退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

事情はあれども

2008-02-13 03:36:50 | Weblog
雨のちくもり。身を切るよな風。

なぜか朝早く目覚めてしまい
時間を持て余してホテルのラウンジに行く。

うまくもないカフェラテ830円。
周囲ではあやしげなビジネスマンの会話が飛び交う。

ひたすらボーッとして煙草4本吸って帰宅。

昼なお薄暗い世界には
それなりの魑魅魍魎がいた模様。

読むつもりで持っていった本も無駄になる。
いかにも平身低頭しそうなホテルマンにややがっかり。

プライドを持てない仕事は
できたらしない方がいいのに。
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20年のお付き合い

2008-02-12 01:08:43 | Weblog
晴れ。昼間はおだやかな陽気。

中野翠「コラム絵巻 20年SPECIAL」を読む。
デビューからほぼ20年たった著者が自選したコラム集。

<巻一>はサラ・ヴォーンの「I CRIED FOR YOU」をBGMに
昭和天皇崩御から新潟県中越地震までの「社会派もの」。

<巻ニ>はサッチモの「WHAT A WONDERFUL WORLD」で
進化するテクノロジーと男女の生き方・性について。

<巻三>はビング・クロスビーの「MY BLUE HEAVEN」で
著者の「感性」を中心に。

<巻四>はレイ・チャールズの「I CAN'T STOP LOVING YOU」で
著者の「好きな人々」が並べられて。

<巻五>はフレッド・アステアの「S'WONDERFUL」で
’96から’05までの映画ベストテン。

あとがきの後に連載第一回のコラムが再録されていて
表紙には著者の好きな松本かつぢの「くるくるクルミちゃん」がいる。

橋本治には「説教芸者になれ」と励まされた著者だったが
まとめて読み返してみると「健全な少女趣味」は変わっていない。

ときどき一緒に語り合いたくなる友人として最適。
男女を問わずそういう友人は貴重だ。
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時空戦士

2008-02-11 03:27:11 | Weblog
晴れ。昨日の雪は溶ける。

少しだけ走ったつもりが振り返ると誰もいない。
ということを再確認する。

自分の面白いと思うことと
他人の面白いと思うことは違う。

当たり前のことで
これは多数決の問題ではない。

がしかし。

「世の中に認められる」ということは
よくも悪くも「多数」でなければならない。

あるいは少数であっても何らかの「権威」に認められれば
それを媒介にある程度の数は確保できる。

「質より量」という原則は厳然としてあり
その上で「質」を求めるとしたら。

やはり、「時空を超える」しかない。
見上げてごらん、夜の星を。
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歴史のない国

2008-02-10 01:07:53 | Weblog
雪のち雨。久方ぶりに積もる。

イザヤ・ベンダサン「日本教について」を読む。

「日本教」という無自覚な前提がすべてを覆い
それ以外の論理を許さないという指摘はおそらく正しい。

現在なら「毒入り餃子」を非難する前に
自らの「食料事情」を考えるべきではないかという指摘はあまり受け入れられない。

かつては日本でも当然のように野菜を洗剤で洗っていた時期はあった。
その事実が全く忘れられてしまっている。

圧倒的な「歴史の不在」。
同じ問題を扱っているにもかかわらず何の「蓄積」もない。

常に「現在」が優先されるだけの国に
展望などあるはずはないのだとするのは正しいが哀しいことだ。
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簡単にできるということは複雑さを放棄する=文明

2008-02-09 03:47:52 | Weblog
晴れ。風冷たし。

イザヤ・ベンダサン「日本教について」を読む。

論理というもののあり方と
前提(歴史)を意識しない日本人を再確認する。

おそらくこれは知性のある戦争経験者が
戦後に同じものを見出した記録だと言っていいだろう。

かつてマッカーサーは「日本人は12才だ」と言ったが
今ではさらに幼稚になっている事実を如何とする。

文明(豊かさ)はたいていの人をダメにする。

この単純なことがわからないというだけのことなのだが。
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魔術と交霊への情熱

