フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

2月27日(土) 曇り

2010-02-28 02:38:38 | Weblog

  昨夜は10時半に就寝した。死ぬほど眠かったのだ。それで今朝は6時前に目が覚める。ハムステーキ、レタス、トースト(2枚)、ピーナツバター、紅茶の朝食。しかし寝不足感があったので、ブログの更新をしてから、もう一度、蒲団にもぐり込み、昼頃まで寝る。二度寝は休日の特権である。
  午後、散歩に出る。「オレンチーノ」で醤油煮込みうどん(卵を入れてもらう)。炒ったキムチをお好みで振りかけて食べると甘めの汁との相性がよい。ライスは注文しなかったが、食後にあんこの入ったおやきを注文する。これが美味しかった。熱々のあんこをフーフーしながら食べる。煮込みうどん+おやき(あんこ)、この組み合わせは癖になりそうだ。

  食後の珈琲は「グッディ」で。持参した瀬尾まいこの新作『僕の明日を照らして』(筑摩書房)を読むつもりでいたのだが、隣の席で、キャバクラのスカウトの男が若い女性2人に仕事の説明をしているのが耳に入ってきて、これが実に興味深く、本を読むフリをしながら、メモまで取って聞き入ってしまった。男の話は実に巧みで、なるほど、これなら、素人の女性がちょっと働いてみようかなと考えたとしても不思議ではないと思った。「サービス」という言葉が頻繁に出てきて、男は、ここは喫茶店だから「サービス」という言葉を使うけど、19年生きていれば(女性は2人とも19歳のようである)、「サービス」が何を意味するかはわかるよね、と言ってフフッと笑い、女性たちもクスッと笑った。私は55年生きているが、よくわからないので、思わず、「あの~、よくわからないんですけど」と言いそうになった。19歳というのは私の感覚ではまだ大人とはいえないのだが、当人たちはそうは思っていないようで、男に「19年生きていればわかるよね」と繰り返し言われることで、「自分はもう子どもじゃない」という気分が高まって、風俗業界へ入っていくことの心理的抵抗が緩和されるのだろう。男の口調は、終始ビジネスライクで、かつ、相手の自尊心を刺激するものであった。ほどなくして話はまとまったようで、3人は連れ立って店を出て行った。


フィールドノート

  しばらく本を読んでから、「グッディ」を出て、街を歩く。雨は降りそうで降らない。暖かくはないが、それほど寒くもなく、ちょっと寒いかなという程度。


街角の女


公園の祖母と孫たち


日本語は未熟だが、字は上手だ。


洋菓子を買って帰る(ベルフォセット)


2月26日(金) 曇り一時小雨

2010-02-27 09:14:09 | Weblog

  7時半、起床。遅寝にしては早起きである。寝不足はいなめない。けれど今日は午前中に会議があるから、二度寝をするわけにはいかない。ハムトーストと紅茶の朝食。9時半に家を出て大学へ。
  10時半から拡大人事委員会。12時半までかかる。コンビニで昼食用のおにぎり3個とお茶を買って来て、研究室で食べる。1時から文構の主任会。引き続き2時から文学学術院全体の運営主任会。懸案事項はあらかた片がつく。4時頃終了。事務所に行っていくつか用事を済ませる。
  あゆみ書房で『現代日本人の意識調査(第七版)』(NHKブックス)を購入。2階の「シャノアール」で目を通す。


黄昏の街とクリームソーダ

  第1回「日本人の意識」調査が実施されたのは1973年、私が大学に入学した年である。以来、5年ごとに基本的に同一の調査票を用いた調査が実施され、最近のものは2008年の第8回調査である。この35年間(ポスト高度成長期)で日本人の意識はどう変わったのか、どう持続しているのか、を考えるための貴重なデータである。しかし、気になるのは、調査の有効回収率である。初回に78.1%であった有効回収率は、一貫して減少を続けてきたとはいえ、第5回(1993年)までは70%台をキープしていた。それが第6回(1998年)で67.1%、第7回(2003年)で61.5%、そして今回の第8回(2008年)では57.5%ととうとう60%を切ってしまった。「日本人の意識」調査といっても日本人全員を調査しているわけではない。16歳以上の日本国民5400人を無作為にサンプリングし、彼らに対して調査をしているのである。全体のほんの一部ではあってもそれが無作為でサンプリングされた集団であれば、その集団は全体の縮小コピーであるから、一部を調査して全体を語ることは可能なのだ。しかし有効回収率が小さい場合は、サンプルの代表性が損なわれてしまう。当初に設定された無作為サンプル5400人の構成は日本人全体を代表しているといえるが、有効回答したサンプル3103人(57.5%)はそうとはいえないのだ。それは、まじめな人、暇な人、権威(NHK)に従順な人たちを多く含んでいるのかもしれない。もし、有効回収率が50%を切って、紅白歌合戦の視聴率と同じ程度のもの(40%前後)になってしまったら、このプロジェクトは打ち切られるであろう。思うに、「日本人の意識」調査の有効回収率は、それ自体が、「日本人の意識」調査の注目すべきデータの1つなのではなかろうか(本書では分析されていないが)。その推移が日本人の意識の変化のある側面を端的に語っていることは明らかである。
  7時、帰宅。小雀が書斎の中で遭難したらしい。妻が、小雀の姿が見えないので捜索したところ、書棚の本の奥の隙間にはまって身動きができずにいるところを発見し、救出した。この手のことはこれでもう4、5回目だ。遭難してもけっして自分から助けを求めて鳴かないので、「あれ、小雀の姿が見えないな」とわれわれが遭難の可能性に気づくまで、放っておかれるのである。


