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気ままに

大船での気ままな生活日誌

トリック&ユーモア展 横須賀美術館

2011-10-02 09:22:32 | Weblog

ぼくの薦めでワイフは巾着田へ行った。ぼくは、誰の薦めもなく横須賀美術館へ行った(笑)。京浜急行の馬堀海岸に着く頃、彼女からメールが入った。なんでこんなに沢山の彼岸花が自生しているのか、おどろいた、本当にすごい、と感嘆していた。横須賀美術館へは初めて行く。観音崎に在るから、大船からは結構不便なのだ。トリック&ユーモア展を是非観てみたいと思っていた。先日の福田繁男展の影響かもしれない。

”エッシャー、マグリット、国芳から現代まで”のサブテーマが示すように、”だまし絵”の大家が勢揃いという展覧会だ。普通の美術展では、客は、みなまじめな顔で、声もたてないが、ここでは、違う。クスクスと笑い声が聞こえたり、声はたてずとも、みんな笑顔だ。それに、老若男女勢揃いで、非常にバランスがよい。年配のおばさま主流(笑)の多くの展覧会とはだいぶ様相が異なる。

第1章では”トリックがみちびく迷路”で、エッシャーの作品が並ぶ。”昼と夜”、”昇って降りて”、”秩序と混沌”、と作品名が示すように、たとえば、目で階段を昇っていると知らぬまに降りていたりと、とにかく不思議な空間におどろき、だまされた自分を笑ってしまう。エッシャーはオランダ生まれで、地質学者、結晶学者や数学者と交流があり、その影響は作品に現れている。自分は画家というより数学者の気分だ、と述べているそうだ。なるほど。

第2章では”日本画の中のあそび”。はじめに広重が出てくる。”即興かげぼうしずくし”が6枚。ぼくらが子供の頃やった影絵だ。ここでは両手ではなく、身体全体をつかい、妙な形をして(これが面白い)、その影が、鉢植えの福寿草になったり、”鷹に止まり木”になったりする。広重だから、よけいおかしかった。掛け軸から飛び出しているような幽霊(清水節堂)も印象に残ったし、国芳の、一人の顔が(よくみると)たくさんの人間で構成され、”人をばかにした人だ”、”としよりのよふな若い人だ”と人をばかにしたような画題をつけている絵にも笑ってしまった。国芳ならやっても不思議はない。

3章は。まどわしの世界/シュルレアリストの方法。マグリットの”公園”、ダリの”女の胸像”、エルンストの”子供、馬、そして蛇”など不可思議な世界。

そして、4章。ここが一番人気だろうか。”さまよう視線/知覚と美術と、ユーモア”。福田繁男がここに現れる。川崎でみた作品もある。モナリザの似顔絵は、ここでは切手のような小さな花札でつくられる。そして、くずれたピアノらしき塊が鏡で写すとちゃんとしたグランドピアノに。U.G.サトーは”見え隠れのスクリーン”では縞馬と豹が隠れていた。福田繁男の娘、美蘭は”開ける絵”でみなを驚かす。

5章は”絵、それとも写真?”生卵が落ちる様を描く上田薫、青磁の貫入まで克明に描く伊庭靖子、ほんとに葉書を入れたくなってしまう”郵便ポスト”の吉仲太造。小瀬村真美の”四季草花図”にもおどろいた。芒や草花が成長してくるんだもの。動くだまし絵といったところか(笑)。

大人がみても子供がみても、文句なく面白い展覧会だった。子供を美術好きにさせたいお母さん、連れていってあげてくださいね。

常設展そして谷内六郎館で、”週刊新潮表紙絵展”もみて帰った。夕方、家に帰ると、曼珠沙華に大満足したワイフのだまし絵みたいな顔が待っていた(爆)。

 

美術館の前は海。蜃気楼のように対岸のビルがみえる。
 

 

 

 

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