冷たい風が全国津々浦々に吹いている。
賃金だけではないGDPも他の先進国は伸びているのに日本だけは横ばいのまんま。一方で大企業の内部留保は増え続け、449兆円。消費税増税もしかりだが、財界・大企業中心の政治の弊害、極まれり。
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<働き方改革の死角>日本、続く賃金低迷 97年比 先進国で唯一減
https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201908/CK2019082902000151.html
時間あたりでみた日本人の賃金が過去二十一年間で8%強減り、先進国中で唯一マイナスとなっていることが経済協力開発機構(OECD)の統計で明らかになった。企業が人件費を抑制しているのが主因だが、「働けど賃金低迷」の状況が消費をさらに冷え込ませる悪循環を招いている。賃金低迷は現役世代の困窮を招くだけでなく、年金の支給額の低下にも直結する。賃金反転に向けた政策を打ち出せるかが、日本経済の大きな課題として浮上している。
OECDは残業代を含めた全労働者の収入に基づき、「一人当たりの賃金」を各国通貨ベースで算出、指数化している。
二〇一八年時点での日本人の一時間あたりの賃金は一九九七年に比べ8・2%減少。これに対し、英国(92%増)、米国(81%増)などは軒並み増加している。物価上昇分を差し引いた実際の購買力である実質賃金でみても日本は10%下がったが、英国(41%増)、米国(25%増)などは上がっている。
経済成長が続けば物価や賃金も連動して上がるのがこれまでの経済の基本。それだけに日本だけが下がる理由について専門家の意見は分かれる。ゴールドマン・サックスの元アナリストで、賃金に詳しいデービッド・アトキンソン氏(現・小西美術工芸社社長)は日本が先進国中、最も急速に少子高齢化が進んでいるのが要因の一つと分析する。
日本の生産年齢人口(十五~六十四歳)は九五年の八千七百万人をピークに二〇一五年には七千七百万人と一千万人も減った。これに伴い、企業の国内売り上げも減少に転じたが、各社は利益を確保しようと、人件費を抑制。「これが消費低迷を招き、企業が人件費をさらに絞る悪循環に陥っている」(同氏)とみる。
政府も労働者派遣法改正などの規制緩和で企業の人件費削減を容易にした。賃金の安い非正規雇用の比率は九七年の23・2%から、二〇一八年の37・8%に上昇した。
賃金低迷は年金支給にも悪影響を与える。会社員が賃金額に比例し保険料を支払う部分も大きいためだ。
政府が二十七日に公表した新たな年金財政の標準的なケースの見通しでは四七年度の年金の給付水準は、現在より二割近く目減りする。厚生労働省は、ここ数年実質賃金上昇率がほぼ横ばいにもかかわらず長期間にわたり毎年1・1%の上昇が続くことを前提に置く。第一生命経済研究所の熊野英生氏は「これまでの賃金低迷状況をみれば、賃金が長期的に上がり続けるとの見通しは非現実的だ」と指摘。支給額のさらなる低下は免れないと予測する。