また遭難しちゃいました 


2月25日(木) 晴れ

2010-02-26 03:20:12 | Weblog

  8時半、起床。ハンバーグ、トースト、紅茶の朝食。
  午後、散歩に出る。池上梅園に行ってみる気になる。目蒲線に乗って、池上で下車。まずは「燕楽」で腹ごしらえ。カツ丼を食べる。一流のとんかつ屋のカツ丼である。850円のランチのとんかつと同じものを使っているものと思う。それで900円なら安い。衣やご飯にしみた煮汁の甘さがちょうどいい。


肉厚のカツ丼である

  池上梅園は切符のもぎりの人によれば、いまがピークである。ただし、梅は桜(ソメイヨシノ)と違って、全部の木が一斉に満開になるわけではなく、早いのもあれば、遅いのもあるため、全山梅の花一色というわけではない(そもそも白梅と紅梅が混じっているから「一色」ではない)。それでも、これだけ梅の木が多いのは見事である。


花見の後は甘味「あらい」の贅沢あんみつ

  蒲田に戻り、くまざわ書店で以下の本を購入。「シャノアール」で目を通す。

  福井憲彦『興亡の世界史13 近代ヨーロッパの覇権』(講談社)
  福井憲彦ほか『興亡の世界史20 人類はどこへ行くか』(講談社)
  鷲巣力編『加藤周一自選集6』(岩波書店)
  橋本健二編『家族と格差の戦後史』(青弓社)
  浅野智彦編『考える力が身につく社会学入門』(中経出版)


暖かだが、少しばかり風の吹く一日が暮れる

  早春の一日が静かに終るはずだったが、帰宅してメールをチェックすると、トラブル発生の知らせが一件届いていた。すぐに対応するよう指示を出す。またかよ・・・。ため息が出る。夕食後、別件で「オイ、オイ、それはないだろう」というメールが届く。しばし黙考。2通りの方策を考えて、メールを返す。ま、なんとかなるだろう。みんな、大人ですから。


