7時半、起床。
ロールパン、カレー、目玉焼き、サラダ、冷麦茶、紅茶の朝食。牛乳を切らしてしまった。
本日の『らんまん』。画工の野宮が田邊教授に万太郎を画工として雇うことを進言する。「植物学研究室には私と槇野さん、二人の画工が必要です」と。立場の差を考えれば「直訴」といっていいものである。田邊はその差し出がましさに怒るが、野宮のアイデア自体は否定しなかった。以前、田邊は万太郎に自分専属のプラントハンター(植物採集家)にならないかと提案し、断られている。改めて、今度は、研究室専属の画工にならないかと提案するつもりなのかもしれない。画工は裏方であり、プラントハンター同様、論文のファースト・オーサーになることはない。
昨日のブログを書きながら、王位戦第三局(二日目)の実況中継をネットテレビで観る。盤面は封じ手(先手1八同歩)から、後手2七角打ち、先手1九飛、後手3六角成、先手3三歩打と進んだところ、両者の持ち時間に大差がついているのは、佐々木が3三歩に対して長考しているからである。これを桂馬で取ると、同成桂、同銀のあとに5五桂と打たれて悪い。なので4二金と王の側に寄るか、3一金と引くかであるが、佐々木はその選択になんと2時間半の大長考をしたのである。
結局、選んだのは3一金だった。形勢は五分。
ほどなくて昼食休憩。二人が注文した昼食(勝負飯)は、藤井が鰊蕎麦、佐々木が海鮮丼。
12時10分から臨時教授会(オンライン)。1時間弱で終了。
2時を回った頃、昼食を食べに出る。
専門学校の玄関前の公園の花壇が日照り続きで瀕死の状態にある。
公園は区の管理下にあるが、区の職員が花壇に水をやりには来ない。ふだんは適度に雨が降るからその必要もないのであろう。しかし、これだけ日照りが続くと誰かが水を撒かないと持たない。多くの公園ではボランティアの人がその役目をしているが、この公園にはそういう人はいないようである。公園とはいっても、専門学校の花壇のようにしかみえないからだろうか。
ずいぶんと久しぶりに銀行口座の通帳の記帳をする。あまり長く放置していると「合算」処分になって個々の出入りの記録が分からなくなってしまう。幸いそうはならなかったが、三頁分くらいあったようである。この口座は大学からの給料が振り込まれる家計口座ではなく(そちらは妻が管理している)、私の小遣い口座である。昔は非常勤の給料の振り込み先に使っていたが、ある時期から他の大学で教えることはなくなったので、大きく増えることも減ることもなく(ときおり印税が振り込まれたり、旅行で出費したりする程度)現在に至っている。家計とは独立に自分が自由に使えるお金がある程度あるということは自律的生活をしていく上で必要なことだ。これは専業主婦の場合も同じであろう。
矢向(南武線)に行く。
「ノチハレ珈琲店」に顔を出す。月・水・木・金・日の営業であるが(土曜日が休業であることは要注意)、私は水曜日に来ること多い。
さて、何にしようかな。
マヨたまトーストと梅ソーダ。このところ、不動のオーダーであるが、今日はこの他に追加オーダーしたいものがあった。
季節限定の冷製トマトソースとソーセージのトーストである。ハレブレンドと一緒に。メニューを見たときに気になったのである。季節限定だから夏が終わればメニューから消えてしまうだろう。でも、マヨたまトーストは絶対に食べたい。となれば、両方食べるしかないだろう。
追加のオーダーをしたときに店主さんが一瞬驚いたような顔をした。高齢者が二人前のオーダーをするのだから驚くのも無理はない。私もちょっと恥ずかしかった。しかし、『孤独のグルメ』のような定食を二人前というわけではない。「パン日和あをや」ではこのくらいは毎回食べている。私は大食漢ではないし、食欲旺盛というわけでもないが、食べようと思えば入るのである。
「ノチハレ珈琲店」には1時間ちょっと滞在した。外に出ると駅までの道は東西に走っていて、西日が強烈だった。
蒲田に戻って来る。
将棋は中盤から終盤の入口に差し掛かったあたり。手番は後手(佐々木)である。藤井が敵陣に打った4二銀が攻めの拠点として働くかどうかにかかっている。AIの判断は藤井優勢だが、このくらいの差は人間同士の戦いでは簡単にひっくり返る。
ここから、後手は4一香と打って先手の攻めを催促し。先手5一角、後手同飛、先手同銀不成、後手同玉、先手8一飛、後手4二玉、先手9一飛成、後手5二銀、先手8二龍と進行し、後手が7五歩と突いた局面。これに先手が同歩と応じると、後手7六歩、先手同銀、後手5二角と飛車銀両取りに角を打たれる。なので同歩はないと解説の行方九段は述べ、AIも角打ちを未然に防ぐ6八飛を推奨した。それで藤井は優勢をキープできる。
ところがここで藤井の指した手は行方がこれだけはないと断言した「7五同歩」だった。絶句する行方。以下、後手7六歩、先手同銀、後手5八角、先手6七飛と予想された通りの手順が続く。後手の6五歩に先手が8七玉と角のラインから玉を外すと、後手は6六歩と突いた。AIの形成判断は五分に戻った。藤井の指した7五同歩はAI的には疑問手である。しかし、人間的にはすごい手なのである。なぜかというと、佐々木の攻め筋を回避するのではなく、正面から受け止めて、それで勝とうという手であるからだ。十五世名人大山康晴が得意とした戦い方で、読み筋通り進んで負かされたら相手のショックはとても大きい。藤井は若くしてそういう勝ち方を(も)身に着けているのである。
ここから先手6八飛、後手7六角成、先手同玉となったときに後手は4三馬と一つ引いて、次の6五銀の進出や4五銀と桂馬を取りながらの王手を見せた。同時に先手の3一角打ちの手からの攻め筋も防いでいる。味のいい手に見えたが、しかし、これは失着、いや敗着といっていい手だった。AIの形成判断は藤井勝勢に大きく傾いた。佐々木は藤井の次の手を待っているときに自分の間違いに気づいて頭を抱えた(そう私には見えた)。
藤井は4四香と打った。これは後手同馬しかない。
これで後手の馬は直前にいた場所に戻された。つまり香車はもらったけれど、佐々木は4三馬とする局面で一手パスした形になったのである。
ここで藤井の指した1一角打ちが狙いすましたような一着だった。もし金取りを防いで2一香と打ったりすると、すかさず先手3ニ歩成で、これを王で取ったら先手5二龍と銀を取られ、金で取ったら4四角成と馬を取られてしまう。実際は4五銀と桂馬を取ったのだが、2二角成と金を取られ、3三馬、同馬、同玉に4五歩と銀を取られて寄り形となった。
先手の4五歩に後手が6七銀と王手に打ち込んだ盤面。形作りの一着である。
同金、同歩成は王手ではない。ここから藤井は4ニ金打ち以下即済みの筋で佐々木を投了に追い込んだ。
これで王位戦は藤井の3連勝。防衛まであと1勝となった。
夕食はポキ丼、しらすおろし、卵のスープ。感想戦を観ながら。
ポキ丼は鮪の漬け、アボカド、玉葱のスライス、白ゴマ。醤油をかけて食べる。
「日常生活の社会学」の14回目(最終回)のレビューシートのチェック。今日が締切だが、いつもよりレビューシートの数が少ないのは、23日の日曜日が期末レポートの締め切りで、それで済んで気になっている学生がいるということだろうか。
風呂から出て、今日の日記を付ける。
2時、就寝。