晴れ。おだやか。
美濃部美津子「おしまいの噺」を読む。
著者は五代目古今亭志ん生の長女で
十代目金原亭馬生・三代目古今亭志ん朝の姉。
前作「三人噺」に比べると聞き書きのような形式になっているので
江戸弁の魅力がやや薄れている感じ。
ただし父親志ん生の落語の編集作業をやっていたおかげか
それぞれのエピソードはいきいきとして目に浮かぶよう。
金井美恵子が悪口を言うときに使う「~だっての」という言い回しが
やわらかく使われていたのが印象に残る。
ひどい貧乏生活を苦労とも思わせず
身内との別れを淡々と描いているあたりが好ましい。
志ん生が満州で死ぬ気で六本開けたのはウオッカではなく老酒らしい。
空襲になると近くにあるものをひっつかんで一番最初に逃げ出す姿が「らしい」。
現代にない「自負と臆病」の楽しさはいかが。
美濃部美津子「おしまいの噺」を読む。
著者は五代目古今亭志ん生の長女で
十代目金原亭馬生・三代目古今亭志ん朝の姉。
前作「三人噺」に比べると聞き書きのような形式になっているので
江戸弁の魅力がやや薄れている感じ。
ただし父親志ん生の落語の編集作業をやっていたおかげか
それぞれのエピソードはいきいきとして目に浮かぶよう。
金井美恵子が悪口を言うときに使う「~だっての」という言い回しが
やわらかく使われていたのが印象に残る。
ひどい貧乏生活を苦労とも思わせず
身内との別れを淡々と描いているあたりが好ましい。
志ん生が満州で死ぬ気で六本開けたのはウオッカではなく老酒らしい。
空襲になると近くにあるものをひっつかんで一番最初に逃げ出す姿が「らしい」。
現代にない「自負と臆病」の楽しさはいかが。