おはようございます、パート2(笑)。
この九月から、八幡さまの境内にある鎌倉国宝館で”国宝/鶴岡八幡宮古神宝展”が始まった。国宝が7点、重文も7点と豪華な展覧会である。
会場に入って、まず迎えてくれるのが源氏五代の祖であり、八幡さまの生みの親ともいうべき源頼義坐像。そして僧形八幡神像、伝源頼朝像(複製)。先だって、芸大美術館でみた山口晃自画像にそっくり、あたりまえだけどね、これを真似て描いたんだから。そして、頼朝一代記絵巻(江戸時代)とつづく。
源頼義坐像
僧形八幡神像(室町時代)
さて、ここからずらりと国宝が並ぶ。朱漆弓、黒漆矢、沃懸地杏葉文螺鈿平胡簶(ひらやなぐい)の弓、矢とその携行具の三点セット。加えて、沃懸地杏葉螺鈿太刀(衛府の太刀として知られている)。
沃懸地杏葉螺鈿太刀と黒漆矢
沃懸地杏葉文螺鈿平胡簶
さらに、豪華な展示品。今回の目玉、国宝の籬菊螺鈿蒔絵硯箱。頼朝が後白河法皇より下賜されたものを、鶴岡八幡宮に奉納した。沃懸地(いかけじ)に螺鈿で籬に菊、そして小鳥という意匠の蓋表。すばらしい工芸品。
籬と菊の意匠
その隣りに、これと対となっていた、北条政子の手箱の図がある。
柴田是真が嘉永年間にこの手箱を修理した際に絵図として描いたもの。正式名は”沃懸地籬菊螺鈿蒔絵手箱(いかけじ、まがききくらでん)”。全体を金粉を蒔いた下地に螺鈿で籬と菊の文様を刻んでいる。この現物は、後白河法皇から政子に下賜されたもので、明治のはじめまで存在していたそうだ。それが、明治6年のウイーン万博に出展したあと、帰りの運搬船が座礁し、現在も、政子の生まれ育った伊豆の、海の底に眠っている。
この絵図を元に、平成11年に、螺鈿の技では右に出るものがいない、人間国宝の北村昭斉によって復元された。復元品は今回は展示されていないが、同年、ここ国宝館で公開された。素晴らしい政子の手箱でしたよ。↓
そのほか重要文化財がずらり。
重文・舞楽面、菩薩面
十一面観音菩薩像(寿福寺)と銅造薬師如来座像(寿福寺)
五大明王図
弁財天坐像
錦絵が二つ。国芳(頼朝放生会隣席図)と芳年(美談武者八景/鶴岡暮雪:公暁が実朝を襲う場面)もまた、よかった。
見所いっぱいの鎌倉国宝館の展覧会でした。