退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

数字で生きられるのか

2008-12-31 01:50:03 | Weblog
くもりときどき晴れ。フリーな一日。

小幡績「すべての経済はバブルに通じる」を読む。

資本主義の本質は「ねずみ講」だというのが明快。
リスク情報の縮減が購買者を増やし商品としての流動化と「価値」を生む。

誰もがババを引きたくない中
実績を数字で示すしかない投資のプロはあえてバブルに強気で向かうしかない。

ケインズの「美人投票」を投資家のリアルな心理分析で示した本書は
「なぜ儲けなければならないのか」という問いを逆照射する。

こうした動きは大昔ならレミングの集団自殺に例えられたはず。
理由は不明だけれどそういう動きが起こる。

わけのわからないもののメカニズムを知って
それに勝とうとする気持ちはわからなくもない。

しかしおそらくそれは「才能の浪費」で
著者もそれを薄々感じているだろうと思わせるところが面白い。

自分が心底大切にするものは何か。
この単純な問いに答えられない者が数字に代表されるデータを求める。

合理的であることが「自分」ではない。
そんなことはそれぞれの胸に聞いてみれば明らかなことのはずだけれど。
コメント
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