ワイフが結婚前に買って、今も寝室の一画に置いてある”現代世界美術全集”。その第一回配本がマネで、その表紙絵が”フォリーベルジェールの酒場”だった。バーのバーテンダーがこちらに複雑な表情の顔を向けている絵で、なんとなく気になる女性だった。この女性が、コートールド美術館でも、数ある所蔵名画を差し置いて、看板娘として扱われていることをロンドンに行って知った。ぼくも買った、コートールド美術館名作選の表紙絵に採用されているのだ。
会場でその絵を前にして、この女性の目をみつめたとき、”気になる女性”が”好きな女性”に変わった(爆)。何でこんな表情をするのか、フォリーベルジェールはパリ社交界の上流階級の人々と高級娼婦の集まる有名なバーで、バーテンダーも客をとっていたという。うしろの鏡に男と交渉している姿が描かれている。たぶん、あまり気に入らない客だと感じていたのではないだろうか、だからこんな、複雑な表情をしているのだ。マネの最後の大作で、1882年にパリのサロンで出品された。
こういう中に展示されている。
ひとつおいて、これもマネの名作である”草上の昼食”がみえる。この作品は1863年にサロン”官展”で落選したものの、あとで描いた小型のバージョン。裸の女性と現代風の服装の男性を並べて描いたことが、問題となり、酷評されたとのこと。
さて、この女性も気に入りました。ルノワールの”桟敷席”の女性です。一瞬、上の酒場の女かと思った(汗)。1874年にパリで開催された第1回印象派展に出品されたもの。モデルはモンマルトルの女性であだ名は”ぶす”だったという(爆)。”上流階級の女性”として描いたか、”娼婦”としてか論争があったらしい。ぼくの勘では後者です。
名画続々、コートールド美術館。
ゴッホ 耳を切った自画像
セザンヌ サント・ビクトワールとカード遊びをする人たち
スーラ 化粧する若い女
ゴーギャン ネヴァーモア
モディリアニ 裸婦
マチス
ユトリロ
ピカソのぶた おもしろかった
ゲインズバラ ゲインズバラ夫人マーガレットの肖像そしてルーベンス
ドガ、モネ、ブリュ-ゲル・・・まだまだたくさんありますが、きりがないのでこの辺で。
コートールド美術館は、ロンドン大学の付属。フランス印象派、後期印象派の優品を中心に所蔵。20世紀初頭、レーヨンの生産で財をなした英国の実業家、サミュエル・コートールドのコレクションが中心。
また、この女性で〆ます。日本語版もありました。
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