退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「芸のある批評」について

2013-04-03 00:38:23 | Weblog
くもり。夕方から雨。

町山智浩・柳下毅一郎「ベスト・オブ・映画欠席裁判」を読む。

以前新刊本屋で見かけて気になっていたものを古本屋で発見。
895円が300円だからお得な買い物。

ヴィデオやDVDをしょっちゅう観ていた頃の作品が多いので
個人的にはかなりとっつきやすかった。

過去の作品やゴシップを織り交ぜつつ進むふたりの「漫才」は快調。
実に愉しいひとときを過ごさせてもらったのはありがたい限り。

ハリウッドの監督にゲイが多いように感じるのは
たまたま採り上げた作品がそうだったのか。

いやしくも職業評論家なら誰もが誉める作品ばかりでなく
「ダメな作品」を観てダメだと言うべきだというのにはなるほど。

ただしある程度「体力」がないと出来ない仕事であるのも確かで
そのあたりにそれぞれの「好き加減」が出るのかもしれない。

そういえば先日Gyaoで観た「蟲師」(’06)はヒドかった。
原作のマンガは独特の世界を作り出す素敵なものだったのだけれど。

久方ぶりに李麗仙と沼田爆の姿を観られたのが唯一の収穫。
監督が「AKIRA」の大友克洋だから映像に多少凝ったのはわかるとしてそのお話たるや。

いやむしろあの世界を表現するためにはもっと映像に凝るべきだった。
基本的に「陰影」が全くなく「夏休みの卒業制作」のような感じだもの。

せめて寺山修司くらいの「おどろおどろしさ」がないと。
「土着」な雰囲気をもっと出してもらいたかった。

などとついつい「無芸な感想」を書いてしまったのは
本書にあてられたせいだとしておこう。
コメント
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