真実一路くんのひとり言

だれがやっても同じやとあきらめず、一歩ずつ
長いものには巻かれず、真実を大切にして。

多喜二「蟹工船」に寄せて

2008-06-22 | ポエム

IMG_8567 










多喜二「蟹工船」に寄せて


雨が降るとうれしい
躰を隠すようにして
傘をさすことができる

恥ずかしいからではない
私の命がかかっているからだ
働くものの糧となり 力となるために

侵略戦争反対
主権在民の旗をかかげ
無権利の働くものの団結を呼びかけることが
たとえ 
国賊と言われようと
残酷極まりない弾圧の嵐がまちうけようと
命をかけねばならなかった仕事

80年前の絶対主義的天皇制が
どれほどのものであったか
逮捕されたその日には虐殺

「みんなのためもう一度立たねか」
頬をすり寄せる母
多喜二 29歳のこと
いま、よみがえる「蟹工船」

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プロレタリア作家・小林多喜二にみるヒューマニティ

2008-06-18 | 読書

 前日に続いて、プロレタリア作家・小林多喜二について
 = 心底からあふれ出るヒューマニティ =

 「多喜二の文学を語る集い」(民主文学08年6月号特集)での、「小林多喜二の文学と私の青春」と題して朴眞秀(韓国・大学教授)、「いま多喜二の文学を読む」と題して祖父江昭二(和光大学名誉教授)の二人の講演を読んで、多喜二の新鮮であふれるヒューマニティを感じずにはおれません。

 祖父江さんは、多喜二の「蟹工船」ではなく、出発点のデビュー作「1928年3月15日」をとりあげ多喜二の文学に接近しています。そして、多喜二が、この作品をめぐって二つの短い文章を書いていることを紹介しています。講演で紹介されたのは、最初に発表された『1928年3月15日』という感想です。

 《「そのころ私は銀行の勤めが終わってから、毎日組合の方へ廻って選挙の仕事の手伝いをやっていた」「私にはそこで運動している色々な『タイプ』の人達ー例えば、角がなくて皆に好きがられている親分肌の委員長の源さん、鉄みたいに冷静な組織部の渡、熱情家で演説のうまい争議部のY、学校出だが、すっかり組合のものになりきっているZ、鳥打帽でやってくる小樽高商の社会科学研究会の連中、しないの若い新聞記者…工場からくるもの、港の積荷人夫に1人々々…それ等がすべてまったく新しい『驚異』をもって迫ってきた。…この作品が発表されたとき、沢山の批評家によって、当時の所謂目的意識的な概念的な傾向に対して『具体的な生きた人間を描いた』最初のプロレタリア的作品であるという風に云われたが、そういう事も必然に以上のようなところから来ているのではないかと思われる」》と。このことを祖父江さんは、「つまり、『3.15』をになった人びとという現実を、『驚異』とみる初々しさ、深さで多喜二は受けとめていました」と自身の感想を述べています。
 
 一人ひとりを包みこむ優しさ、これこそが、多喜二のヒューマニティでありリアリズムでしょう。現代に生きる多喜二文学の真骨頂でもあるでしょう。

 朴さんは、多喜二をこういう風に評しています。
 「つまり多喜二は確かに革命の戦士というか、革命家、革命小説家ではありましたが、そういう側面より、たきじにとって革命は目的ではなくて手段だったかもしれないという考えもできるのではないでしょうか。つまり根本的に、『1928年3月15日』の小説にも出ていますが、自分の目だけでものを見るのではなく、相手の目でものを見て考えること。他の人の目で考えること。弱者の立場から考えるということができる小説家だったのではないかと思います」
 「現代社会はみんながエゴイストになりがちですけれども、そういったところで多喜二は、革命家と名を付けるよりも、反エゴイズム、つまりヒューマニズムの作家だったと私は思います」と述べています。

