福島第1原発の各号機から漏れている放射能を含んだ汚染水は、格納施設に溜められているが、それが満杯になって溢れ出る危機が日に日に迫っている。この危機を乗り切るための神の手が、汚染水を浄化し、燃料を冷やすため炉心に戻す「循環注水冷却」だ。
ところが、この循環注水冷却装置が稼働後に、ホースから水漏れが発見され、数度に亘って運転を停止するなどトラブルが絶えない。
何しろ、このホースは全長4キロにも及び、その間に、アメリカ、ドイツ、日本製の放射能をろ過する装置を繋ぎ合わせたもので、今までどの原発でもやったことのない本邦初の難作業だ。
東電によると、ポンプと接続しているホースの接合部分付近に微小な穴が見つかり、にじみ程度の水漏れがあったため、一時運転を停止、その後、穴が見つかった長さ30メートルのホースを交換し、運転を再開したという。循環注水冷却は、27日夕に開始後、わずか約1時間半でホースが外れて水漏れが発生し中断、ホースを交換するなどして28日午後、運転を再開したが、ニ度三度のトラブルが起き、果たして、工程表どおり復旧作業が進むのか疑念を持たれている。
今日あたりは、この「循環注水冷却」が曲がりなりにも稼働している様子で、汚染水の量は少しずつ減ってはいるらしい。しかし、稼働状況が大々的に報道されていないところを見ると、まだ安定稼働には至っていないのではないかと心配される。「関連:6月11日」