京男雑記帳

洛中で生まれ育った京男が地元視点で見た日常風景や話を雑記的に掲載

黄白

2016年05月11日 05時00分15秒 | 和菓子
先日、親戚の法事に参加させてもらいました。
親族と親戚の違いをご存知?
若い世代になればなるほど、わからなくなっているのですよ。

◆親族とは、京男の父親、父方のおじいさん、曾おじいさん・・・を中心とした人間関係。
◆親戚とは、京女の母親、祖母、曾おばあさん・・・を中心とした人間関係。

若い時って、こんなこと考えなかった。
「いまの自分は、どこから来たのか?」なんて小学校で考えないですからね。
冠婚葬祭を数多く経験するとだんだん意識するようになる。
そのために冠婚葬祭ってあるのかも。
特に不祝儀の行事は、しっかりやりますよね。
私もやがて当主となる。それらを仕切らないといけなくなる。
だから、いろいろ調べているのです。


↑大阪四天王寺「河藤」黄白上用

大部分の家では、仏式で行う。
檀家制度というのもある。
日本の仏教は、中国や韓国経由で日本に輸入されたものです。
お釈迦さんが提唱した考え方が日本に伝わった。
伝わる過程で、バラモン教、ヒンドゥー教、道教、儒教という考えも同化して来た。お経なんかもパーリ語を中国で翻訳したものです。
だから、日本でお経を唱えてもらってもなんのことか、さっぱりわからない。
でも、わからないから有り難いのかもしれませんね。般若心経を唱える人は多いけど、意味を知らない人がほとんど。(この間、父親に意味を解説していたのでわかっていないのがわかりました)
行事に関しても本来の仏教の考え方でないものがかなり入っています。
日本の仏教は、すべてを包み込んで丁寧に行事を実行していますね。
次世代に向けて簡素化しないといけないのかも。
位牌ってご存知ですよね。あれは、儒教的な考え方で作られたものなんですよ。戒名だってかなり怪しい。それにお布施が絡んでくるから困ったことになります。


↑黄白上用、粒あん

親族・親戚の話にもどします。
違う定義からすると親族は、染色体DNA系ということになります。
親戚は、ミトコンドリアDNA系となる。
このミトコンドリアは、我々の細胞内でエネルギーを作り出してくれている大切なものですが、実は寄生というか共生的な存在なんです。だからミトコンドリアにもDNAが存在する。そのDNAは母系に伝わっていく。それを辿ると人類の偉大な母親(グレートマザー)に辿りつくのだそうです。
でも、それだけで先祖のすべてなのかどうも納得できない。
霊というか魂の問題とどう関連してくるのか。いまいちわからない。
一人っ子で結婚しなかったら、それでその家系はお終いなのか?
DNA的にはどうなんだけど、どうもそれだけでないように感じる。
なんかわかりそうでわからない隔靴掻痒感がいっぱいです。


↑黄白上用、漉し餡

まあ、「知らぬか仏」なのかもしれない。
死んだらわかりますからね。
それなら近々わかる。
わかっても回りに知らすことができないけど。

※黄白上用について書いてない!
ちょっと以前まで、祝儀・不祝儀に上用饅頭は付きものでした。公立の幼稚園や小学校、中学校には紅白上用は付きもので、校区にあるおまん屋さんで誂えました。婚礼の時も紅白上用、お嫁さんの挨拶回りの時も紅白上用(この場合は、大きな紅白饅頭で、中に小さな紅白上用が餡の中にはいっていた。もちろん不祝儀の時は写真のような黄白上用を用意しました。行事には、お餅やおまん、赤飯、鯖寿司が付きものでした。自分のところでつくれない場合は、お赤飯はお餅屋さんで作ってもらいました。上用はおまん屋さんでつくりました。おまん屋さんとお餅屋さんを兼ねているお店もありました。
私は小さい時、あまり上用饅頭は好きでなかった。大きな紅白饅頭や巨大なおはぎは恐怖の食べ物でしたね。お菓子がなかった時代だからそんなのを食べさされた。もちろん食べなかった。食べるとしても漉し餡の饅頭を食べていた。なぜか粒餡が苦手でした。
いまは、五月で産土さんのお祭シーズン。五月のお祭の時、各家庭はお赤飯を炊き、鯖寿司を作り、親戚に配ったものです。子供は、配達するのです。配達するとお小遣いをもらえた。それが楽しみでしたね。

和菓子
中村 肇
河出書房新社

↑これから暫くの間、京男の和菓子本のお知らせをさせてもらいます。説明は1月27日の記事をご覧ください。(色のかわっている部分をクリックすると表示されます)

Twitter→@kyo_otoko
コメント (6)
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