 命をかけて書かねばならなかった時代の、命をかけて書いた『驚異』は多喜二の心底からあふれ出るヒューマニティだったのでしょう。

 最後に、多喜二が虐殺された時の、志賀直哉の日記を紹介しておきましょう。私もこの講演を読んで初めて知ったのですが、この文章をいちばん最初に紹介したのは講演者の祖父江昭二さんです。
 「小林多喜二2月20日(余の誕生日)に捕らえられて死す、警官に殺されたるらし、実に不愉快、一度きり合わぬが自分は小林より良き印象を受け好きなり、アンタンたる気持ちになる、ふと彼等の意図ものになるべしという気がする」

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多喜二の「蟹工船」が呼びかけるもの

2008-06-15 | 雇用・労働

 多喜二の「蟹工船・党生活者」(新潮文庫)が例年の5倍の売れ行きで、2万7000部を増刷だという。多喜二の陰ながらのファンとしてもうれしい。

 民主文学2008年6月号に、小林多喜二没後75周年「多喜二の文学を語る集い」が特集されています。
 そのなかで、青年トーク・「蟹工船」を語るとして浅尾大輔(作家)さん、山口さなえ(首都圏青年ユニオン)さん、狗又ユミカ(フリーター全般労働組合)さんの3人のトークが紹介されています。山口さん、狗又さんは小説「蟹工船」のエッセーコンテストの入賞者です。

 狗又さんは、昨年まで派遣労働者でした。「雇用期間の満了の為」「業務縮小の為」と不当な解雇の連続、労基署に相談すれば、「不安定な働き方をしているアンタが悪い」とどやされる。病気で働けなくなって生活保護をうけようと思えば水際作戦で追い返される。そんな彼女が「蟹工船」と現代の派遣や業務請負で働く人と状況が似ていると7つの共通点を挙げています。

1、文字通りの命だけでなく、「小刻みに殺されていく」という表現どおり、自己の尊厳をスタボロにされていく点。
2、「鼻紙や糞紙以下」という表現どおり、「モノ」あるいは「モノ以下」の扱い。
3、健康上の責任をもたない、つまり健康診断をいいかげんに行う点。(私は実際、トルエンやエタノールなどを使用する職場で働いていたことがあるんですが、必ず実施しなければならない「有機溶媒検診」を、しないで作業させられました)
4、中間業者がたくさんいて、マージンむしりとっている。つまり搾取しまくってる点。
5、「蟹工船」に出てくる浅川監督のようなボスハラ上司がはびこっている点。
6、有期雇用なので不安定。
7、政府機関が労働者を守らない点。

 彼女は、以上の7点をあげながら一番共感できた点は、7番目に挙げた点を言ってます。彼女は、「蟹工船」の駆逐艦によって、団結した労働者がたちが散らされるくだりを読んで、駆逐艦イコール労基署だ!というんです。病気なって生活保護を受けようと思えば、「…自給800円でもいいから、働いてくださいよ」と追い返される。日本社会の異常さの典型がここに見てとれるのではないでしょうか。

 彼女は、共通点を挙げたらきりがないと言いながら、続けてこう言います。「『蟹工船』の舞台となったカムサッカの海や、空一面の吹雪の方が暖かいです。そんな多喜二さんの言葉を借りてですら、もう表現しきれないほどに、想像以上に、雇用環境はかなりアナーキーになっています」「若い世代が雇用制度に従順でいても、生存が脅かされてきてるんで、きれいごとを言ってられない時代ですよ」と。
 「蟹工船」に共感、希望というより、一言で言えば「呼応」の方と言います。「昔の蟹工船で働く400人の労働者と、現代の蟹工船に乗って働く自分と呼び合っているんだ!」と。

 多喜二さんからこう言われたような気がしますと彼女は立ち上がって、

 現代は問題が多様化し、連帯するのが困難だろうが、泣き寝入りしなければ、恐らく勝つことができるだろう。それだけは、忘れないでください。
決して諦めないでください。
それでも、くじけそうになったら、「蟹工船」を読み返し、ぜひ共感を覚えてほしい。…
そうやって、目の前で苦しむ者を、決して他人事だとは思わないから安心してください。

 多喜二が現代に生きていることの実感をこう述べました。

 今、読まれる理由がひしひしと伝わってきます。多喜二が呼びかけたもの、共有し、「呼応」し、「連帯」すること。

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主権者として声を上げるー韓国100万人大行進

2008-06-13 | 政治

  (写真はCHOSUN Online)

 主権者は国民!

