターネットでベビーシッターを探したが、この辺も便利さや時間を上手く使える、人に知られたくないことなどで隘路があり、簡単に非難できないのが実情のようだ。

 そうは言っても、今回のような悲惨な事件は2度と起こしてはならない。子供を預けなければならない親は、大変だが、相手に直接会って信用度を見極めるよう注意を払わなければならないが、行政も無認可のベビーシッターをただ放置するのではなく、何らかの対策を講じることが必要になっている。

 

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