2月24日(水) 晴れ

2010-02-25 10:50:13 | Weblog

  9時半、起床。寝坊だ。ジムに行った翌日はぐっすり眠って目が覚める。朝食はとらず、フィールドノートの更新をして、今夜の区民会議の資料を準備して、11時に家を出る。暖かい。帰りは夜遅くなるのでコートを来て出たが、結局、不要だった。
  12時から現代人間論系の教室会議。「たかはし」のお弁当を食べながら(これがあるので朝食は抜いてきたのだ)。冒頭、3月末で定年退職される織田先生からご挨拶があった。今日は議題が大小とりまぜて盛りだくさんだったが、個人的に一番重要な議題は、論系主任の交代の件であった。私はこの3月で論系主任を丸2年務めたことになる。主任は2年で交代する、というのは暗黙の合意事項である。ところが、次の主任の引き受け手がいないのである。もちろん積極的に「はい、やります!」と手をあげる人はいないであろうとは思っていた。故に、候補となる先生はあらかじめ絞り込んであった。教務在職中の先生、定年間近の先生、着任・移籍してまだ間もない先生、在外(3月末帰国)の先生、そうした方々を消去していくと、おのずと候補となる先生は1人2人に絞られていく。ジリジリと絞られていく。ABCD包囲網である(知らない人はネットで検索してね)。「わ、わかりました。お、お引き受けいたしましょう」という言葉が発せられる瞬間を私は待った。沈黙の時間は思いのほか長く感じられた。その沈黙を破ったのは意外にも安藤先生であった。安藤先生は教務在職中であるから、私の頭の中の候補者リストには載っていない。もしや、あと半年待ってもらえるならば(現教務の任期はあと半年である)、自分が論系主任を引き受ける、という提案をされるおつもりなのか、と私は思った。さすが安藤先生、任侠の人である。しかし、それは勘違いだった。安藤先生はまずこの2年間論系主任を務めた私に対する慰労の言葉を述べた。この難しい時期に主任を務められるのは大久保先生をおいてはいなかっと私を持ち上げた。いやな予感がした。人を持ち上げるのは何かやっかいな依頼をするときの大人の世界の作法である。案の定、安藤先生は、難しい時期はもう1年続くから(学部の完成年度後のカリキュラム再編という課題)、私に論系主任をもう1年続けてほしいということを言われた。間髪を入れず、大薮先生が、「私もそう提案しようと思っていたのです」と言った。他の先生方もうなずいておられる。ABCD包囲網が反転した瞬間である。妻の顔、小雀の顔、読まれる順番を待っている本たちの背表紙、ゼミの学生たちの顔が一瞬頭をよぎった。安藤先生がさらに言った。「幸い大久保先生は健康な毎日を送っていらっしゃるようですから」。彼は私のブログの愛読者なのだ。あのね、「フィールドノート」は自然主義文学の作品ではないのである。作者の日常を、内面を、ありのままに、赤裸々に描いているわけではないのである。辛いこと、悲しいこと、やり切れぬこと・・・そうしたものを濾過した後のうわずみ液で描いたスケッチ画のようなものである。しかし、いまは安藤先生と文学談義をしている場合ではない。それは新年度の「現代人間論系総合講座1 現代人の精神構造」(火曜4限)の授業の中でたっぷりと行うことにしよう。お楽しみに(番宣か)。安藤先生の提案に対して、憤然として席を立ち、会議室を出てゆくことはできた。しかし、私はそうはしなかった。少し考えてから、「わかりました。では、あと1年やらせていただきます」と返答した。メナード化粧品の薬用ビューネのCMに登場する「ビューネくん」(演じているのは松田翔太)が私の傍らでこう語りかけた、「大人じゃん」。
  2時から教授会。終了したのは4時。論系室に顔を出して、助手のAさんとS君をお茶に誘う。S君は『社会学年誌』の発送の作業があるとのことなので、Aさんと「カフェ・ゴトー」に行く。私がチーズケーキを注文すると、Aさんは洋梨のタルトを注文し、シェアーして両方食べたいですねと言って、店員さんにそのように注文した。私は洋梨はそれほど好物ではなかったが、3月末で退職するAさんの意向を尊重することにした。ビューネくんが再び現われて、さきほどと同じ言葉を囁いた。


はい、大人ですから。

  6時半から大田区役所で男女平等推進区民会議。今年度10回目、最後の会議である。報告書(中間)のとりまとめの段取りを決めてから、個々人がリサーチした東京都の他の区・市のプランの状況について報告してもらった。予定を30分ほどオーバーして、終ったのは9時過ぎ。新年度の初回の会議は5月末の予定。そのときは区長にも出席していただくことになっている。たんなる挨拶ではなく、少なくとも1時間は時間をとっていただいて、われわれの意見に耳を傾けていただきたい。そう担当の職員の方にお願いした。職員の方は困ったような顔をされたが、私は駄々っ子のようにくり返しお願いした。区長は立派な大人であるから、きっとわれわれの願いを聞き入れてくれるに違いないと思う。


2月23日(火) 晴れ

2010-02-24 10:32:04 | Weblog

  8時、起床。ハムステーキ、目玉焼き、トースト、牛乳の朝食。あたたかな一日になりそうだ。

  区民会議のメンバーから東京23区や市の男女共同参画プランをリサーチしたレポートが次々に送られてくる。ザッと目を通してすぐに返信のメールを書く。
  午後、息子の友人が3人遊びに来て、リビングで麻雀をやっていた。麻雀をやる大学生はいまどのくらいいるのであろう。私は大学生の頃はまだ麻雀を知らなかった。やるようになったのは大学院生になってからだ。同じ研究室のメンバーと週に1度、いや、2度はやっていた。大学の近くのパチンコ屋の2階の「三好」という雀荘でやることが多かった。
  散歩に出る。「中華つけ麺大王」で昼食。今日のサービスつけ麺(竹の子つけ麺)を食べる。500円。食後はジムで体を動かす。筋トレを2セットと60分のウォーキング&ジョギング。鰻丼一杯分のカロリー(520キロ)を消費。


陸橋を渡る

  夜、R-1グランプリを観た。あべこうじが優勝。文句のない結果と思う。決勝に残った3人とそれ以外は「話芸」においてレベルが全然違っていた。出場者の多くは4分という時間をもてあましているように見えた。1分のネタを積み重ねて4分にしているだけのように見えた。全体としての展開というか、ストーリーがないのだ。それに対して決勝に残った3人(あべこうじ、エハラマサヒロ、なたぎ武)はきっちり「4分の作品(話芸)」を作りこんできていた。
  明日の教室会議の議案書を作成してメールで送る。その作業の傍らで、小雀が机上に敷いたティッシュの上で水浴びをするような仕草をしたり、ティッシュの中にもぐりこんで眠ったりする。巣のつもりなのだろうか。


ティッシュのベッドで眠る