 10日の韓国全土で数十万人が参加した「百万人大行進」。
 最大の要求は米産牛肉輸入の再開阻止だが、参加者の思いは「主権者は私たち」が共通だったようです。
 赤旗記者が大行進に参加した市民に電話で取材しています。

 
出版社に務める李恩周(イ・ウンジュ)さん(33)=女性=は、当日参加するつもりはありませんでした。デモが青瓦台(大統領府)に向かうことを阻止するために警察が大通りに積み上げた輸送用の大型コンテナをテレビで見て、行ってみる気になったといいます。「コンテナを目の前にして感じたことは『この向こうにいる人たちは、自分で国民との間に壁をつくっているな』ということでした。絶望感というか。こんなものを置くから、ますます多くに人が参加したと思います」
 連日のデモの発端となった牛肉問題について、李さんはこう思っています。「李明博大統領は韓国のCED(最高経営責任者)だって自称していますが、国民の健康を考えるより、商売感覚で外交をやっているような気がします。いろんな不信が混ざって、ここまで大問題になったのでしょう」

 中学校教師の徐有尚(ソ・ユサン)さん(45)=男性=は、大学生だった1987年に軍事独裁を倒した「6月民主抗争」に参加しました。その記念日に合わせたデモに感慨もひとしお。「…李政権は企業優先の経済政策、英才教育重視などを相次いで打ち出しましたから、庶民は自分が無視されていると怒りを感じて当然です」と。
 集会で徐さんが驚き、感動したのは女性歌手、楊姫銀(ヤン・ヒウン)さん(55)が予告なしに登場したことです。大歓声の中で歌ったのは代表曲の「朝露」。1971年に大ヒットした曲で民主化運動で主題歌のように歌い継がれました。

 「太陽は墓地の飢えに赤く輝き/真昼の暑さは私への試練なのか/私は行く荒れ果てた荒野へ/悲しみを振り捨て私は行く」
 楊さん自身は民主化運動に参加することもなく、政治的な問題には一貫して沈黙を守ってきました。歌い終えた楊さんは、無言でステージをおりました。徐さんはこう考えます。
 「1987年にたたかいとった憲法第1条は『大韓民国は民主共和国である』。それを証明しているのが、この集会です。若者の保守化とか、政治的無関心とか言いますが、主権者として声を上げる国民に世代の違いはありません」と。 
(しんぶん赤旗08年6月13日より)

 韓国民衆の燃えるようなエネルギーが伝わってくるようです。

 
 【参考】 韓国・各地域のキャンドルデモ
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もうければいいーそれが資本の論理

2008-06-11 | Weblog

 「何でも、もうければいい…」と原油高騰のマネー経済にお怒りの北畑隆生事務次官だが、新自由主義のもと、「金融自由化」の道をすすめてきたのはどなたたちだったのでしょう。
 儲けのためなら、なんでもありが「資本の論理」というものです。収れんするのも資本主義だがそのための「ルール」づくりに、心血と努力を忘れないでと言いたいですね。


原油高に怒りもピーク=米投資家を名指しで非難-経産次官 
6月9日17時1分配信 時事通信

 「怒りに近いものを感じる。何でも、もうければいいというマネー経済、ウォールストリート資本主義の悪い面が出ている」-。経済産業省の北畑隆生事務次官は9日の記者会見で、1バレル=140ドル目前に達して天井知らずの原油高騰に怒りを爆発させた。
 同次官は、米機関投資家のゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーが原油高は今後も続くと予測したリポートを公表後、原油が急騰したと名指しで非難。「片方で投資をしておいて(取引に)有利な情報を流す。(市場の価格が)しかるべき水準に収れんするメカニズムが機能していない」と不満を述べた。
 その上で「どんなことがあってもファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)は60ドルだと言い続ける」と強調した。 

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いまなぜ、自衛隊の「海外派兵恒久法」なのか

2008-06-11 | 政治

 自公のPTは週2回のピッチで派兵恒久法の要綱づくりに議論を進めている。一方でアフガニスタンへの調査団派遣です。
 町村官房長官は調査団派遣の理由について、「アフガニスタンについては国際的な関心も高く、サミットでも話題になることが予想される」と。