2008-02-06 01:10:24 | Weblog
くもりときどき雨。風冷たし。

ジョージ・マーシャル「魔術の恋」を観る。

世紀の魔術師フーディニにトニー・カーティス、
妻ベスにジャネット・リー。

謎の助手オットーにトーリン・サッチャー、
「育ての親」シュルツにシグ・ルーマン。

フーディニはハンガリー出身の実在の奇術師で脱出を得意とし、
トランクを使った助手との入れ替わりのトリックの創始者。

母の死後交霊術に凝り本物を探すものの
結局イカサマを見破る専門家になった。

「死後の世界があるなら死んだ後で連絡する」と言ったらしい。
客に腹部を殴らせたのが死因になったという不思議な人物。
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新しいゲーム

2008-02-05 01:53:12 | Weblog
晴れ。おだやか。

ヘッジファンドに代表される金融資本による経済効果は
普通の人々が住んでいる地域を豊かにすることはない。

膨大な貨幣量がいたずらに「影響」を与えるだけのこと。
そのゲームは「さらに貨幣量を増やすこと」というルール以外認めない。

「人々の幸福」を実現するためには「小さい規模」で行なうこと。
それぞれの地域を豊かにすること。

そういう「新しいゲーム」が
そろそろあらゆる場所で始まらなければならない。
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特異な人物像と歴史

2008-02-03 23:30:06 | Weblog
くもりときどき雨。空気やや冷たし。

昨夜はソウルバーで飲む。
すきっ腹で飲んだせいかジンが内臓にしみていてボーッとする。

デヴィッド・エドモンズ&ジョン・エーディナウ 二木麻里訳
「ポパーとウィトゲンシュタインとのあいだで交わされた世上名高い一〇分間の大激論の謎」を読む。

ウィーン出身の哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインとカール・ポパーが
生涯ただ一度対面した時の議論の「真相」を巡るノンフィクション。

ふたりや同僚たちの「変人ぶり」もさることながら
それぞれの環境(ふたりともユダヤ人)を生き延びる「サスペンス」も面白い。

ヒトラーのドイツによって併合されたウィーンの様子も描かれている。
ウィトゲンシュタインが「富豪の息子」だというのは始めて知った。

ふたりの「哲学」を知らなくても十分楽しめる作品。
「独特なキャラクター」を好む向きは是非。
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When you wanna come

2008-02-02 04:09:36 | Weblog
晴れ。夜になって風冷たし。

かつてイランのホメイニが
「音楽麻薬論」というのを唱えたことがある。

今宵はソウルナイトでマンハッタンズを中心に聴く。
途中であれこれ入れつつ。

曲を好んで聴く者は「歌好き」と「音好き」に別れる。
声なのか音なのかは人間を楽器だと思えば大差ない。

それでも好みというものはなぜか形成されて
それぞれの「世界」を作る。

知識の深さなどどうでもいい瞬間。
「愛情」という強度を感じられるかどうかが大切なのだ。

だって好きなんだもん。

と言いつつ動物と人間のあいだをさまよう。
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少女の「歴史」と現在

2008-02-01 01:17:19 | Weblog
晴れ。寒さそれほどでもなし。

宮台真司・石原秀樹・大塚明子「増補サブカルチャー神話解体」を読む。

「清く・正しく・美しく、性から隔離されていた少女」は
「子どものまま性的になる」ことを宣言して「かわいさ」を求め始める。

それでもとまどう少女たちはメディアの中に「これってあたし!」を探す。
「乙女ちっく」として「私だけがわかる<私>」を探求する。

やがて彼女たちはそれをやめ、「みんな同じであること」を先取りする
キュートな「かわいさ」を対人関係ツールとして利用するようになる。

「本当の<私>」同士が出会わないような、それでいて持続的なコミュニ
ケーションを可能にする「かわいいコミュニケーション」。

「少女」はそうした「歴史」をたどってきたらしい。

「音楽・マンガ・性の変容と現在」も描かれている本作の解説は
上野千鶴子で、その文章はまるで「厳しい母」のよう。

過去の作品を増補した文庫の解説が非常に面白いというのは
「宮台真司」というキャラクターのなせるワザなのだろう。
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