正さん日記

世の中思いにつれて

9月入学は困難との結論、平時でも難しく拙速は戒めるべき

2020-05-28 14:03:45 | 政治

 新型コロナウイルス防止のための休校が続く中で授業が遅れ、一高校生からこの際9月入学に変更したら如何かという意見があった。

 これに対し、小池百合子東京都知事と吉村洋文大阪府知事が賛意を示し、これを受けた安倍晋三首相が国会答弁で検討に与えすると述べた。

 そのため、自民党内では検討作業に入ったが、結局、今年、来年の導入は困難性があるとの結論に達したようだ。

 9月入学については、教育関係者の多数が、自民党が打ち出した来年度導入を目指し、小学校1年生の入学時期3案については押しなべてネックが大きく、導入に反対するとの意向を示していた。

 ちょっと考えただけでも、1案は来年4月に入学する児童全員を9月まで伸ばす。2案は1年に1月ずつ延ばす、3案は9月まで0年生とするものだが、総てにおいて長短はあるものの保育園、幼稚園での在園が長引くことになる。

 そうなると、保育園、幼稚園の制度も変えなければならず、当然、保育士、幼稚園教師の増員や、保育室、教室の増設も必要になってくる。

 また、例えば0年生を設ければ、教室の増加、教師の増員などが即必要になり、強いては義務教育の延長に繋がる。

 そもそも、9月入学にしたとしても、今の在校生の卒業は統べて3月なので、総てが8月卒業、9月入学になるには小学校で6年掛かり、これが中学、大学に連動することになる。

 在校生のすべてを8月卒業に延ばすことは、到底許されないので、6年間は9月学年と4月学年が混在することになる。

 今回の高校生の9月入学要望の理由は、勉強の遅れを取り戻したいということだった。

 しかし、先にも述べたように在校生は総て3月卒業になるので、9月入学に変えたとしても、それで在校生の遅れた勉学時間を取り戻すことは不可能だ。卒業を8月に延ばせば別だが、それは無理だろう。

 9月入学待望論は前からあるが、これには様々な社会的、経済的変容を伴うことになる。平時でも難しい9月入学への変更については、拙速を戒めなければならない。「関連:4月30日

 

 

 

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1 コメント

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同感です (退職オヤジ)
2020-05-29 17:46:56
今回、コロナによる授業時間不足が引き金になって、9月始業式の案が出ています。

9月にして、第2波3波が来たらどうするのでしょう?

新型のウィルスが世界中に蔓延するのは10年に1度のペースです。

次はどうするのでしょう。

この問題は、コロナと切り離して冷静に考えるべきです。

それでなくても、カリキュラムの変更等忙しい文科省に、余計な資料づくりをさせないでほしいです。

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