 そこには、アメリカの圧力

 イングランド米国防副長官は、今年3月に訪米した自民党の深谷隆司衆院テロ対策特別委員長と会談した際に、「アフガニスタンの状況を鑑みれば、敢えて言えば、朝鮮戦争からベルリンの壁崩壊に至る期間(40年間)と匹敵するほど(テロとのたたかい)は長く続く」「アフガニスタンにおいては現在ヘリコプターが不足しており、道路建設の必要性が増している…日本の協力を期待する」(深谷氏の訪米「報告書」・同氏HPより)
 イングランド副長官は派兵恒久法についても、「何か発生するたびに特措法で対応することは国会で大きな労力を必要とすることを理解しており、恒久法の方向での努力はすばらしい」と。副長官は率直に語っています。

 イラクと並んで泥沼化するアフガンで、国際的にも孤立を深めるアメリカが日本の「支援」へ圧力です。

 ……………………………………………………

海外派兵恒久法 要綱案づくりをやめるべきだ 主張 しんぶん赤旗2008年6月8日

自衛隊をいつでも海外に派兵できる海外派兵恒久法づくりに向けた動きが急ピッチで進んでいます。

 恒久法づくりを進めている自民党と公明党の与党プロジェクトチームは、会期末までに法案の要綱案をまとめる予定です。要綱案ができれば、八月末に召集するといわれる臨時国会に向けて法案化し、政府の手で提出させることを狙っています。自民、公明に民主の国会議員を加えた「新世紀の安全保障体制を確立する若手議員の会」も同時並行で法案づくりを進めています。政府と一体となった恒久法づくりは危険な状況を迎えています。

国際会議での売り込み

 石破茂防衛大臣は先月31日、アジア太平洋地域の防衛大臣らが参加した第7回アジア安全保障サミットで演説し、「われわれは国際平和協力活動のため一般法(恒久法)をつくらなければならない」とのべ、恒久法への執念をみせつけました。与党の動きをバネに、国際社会の支持につなげて制定作業にはずみをつける狙いをこめた重大発言です。

 海外派兵が必要になるたびに特別措置法をつくり、国会承認を受けるのがいまのやり方です。恒久法はこれをやめ、アメリカなどから要求があれば、政府の判断で、自衛隊をいつでもどこにでも期間も限定しない派兵をめざすものです。

 恒久法の制定を急ぐのは、来年1月に期限が切れるインド洋での給油支援活動と来年七月で期限が切れるイラクでの空輸支援活動を、特別措置法の改定によらないで自動継続するのが当面の目標です。テロ特措法延長のさい、参議院で否決されたのに、衆議院で自民、公明の数の力で再議決を強行して国民の怒りを買ったような事態を避けるのも狙いです。インド洋からもイラクからも自衛隊を即時撤退させよという国民の願いをふみにじるようなことを許すわけにはいきません。

 しかも検討されている恒久法の内容がじつに重大です。連日の与党プロジェクトチームの会議では、人道復興支援だけでなく、後方支援や警護、治安の活動、武器使用基準の緩和についても検討しています。イラク派兵差し止め訴訟で確定した名古屋高裁判決は、イラクで米兵や軍事物資を空輸することが米軍の武力行使との一体化にあたり、憲法違反だと断罪しています。後方支援を当たり前とする議論一つとっても恒久法が憲法違反であるのは明白です。

 治安維持や警護活動の容認をめざす議論も見過ごしにできません。名古屋高裁判決はイラク情勢を「国際的な戦闘」と認定しました。治安維持活動といいかえても、イラク派兵が違憲であることにかわりありません。警護も武器使用を伴い、戦闘行動に発展する可能性がつよい活動です。許されるはずはありません。

 与党が検討している恒久法は、海外で日本を自動参戦の道にひきこむ違憲立法です。戦争を放棄した憲法九条に真っ向から違反する亡国の議論はただちにやめるべきです。

対米従属の姿勢をただせ

 海外派兵恒久法は、アメリカの先制攻撃戦略にそって日米安保条約=軍事同盟を世界的規模に拡大するためにアメリカが求めているものです。アメリカの求めに応じて、自衛隊を戦場に送り込み、米軍とともにたたかわせるのが本質です。平和な日本をつくる国民の願いがだいなしにされるのは明白です。

