下川町は木質バイオマス活用の先進地として知られています。
このブログでも2度ほど書いています。
→ http://blog.goo.ne.jp/okui-m/e/ee6ffd6192319f366d81f428e494beb3
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さて一の橋地区は昭和35年には2,058人の人口がありましたが現在は約140人、
高齢化率は50%を超え商店も病院もなく典型的な過疎の集落となりました。
地域コミュニティの維持に問題が出ていたそうです。
そこで町は「一の橋バイオビレッジ」構想でエネルギー自給型集住化エリアを実現、
地区の自立と安定した暮らしを目指すことにしました。
このエリアにあるのは集住化住宅28戸、交流プラザ、障害者支援施設、
育苗用ハウス、郵便局、レストラン(駅カフェイチノハシ)など。
これらは木質バイオマスボイラーによる地域熱供給システムで給湯・暖房が行われており、
電力の一部は太陽光発電によって賄われています。
要するに過疎でまばらになった住宅を一か所に集め公共施設も併設、
エネルギー供給をバイオマスで一元化し地域コミュニティの維持を目指した。
これにより一の橋地区では余剰熱を利用した産業創出で26名の雇用が発生、
若い世代の移住により3年連続で子供が生まれるなどの変化がありました。
町の中心市街地から離れた過疎の集落で3年連続赤ちゃんが生まれるなど、
普通は考えられないことです。
それを創意と工夫でやり遂げてしまうのですから、下川町の発想と実行力はすごい。
同じようなことがなぜ他の町や村でできないのかが不思議です。
もっとも、同じことをしても同じ結果になるとは限らないのですが。
木質バイオマスで先行する下川町、これから何を仕掛けてくるのでしょうか。
地域活性化の好事例として注目していきたいと思います。