山梨県立文学館 では「竹中英太郎没後30年 竹中英太郎と竹中労 父子を偲ぶトークのつどい」にタイミングを合わせて、2018年春の常設展として、昭和初期、江戸川乱歩や横溝正史、夢野久作らの探偵小説・怪奇小説の挿絵画家として一世を風靡した竹中英太郎と、その息子でルポライターとして多方面に活躍した竹中労、ふたりの作品と仕事を紹介しています。
会 場: 山梨県立文学館 2F 展示室A
会 期: 2018年3月13日(火)~2018年6月3日(日)
開館時間: 9:00~17:00(入室は16:30まで)
休 館 日: 月曜日(4月30日は開館)
主 催: 山梨県立文学館
【観覧料】一般:320円(250円)、大学生:210円(170円)
*( )内は20名以上の団代料金、前売料金、県内宿泊者割引料金
*高校生以下の児童・生徒は無料
*65歳以上の方は無料(健康保険証等持参)
*障害者手帳をご持参の方はご本人と介護の方1名が無料
主な展示資料は以下の通りです。
竹中英太郎 原画(前後期入れ替えがあります)
「悪夢」(江戸川乱歩作、後「芋虫」と改題)挿画(「新青年」1929年1月 掲載)
「芙蓉屋敷の秘密」(横溝正史作)挿画(「新青年」昭和5年6月 掲載)
「ココナットの實」(夢野久作 作)挿画(「新青年」昭和6年4月 掲載)
「盲獣」(江戸川乱歩作)挿画(「朝日」昭和7年1月 掲載)
「沖縄の舞姫」(1970年「日本禁歌集三 海のチンボーラー」 レコードジャケットに使用)
「沖縄の舞姫」(1975年「沖縄―祭り・うた・放浪芸」レコードジャケットに使用)
「無頼と荊冠」(竹中労著 1973年9月 三笠書房 カバーに使用)
(これらの原画は「湯村の杜 竹中英太郎記念館」出品資料)
図書・雑誌
「クラク」第6巻第11号(1927年11月) 大下宇陀児「盲地獄」掲載
「新青年」第9巻第11号(1928年 9月) 江戸川乱歩「陰獣」掲載
『名作挿画全集』第4巻 1935年 平凡社
ほか
竹中労の直筆原稿 「父・竹中英太郎のこと」
・・「彷書月刊 1988年1月号」(1987年12月25日発行)特集「挿絵の世界」掲載の原稿です
竹中労、辻淳、大島渚、加太こうじ 寄せ書きの色紙「夢よ 少年懐古 浅草の灯よ チャンバラ時よ」
その他、竹中労執筆の本が展示されています。
「沖縄の舞姫」 原画は竹中英太郎記念館で展示されている絵画の中でも私が好きな作品の一つです。記念館のホームページ にも掲載されている舞姫さんは文学館にお出かけだったのですね。
竹中英太郎 たけなか えいたろう 1906~1988
福岡県福岡市に生まれる。1歳で父を亡くし、熊本へ移って後、十代の半ば頃から労働運動に参加。18歳で上京後、生活のために雑誌の挿絵を描く。
1927(昭和2)年、大下宇陀児「盲地獄」(雑誌「クラク」)の挿絵を手がけ、翌年、博文館の「新青年」に江戸川乱歩の「陰獣」の挿絵を発表すると、作品の評判と共に一躍注目を浴び、挿絵画家として名声を高める。
1935(昭和10)年、横溝正史の「鬼火」(「新青年」)の挿絵、『名作挿画全集』第4巻(平凡社)に乱歩の「陰獣」「大江春泥作品画譜」を書き下ろしで発表したのを最後に、挿絵画家としての活動を絶つ。
1936年、満洲へ渡り「月刊満洲日本版」刊行に携わるが、翌々年帰国。
1942年、妻の郷里である山梨県甲府市に疎開した。
1944年、山梨日日新聞社に入社するが1949年に退社。前後して労働運動や会社経営、「情報山梨」での評論活動などに携わった。
1967(昭和42)年、長男労の依頼で映画「祇園祭」のイメージカットを執筆。これは未使用となったが、その一部が翌年、「話の特集」で労の「週刊誌の害について」タイトル画として使用され、約30年ぶりに全国誌に作品が登場した。
以後、労の著作の装丁・挿画や、労が制作に関わったレコードのジャケットなどを手がけた。
1988年4月8日、虚血性心不全で死去。
2004(平成16)年、甲府市湯村に「湯村の杜 竹中英太郎記念館」が開館した。
竹中英太郎と労 父子を偲ぶトークのつどい、 このイベントの事前情報は今回で終ります。この山梨県立文学館常設展に出かける時間がとれなかったので広報ページからの引用だけになりました。予約だけは済ませてありますので8日の「トークのつどい」にはなんとかして出かけたいと思っています。
ご盛会をお祈りいたします。
【追記 2018.04.09】
上欄に追記した竹中労さん関連の展示物で、直筆原稿「父・竹中英太郎のこと」については、 1月19日から開催! ~ 「直筆の魅力」@県立文学館 (Jan 18, 2011 記事~やまなしブランド公式ブログ 山梨県知事と職員のブログ~やまなしものがたり )に記載されています。山梨県立文学館が平成22_2010年度に収蔵した資料でした。