 アメリカいいなりの恒久法ではなく、憲法九条を生かした自主的外交こそ、いま日本がやるべき課題です。

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沖縄県議選 与党過半数割れー高齢者医療に批判票

2008-06-10 | 政治
 沖縄県民 怒りの審判

 沖縄県議選の結果をうけて、福田首相は9日の政府・与党連絡会議で、「残念だ。市町村合併が進んで(議席)を落としたところもあるし、後期高齢者医療制度で高齢者から批判もあったこともある」と敗因を認めました。町村官房長官も記者会見で、「背景として後期高齢者医療制度があったことは否定できない事実だ。政府・与党として、今週中にも見直しの具体案を決めたい」と述べました。与党内では「(制度)の凍結も考える必要がある」(閣僚経験者)との声も出始めているとのこと。

 JNN世論調査(2008年6月7日、8日)では、後期高齢者医療制度を評価できないが76%に(先月より、さらに1ポイントUP)。
 政府・与党がどんなに取り繕うとも、ごまかしようのない反国民的施策に違いない。


与党が過半数割れ=高齢者医療に批判票ー沖縄県議選 時事通信社
任期満了に伴う沖縄県議選(定数48)は8日、投開票された。自民が苦戦し、公明などと合わせた与党は過半数を割った。共産、民主など野党・中立系は議席を伸ばした。後期高齢者医療制度長寿医療制度)の廃止を掲げた野党が、同制度への批判票を取り込んだ。国会提出された同制度廃止法案をめぐる審議で、野党は勢いづくとみられる。また県が政府と協議中の米軍普天間飛行場の県内移設方針にも、影響を与えそうだ。
 獲得議席数は、与党が自民16、公明3、無所属3、野党・中立系が共産5、社民5、沖縄社会大衆2、民主4、そうぞう1、無所属6、諸派3。うち民主は立候補者全員が当選し、改選前の1議席から躍進した。

沖縄県議選 与党過半数割れ 「後期医療」に反発(産経新聞) 06月10日 08:15
 任期満了に伴う沖縄県議選(定数48)は8日投開票され、仲井真弘多知事を支える自民、
公明党など与党系が22議席と過半数割れした。後期高齢者医療制度長寿医療制度)への反発が原因との声が出ており、米軍普天間飛行場移設問題での仲井間知事の指導力が弱まるとの見方もある。
 一方、福田康夫首相は同日の政府・与党連絡会議で「残念だ。市町村合併で落としたところもあるし、長寿医療制度で高齢者から批判があった」と敗因を分析。そのうえで「米軍再編業務に支障を来してはならない」と述べた。
沖縄県議選、自公過半数割れ 高齢者医療への反発響く(朝日新聞) 06月09日 00:34
 沖縄県議選(定数48)が8日投開票され、県政与党の自民、公明は公認、推薦を合わせても過半数に届かなかった。後期高齢者医療制度などをめぐる有権者の反発が激しく、支持を広げられなかった。就任から1年半を迎える仲井真弘多知事は厳しい県政運営を強いられることになり、米軍普天間飛行場の名護市移設など基地問題にも影響が出るのは必至だ。


共産党5議席に躍進 議案提案権得る 自民惨敗 与党過半数割れ 2008年6月10日(火)「しんぶん赤旗」
沖縄県議選(定数48)は8日に投開票され、現有3議席だった日本共産党は5候補が当選して躍進しました。議案提案権を獲得し、代表質問などもできるようになりました。浦添市区では初の党議席を獲得。前回の県議選と比べ、得票増となりました。県議会での議席占有率は6・25%から10・42%になりました。

