フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

6月19日(木) 晴れ

2014-06-20 12:04:50 | Weblog

     8時、起床。

     ハンバーグ、マフィン、サラダ、冷麦茶の朝食。

     11時に家を出て、大学へ。

     昼食は蒲田駅の売店で購入した崎陽軒の赤飯弁当を研究室で。

     3限は大学院の演習。

     授業を終えて、平井に行く。飯田橋で東西線から総武線に乗り換えて20分弱で着く。

     駅北口から徒歩数分のところにあるカフェ「ワンモア」。富山由紀子さん(文構の非常勤講師で、パンケーキの評論家としても有名)が雑誌『dancyu』で紹介していて「ワンモア」のホットケーキを食べたくてやってきた。

     高齢のご夫婦がやっている下町の昭和のカフェである。 

     まずはクリームソーダで喉を潤す。ソーダ水はグリーンではなくブルーである。

        一生の楽しきころのソーダ水  富安風生  

     そしてホットケーキ。幸福の食べ物。

     ふんわり、さっくり。

     「ワンモア」でしばらく寛いでから、平井の街を散歩する。

     しばらく歩くと荒川の土手に出る。小津安二郎の映画に出てきそうな場所。

     大きな木大きな木陰夏休み  宇多喜代子

     東京スカイツリーが見える。

     平井大橋を真ん中ぐらいまで行ってみる。(対岸は新小岩)

     鉄橋を成田エクスプレスが行き来している。

     橋の上を自転車で行き来する人が多い。

 

     スカイツリーのある街の夕暮れ。

 

     すずらん通りを駅の方へ引き返す。

     ときどき脇道に引き込まれる。

     このとんかつ屋にはいずれ入ってみたい。

     駅前に戻ってきた。

 

 

     今日、散歩したのはこの辺り。知らない街を歩いてみたかった。平井は、昨日まで知らない街だったが、今日から少し知っている街になった。

     平井から直帰する予定であったが、二文の卒業生のOさんからメールがあり、今日、会社の仕事で大学に来ているので、仕事終わりに研究室に顔を出したいとのことなので、予定を変更して、大学に戻ることにした。「いつかまた」ではそのいつかはいつになるかわからないから。街も人も一期一会である。「単純な生活」と「一期一会」は今年の私のモットーだ。

     0さんは卒論で私の指導を受け、一ツ橋大学の大学院へ進学。修士を終えてから、コンサルティングの会社に就職して、今年で6年目。今日は理工学部で会社の就職説明会をしていたそうだ。

     研究室でしばらく話をしてから、「五郎八」に食事に行く。箸の紙袋で即席の箸置きを作るのは学生時代からの彼女の習慣である。 

     仕事の話をいろいろと聞いた。平日は10時、11時頃まで仕事で、週休二日だが、有給は一度も取ったことがない。体を悪くしたことはいまのところないという。典型的な「働きマン」だが、最近は少し働き方についての意識に変化が出て来たそうである。

     食後のコーヒーは「カフェ・ゴト―」で。閉店の9時50分まで話を続けた。

     後から彼女から届いたメールにはこんなことが書いてあった。

     「早稲田の街並みは少しずつ変化し、大学キャンパスも建て替えが進み、何となく変化や新しさを求められているような、しかも、その変化はより大きくドラスティックな動き(正確には、そのように見える動きでしょうか)でなければならないと言われているようにも思われます。その実、向かっているのはグローバルスタンダードであり、巨大資本への集約であり、類似業態への画一化であるようで、なんとなくチグハグで忙しなく、心地の悪ささえ覚えます。もし自分が事業をもって世に何らかの価値を提供するのなら、利便性や競争優位性だけでなく心地良さという視点も入れたいと思います。つい足を向けてしまうカフェゴトーのように。」

     「心地良さ」という視点でいえば、ゼミで次に読むテキストは、昨年翻訳が出たレイ・オルデンバーグ『サードプレイス― コミュニティの核となる「とびきり居心地のよい場所」―』(みすず書房)に決まった。

     深夜、『続・最後から二番目の恋』(第10話)を録画で観る。来週はいよいよ最終回。あれこれのことが収束へ向かって進んで行く。千明(小泉今日子)の友人の一人(森口博子)が名古屋に転勤(出向)に決まった。名古屋なんて新幹線で2時間じゃない、近い近い、となぐさめる千明やもう一人の友人に向かって彼女が言った一言が印象的だった。「東京は近いか遠いかじゃないの。東京はいるかいないかなの」。東京の物語はまだまだ色あせていない。

     ちなみに私の息子は名古屋の会社で働いている。