退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

威風茫洋

2009-08-01 00:36:45 | Weblog
くもり。夜になって少し降る。

武田泰淳「タデ食う虫と作家の眼」を読む。

「すべてのものは変化する」という著者の映画に関する文章を集めたもの。
巻末に「流人島にて」「白昼の通り魔」の短編二編を収録。

「映画」という「カラクリ」をあらためて感じさせる内容がいい感じ。
木下恵介、内田吐夢との対談、黒澤の「どん底」のロケ見学記もある。

著者の作品はあれこれ読んではいたけれど
これほど映画に近いところにいたことは不勉強にも知らなかった。

大島渚の「白昼の通り魔」の原作者だったことも
映画は観たけれどまったく忘れてしまっていた。

かつて「極限和尚」とも呼ばれた独特の視点をもつ文章の味はやはりいい。
イメージとしての「鋭さ」とは違う「知性」を知りたい向きにおすすめ。
コメント
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