 那覇市区(定数11)でマエダ政明=現=と、とぐち修=新=両候補が6位、7位、沖縄市区(定数5)でカヨウ宗儀候補=現=が3位、糸満市区(定数2)で玉城ノブコ候補=元=が2位、浦添市区(定数4)のニシメ純恵候補=新=が3位でそれぞれ当選。豊見城市区(定数2)のまえさと保候補=新=は得票数を伸ばしたものの当選には至りませんでした。
 会派別当選者数は共産5、自民16、公明3、民主4、社民5、社会大衆2、そうぞう1、諸派・無所属12。自民党は改選前と比べ4議席減と惨敗し、公明と合わせても県政与党は議席を27から22に減らし、過半数を割り込みました。与党の過半数割れは16年ぶり。
 同選挙では、長寿を尊びお年寄りを大切にする沖縄で、後期高齢者医療制度の是非を最大の争点として行われました。米軍基地への対応や福祉などの仲井真県政への評価も問われました。
 安保廃棄、基地撤去をかかげる日本共産党が躍進したことは、後期高齢者医療制度の廃止とともに、名護市辺野古への米軍新基地建設反対の県民世論を示しました。
 日本共産党の各候補者はまた、高すぎる国民健康保険料・税の引き下げ、中学校卒業までの医療費無料化、県誘致企業での正社員化の拡大などの政策、公約を訴えました。
 当選した5人は一夜明けた9日、那覇市の街頭にそろって立ち、「力を合わせて暮らしを守り、平和を守り基地をなくすために全力で頑張っていきたい」など公約実現を訴えました。後期高齢者医療制度の廃止を求める意見書を県議会に提出する予定です。

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「米は余っていると減産」 それでいいのか?

2008-06-09 | 政治

 今、世界は深刻な食糧不足。一方、日本政府は米の減産を強制。この奇怪な農政の口実は、「米は余っているから」というものです。ほんとうにそれでいいのでしょうか?

 政府は、米の年間需要量を815万トンと見込んでいます。試算によると、08年10月末の在庫はマイナス22万トン。マイナスなのは、10月末以前に収穫され、次の米穀年度に消費される計算になっている米を“前借り”して消費しているからです。
 例えばそこへ、1993年度並の不作がくると、現在の作付け面積からいって収穫は603万トンです。需要量と収穫量の差に“前借り”分を加えて、234万トンの不足になります。加工用の輸入在庫米152万トンが食用に転用されかねません。しかし、それでも足りません。
 93年の米不足では255万トンを緊急輸入しましたが、うち100万とは使われず捨てられました。それは本来、輸出国で主食になったはずの米です。

 日本の食糧自給率は39%に低下、穀物自給率は27%です。日本や今や、世界最大の農産物純輸入国です。世界人口の2%の日本が世界の市場に出回る食糧の10%を買い占めていることになります。

 「余っている」という米も、実は“前借り”を繰り返す“自転車操業”状態です。今の食糧不足の中では、不作でも、緊急輸入は容易ではありません。輸入できても、輸出国の人々から食糧を奪うことになります。

 不測の事態でも、国民の食料を確保できる備えを怠らないのが政府の役割のはずです。
 東京大学大学院教授(農学博士)の鈴木宣弘さんは言います。
 「日本の米の潜在的生産能力は、国際的にも高いのです。ところが、水田の4割も減反しそのために多くの予算を投じています。
 これは世界に対する日本の貢献という面から見ても非常にもったいない話です。日本と世界の食糧安全保障を考えたとき、日本はもっと米を増産すべきです。
 米の用途として、えさ米やバイオ燃料米、米粉を拡充し、そして不測の事態に備えることも、国民の不安に応えるということであればコンセンサス(合意)が得られるはずです。備蓄を十分にもっていればアジアで米危機が起こった際にも、日本の米援助によって国際相場を冷やし、貧困層が米を食べられないという事態を避けることに貢献できるはず」と。

 単に農家が困っているからではなくて、食料生産が大事だし、農業・農村が大事だという国民的合意を図っていく必要性を訴えています。そして食糧確保は国家存立の重要な柱の一つで、食料は「戦略物質」であるというのが世界的な常識になっていると言い、「今、食糧危機だから食料を確保するということではなくて、常に国家として意識し、備えておく必要がある」と強調しています。

 産業界や自由貿易を進める人たちは、依然「農業は高い関税で守られて過保護にされてけしからん。自由化して本当に強くなるんだ、強くなったら自給率が上がるんだ」と繰り返しています。が、そもそも日本の平均関税率は12%弱で高いと言うこと自体が間違いです。



参考 しんぶん赤旗(4月28日、5月8日付)
    食料自給率の向上で日本農業の再生を!


