◇ 文部科学省 放射線モニタリング情報トップページで、山梨県内航空機モニタリングの実施結果が2011年11月11日午前中に、他県分と同時に同じファイルで発表されました。
「文部科学省による、岩手県、静岡県、長野県、山梨県、岐阜県、及び富山県の航空機モニタリングの測定結果、並びに天然核種の影響をより考慮した、これまでの航空機モニタリング結果の改訂について(平成23年11月11日)(PDF:4037KB)」
文部科学省トップ > 文部科学省(米国エネルギー省との共同を含む)による航空機モニタリング結果 にもリンクされています。
私がダウンロードしたPDFファイルは、2011年11月11日10時半頃に作成されたものでした。「・・・並びに天然核種の影響をより考慮した、これまでの航空機モニタリング結果の改訂について」 が伴っている点に注目します。
私はこれまでの関連記事では、他都県の経過から見て測定終了後2~3週間以内に発表だから山梨県分は10月28日を想定している事を書きました。最終的に長野県知事の記者会見を読んで11月11日までに発表と考えましたが、その通りでした。
私としては発表結果についても、測定データの扱われ方についても想定内です。
以下、抜粋です・・・・(この問題にご関心ある方は、私が意図的に抜粋している可能性を想定して必ずソースをご確認ください)
2.当該モニタリングの詳細
○測定実施日 山梨県:9月30日~10月4日(のべ15 回飛行)
○航空機 山梨県:民間ヘリコプター(BELL412SP)
○対象項目 県内の地表面から1m高さの空間線量率、地表面への放射性セシウムの沈着量
3.当該モニタリングの結果及びこれまでのモニタリング結果の改訂
○参考1~4 のマップは、以下の結果を総合的に使用している。なお、マップの作成にあたっては、これらのモニタリング結果を岩手県の航空機モニタリングの最終測定日である10月13日現在の値に減衰補正している。(この方法はこれまでと同様です。)
・岩手県、静岡県、長野県、山梨県、岐阜県及び富山県:今回のモニタリングの結果
山梨県の結果はPDFファイル 16/37 ページ以降、
別紙13 山梨県内の地表面から1m高さの空間線量率
別紙14 山梨県内の地表面へのセシウム134、137の沈着量の合計
別紙15 山梨県内の地表面へのセシウム134の沈着量
別紙16 山梨県内の地表面へのセシウム137の沈着量
改訂された統合マップ、参考1~4は、28/37 ページ以降です。
参考1 が 「文部科学省がこれまでに測定してきた範囲及び岩手県、静岡県、長野県、山梨県、岐阜県、及び富山県内における地表面から1m高さの空間線量率」 で、2、3、4は別紙14、15、16 に相当する統合マップです。
全ての地図が 「10月13日現在の値に換算」 と明記されています。山梨県内で10月1日に測定された値を半減期などを考慮して13日ならこうなるという減衰補正値で地図にプロットされたと考えればよいでしょう。
埼玉県 2011年9月12日に減衰補正済みのマップ(測定実施日:9月8日~9月12日)
埼玉県 2011年10月13日に減衰補正済みのマップ(山梨県などの発表時に発表 PDF 29/37)
今回の公表資料の中で、別紙25、「有意な放射性セシウムのエネルギースペクトルが検出されていない地域における
放射性セシウムの沈着量の評価方法」(PDFファイル 32/37以降) については私は理解できませんので、専門研究者の方々が何かネット発信なさったら確認しておきたいと思います。
専門研究者の方々はおそらく測定生データを要求されて検証されるかも知れません。
「別紙13 山梨県内の地表面から1m高さの空間線量率」の読み方は、
○減衰補正の手法としては、空間線量率については、測定時の空間線量率の測定値から、東日本全域における、天然核種による空間線量率の平均値を除いた上で、測定時から特定の時点までのセシウム134、セシウム137 の物理的減衰を考慮して、算出している。また、セシウム134、セシウム137 の沈着量については、測定時から特定の時点までのセシウム134、セシウム137 の物理的減衰を考慮して、算出している。
※ 「東日本全域における、天然核種による空間線量率の平均値」 という表現はこれまで気が付きませんでした。どんな値なのかソースが分かれば確認しておきたいと思います。【この件については、東日本全域における空間線量率の平均値とは を書きました。】
「セシウムの沈着量」については、
○本モニタリングにおいては、新たに、測定するヘリコプターや測定器のタイプ毎に、上空で測定しているガンマ線のエネルギースペクトルの特性を評価し、放射性セシウム(セシウム134、137)の有意なエネルギースペクトルが検出されている地域と検出されていない地域を選別した上で、以下のような手法を用いて放射性セシウムの沈着量のマップを作成している。(詳細は別紙25 参照)
①放射性セシウムの有意なエネルギースペクトルが検出されている地域における地表面へのセシウム134、137 の沈着量は、これまでと同様に、航空機モニタリングにより各地点で測定された空間線量率の値から、東日本全域における、天然核種による空間線量率の平均値を除いた上で、平成23 年度科学技術戦略推進費「放射性物質による環境影響への対策基盤の確立」『放射性物質の分布状況等に関する調査研究』において、日本分析センターが実施した、ゲルマニウム半導体検出器を用いたin-situ 測定の結果と空間線量率の相関関係を基に算出している。
②放射性セシウムの有意なエネルギースペクトルが検出されていない地域は、当該地域を便宜上、マップ上の最低のレンジ(≦10kBq/m2)として、マップ上に表記することとしている。
※ おそらくこれに関係するのかと思いますが、放射線量高めの新潟県山間部…地質が影響?・・・ について考察した記事があります。新潟県の地質による影響については10月の発表時に読んでいました。
尚、福島原発から飛散した放射性核種はヨウ素、セシウムだけでは無いことは既に伝えられています。政府による東日本の広域測定が今回(結果待ちは青森、愛知、石川、福井の4県)で終りとは思いたくないのですが、11.11.11、3.11から8か月の本日の発表を山梨県にとっては想定内、オオヤケに安全を言える根拠ということで受けておきたいと思います。これから先は地域行政の問題でしょう。この結果により山梨県子供たちの給食食材にも問題は無いと言い切れるかどうかです。
◇ 長野県-長野県における航空機モニタリングの結果が公表されました。(PDFファイル)
11月11日の15時過ぎに作成されたPDFファイルは長野県のみを抽出し、「2 結果の評価( 信州大学教育学部 村松久和教授 )」も記載され、以下のコメントがありました。
3 本県の対応
○福島第一原子力発電所事故の影響がみられる東部県境地域において以下の対応を行う。
・生活空間を中心に、サーベイメータを用いた詳細な測定を実施し、上空からの測定による精度を確認するとともに状況把握に努める。
・野生きのこの採取について注意喚起の看板設置、野生獣肉(ニホンジカ、イノシシ)の検査、製材工場における樹皮(バーク)の検査支援などを実施する。