フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

3月24日(日) 曇り時々雨

2024-03-25 12:35:00 | Weblog

9時、起床。

チーズトースト、カレー、目玉焼き、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

NHK杯将棋トーナメント女流棋士枠出場者決定戦、福間(旧姓:里見)香奈女流5冠対西山朋佳女流3冠を観る。女流将棋のタイトルは8つあるが(名人、王将、王位、王座、女王、倉敷、白玲、清麗)、それらをこの二人で分かち持っている。文字通り、女流棋士のツートップなのである。相中飛車の出だしから、中盤、先手福間のいくらか指しやすい(AI評価)局面になったが、銀不成とすべきところで銀成としたために、飛車と成銀の両取りの角打ちを許してからは、駒損となり、西山の厳しい寄せに敗れた。これで二人の戦いは福間の37勝30敗となった。これからも二人の戦い=女流棋士のレベルアップを牽引するものだろう。

昨日のブログを書いてアップする。

朝食が遅く、ブランチ気味だったので、昼食は取らず、夕方近く、散歩がてら(今日は一歩も外に出ていない)「きりん珈琲」に出かける。

途中にある元カフェ「屋根裏」。元店主さんはお住まいで、店先にはいろいろな飾りつけがされている。もう鯉のぼりですか?!(笑)

JRの踏切を渡る。ここは電車(京浜東北線と東海道線)の行き来が頻繁で、「開かずの踏切」とまでいかないが、けっこう待たされることが多い。

住民のいなくなって久しい団地。団地に付随していた商店もいまは焼き肉屋と無人のコイン・ランドリーを残すだけである。

「きりん珈琲」に到着。退院後は初の訪問である。

きりんブレンド。別途、焙煎もお願いする。

ほうじ茶あんみつ。

向こう側にキンドル・スクライブを置てて、三品輝起『波打ち際の物を探しに』を最後の頁まで読もう・・・と思ったら、黒蜜の容器を倒してしまし、キンドル・スクライブ(のカバー)を汚してしまった。

あわたて拭き取ったが、水ではなく、黒蜜だから、元の色合いには戻りそうもない。「やっちまったな」と落胆したが、眺めているうちに、見ようによっては最初からこういうデザインだったと思えば思えなくはないという気持ちになった。

「本はすべてか」という文章の中で、三品はこんなことを書いている。

 デジタル化の潮流のなかで失われてゆく物――いつしか本は、その象徴的な存在のひとつになった。表紙と裏表紙、そのあいだにはさまれた頁、栞、花布、見返し。装飾家が手がけた美しいカバー、本棚にならんだときに役立つ背。スプーンやフォークなんかと同じように、人の手は幼いころかに本と一体化する。そして、終生、頁を自由自在にあやつりつづけ、いろんなことを学ぶ。もうこれ以上ないくらい最良のかたちにねりあげられ、ながらく知の源泉として人類をささえてきた本は、ある意味で物の中の物だったといえるかもしれない。だからこそ本にまつわる言葉は、ひとびとがアナログな物とデジタル化したものが拮抗する塩境について語るとき、どうしたって特別な響きをともなってしまう。物としての本もいつか消えてなくなるのだろうか、と。

 最近の私は本は電子書籍で購入し、キンドル・スクライブで読んでいるので、私の読書生活から物としての本は消えてなくなりつつある。たしかに一冊一冊の本は物としての形態を失い、テキストとしてキンドルの中に収納されるわけだが、キンドル・スクライブ自体は物であり、私はそれを書斎や居間で読むだけでなく、鞄に入れて外出し、電車の中やカフェや研究室で読む。これは物としての本に似たものではないだろうか。これまでの物としての本はせいぜい数冊を鞄に入れるのが精一杯だったが、キンドル・スクライブにはとてつもなくたくさんの本を収納でき、書棚を丸ごと持ち歩くような感覚、「どこでもブックカフェ」みたいなものになりつつある。だからキンドル・スクライブは私にとって特別な物であり、黒蜜がかかって汚してしまったりするとショックを受けるのである。ちょうど物としての本に珈琲をこぼしてしまったときみたいに。

きんり珈琲ブレンドの焙煎が終わった。

『波打ち際の物を探しに』を読了し、店を出る。ちょうど1時間滞在した。

帰り道、すべての道路には傾斜があるということを改めて感じた。雨水を側溝に流しいれるための傾斜である。普段はその傾斜を傾斜として感じないが、いまは手術の跡で、いつもよりゆっくりと、左足と右足のバランスをとりながら(あまり右足の方に力が入らないように)歩いているので、その傾斜を知覚しやすいのだ。

ただいま、チャイ。

大相撲春場所は尊富士が千秋楽の一番を勝って(13勝2敗)で新入幕の力士としては110年ぶりの優勝という快挙を達成した。前日の朝乃山戦で敗れ、その際、足を痛めて車椅子で退場したので、どうなることかと思ったが、気力で頑張った。

初土俵から10場所目の優勝というのも史上最速である。すごい。

お母さまの姿もTVに映っていた。息子の晴れ姿に喜び一杯の表情である。

三賞は成績優秀な関脇以下の幕内力士が対象なのだが、今回、尊富士は優勝と同時に三賞全部を受賞した。すごいことづくめである。24歳、相撲界待望のニュースターの誕生だ。

夕食は土鍋を使った和風パエリア。新作である。

おこげの感じが(狙ったわけではないようだが)ちょうどいい。

正月に録画しておいた劇場版『イチケイのカラス』を観る。スケールが大きいような、それほどでもないような、微妙なサイズ感。冬ドラマも軒並み最終回を迎えるので、春ドラマが始まるまえの期間、映画や特別ドラマを観ることになるだろう。

風呂から出て、『福のラジオ』をタイムフリーで聴きながら、今日の日記を付ける。福山雅治は今年芸能活動34周年で、それはキョンキョン(小泉今日子)と同じで、34周年という点ではカフェ「ポットリー」と同じである。

キンドル・スクライブの黒蜜で汚れた部分は、黒蜜を拭き取って乾いたらこんな感じになった。いい感じではないだろうか(笑)。

1時、就寝。