八幡さまの境内の、鎌倉国宝館で表記の展覧会が開かれている。永い間、大町の辻薬師堂に安置されていた薬師三尊と十二神将が、国宝館所蔵となり、だいぶ痛んでいた仏像さんを14年間かけて修復した記念に、お姿をみさせていただけることになったのだ。
入館して、おどろいたのは、いつもの常設展示のものが、全部除かれ、そこと特別展示室の二部屋すべてに、薬師如来と十二神将が並べられているのだ。辻薬師堂のものだけではなく、鎌倉(覚園寺、円覚寺、海蔵寺、極楽寺、九品寺、寿福寺、八幡宮)藤沢(養命寺)、横浜(東漸寺、東福寺)、伊勢原(宝城坊)、八王子(長楽寺)。それに、ぼくを嬉しがらせてくれたのは、父母が眠る、川崎の影向寺からも十二神将さまがそろっておいでくださったことだ。
まず、主客の辻薬師堂の薬師三尊さまと十二将さまを拝ませてもらった。きれいに修復され、それぞれ、りっぱなお姿だった。美術品としては、県指定文化財というランクにされている。ほかに、木造、銅像の薬師如来坐像が6体(重要文化財が2点)、石造が1体、懸仏もあった。
圧巻は十二神将である。十二神将すべて提供しているお寺が四つ(4x12=48体)、他の四寺から計16体、合計64体がずらりと並んでいるのだから壮観だ。こんなに揃っているのを観たのは初めてだ。十二支の神将が、それぞれの干支のポーズでたっている。ひとつひとつ観るよりも、こうしてマスゲーム(笑)をみるようにして観るのも面白い。覚園寺のは室町時代(応永)作で、惟一、重文である。わが寺のも覚園寺と造りが似ていて、同派の作だろうという解説があった。南北朝時代作だが、重文ではなく、川崎市文化財だった(薬師三尊は重文だが)。
ポーズが面白い。
影向寺の酉神立像と午神立像 (小池汪写真集より)
11月23日まで。散歩がてら、またのぞいてみよう。
国宝館前の紅葉も色づいてきた。
その日の帰り、家の近くの、桜紅葉の川沿いで、きれいな夕焼けをみることができた。
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