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轟組解雇事件ー内部告発者の解雇撤回

2008-06-07 | 雇用・労働
 轟組と内部告発した男性社員の和解は、4月17日のことですが、2月2日に「理不尽許せぬー二つの解雇事件」としてあってはならないこととしてこのブログでとりあげました。
 メディア2社に訴えたが取りあげてもらえず、全日本建設交運一般労組が相談にのってくれ、しんぶん「赤旗」に訴えたとのこと。そういうこともあってかその後もしばらくこのブログへのアクセスが続いていました。ニュース的には遅きではありますが、この事件の解決についてのアップです。

 轟組(本社・高知市)から解雇を撤回する和解案が提示されたのが4月17日で、男性社員Aさん(46歳)も、これを受け入れ合意しました。合意内容は、轟組は懲戒解雇を取り消し原職復帰させる、Aさんは円満退社する、というものです。

 Aさんは「手抜き工事を告発したのは、現場監督としてどうしても見過ごすことができなかったからです。多くの人の支援で、会社側と合意ができてうれしい。今後は工事を完成させるために、できるだけの協力をしていきたい」と話しています。

 「儲け」のためならと「手抜き」や「使い回し」は許されません。真実を語る勇気ある行動が理不尽なことに押しつぶされてはなりません。

■【熊坂トンネル】のYou Tube 【続編トンネル不正偽装工事の内部告発】  

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原油高騰と投機マネーと

2008-06-06 | 政治

 報道(日テレ)によると、先月からヨーロッパ各地では漁師らがEUに対し、漁獲規制の緩和や燃料価格の安定に向けた対策を求めて抗議活動を続けているが、4日、ベルギー・ブリュッセルのEU(=欧州連合)本部前で、漁師ら数百人が、燃料の値上がりに不満を募らせて警官隊と衝突したそうです。暴動が起きても不思議ではないですね。

 “市場にまかせれば、すべてうまくいく”という新自由主義による経済政策の破綻がはっきりとしてきました。

 原油高騰、食糧品高騰の主たる原因に、世界で暴走する投機マネーがあります。その中で際だっているのが世界で投機的な活動を展開しているヘッジファンドです。その数は1万にもなり、その資金量は1.8兆ドル(約197兆円)にのぼるといわれています。ヘッジファンドは、世界の金融機関、大企業、富裕層から資金を預かり、投機的な取り引きをおこなっているのです。

 しかし、こうした投機マネーの背景に、アメリカが経常収支赤字として海外に垂れ流してきた膨大な不換ドル(金と交換されない不換通貨のドル)が累積したきたという実態があります。1982年から1991年度のぞいては毎年の赤字です。赤字の累積額は実に6兆ドル、ヘッジファンドの3倍を超す額です。これは1ドル=100円と換算しても600兆円という規模です。しかも、赤字額は年々増大していて2000年以降の7年間だけでも約4兆ドルです。

 海外に流出した不換ドルの大部分は、米大銀行の預金、米財務省証券、米大企業の株式などのドル資産としてアメリカへ環流し、それをもとにアメリカは海外への投資を拡大するというマネーの循環ができているのです。米経常収支赤字を起因とした不換ドルの循環とともに、国際的投機活動が拡大されていったのです。

 そして、今日の原油高騰やサブプライム問題に端を発した金融危機、すなわち新自由主義による「金融自由化」「金融証券化」路線の破綻は、基軸通貨ドルの米国が震源地である点に最大の特徴があるということです。

 それにしても、製造業などの地道なモノづくりによる価値生産ではなく、投機的、寄生的な「金融的繁栄」を追い求める経済活動の行き詰まりの打開へ、投機的な資本市場の透明化、金融機関への規制強化はどうしても必要です。

※参考 しんぶん赤旗経済時評(08年2月2日、08年4月19日付)

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