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九州北部の記録的豪雨 自治会の判断で無事避難できた事例

2017年07月15日 01時17分13秒 | 障害者の自立

九州北部で起きた記録的な豪雨で、大分県日田市の花月川流域にある地元の自治会は、5年前の九州北部豪雨を教訓に、みずから川の状況を把握して避難を呼びかけた結果、自宅に残っていた高齢者などを無事避難させることができました。

5年前の7月、九州各地で死者・行方不明者が33人に上った九州北部豪雨で、日田市にある吹上町自治会では、花月川が氾濫したことから住宅135棟が浸水するなどの被害が発生し、このとき、組織的な避難の呼びかけができなかったことを教訓に、新しい防災マニュアルが作られました。

自治会長の行村孝さんは記録的な大雨が降った今月5日、マニュアルに基づいて、川の状況を把握しようと自治会のメンバーを派遣し、消防団と一緒に行動するなど安全を確保してもらいながら、詳しい報告を受けました。

それによりますと、午後7時半すぎにJR久大線の鉄橋が流されたのに続き、午後9時半ごろには鉄橋から50メートルほど上流にある堤防が幅20メートルにわたって崩れたということです。

行村さんは非常に危険な状態と判断し、「行政だけの情報に頼らず、自分たちが危険度を判断し、住民に避難を指示する」というマニュアルの指針に基づいて、自治会として避難の呼びかけを始めました。

当時、日田市からは避難指示が出されていましたが、自治会は十分に情報が伝わっていないと考え、メンバーが高齢者などの住宅に訪問して避難を促しました。その結果、一部の住宅が床上まで水につかる被害が出たものの、自宅に残っていた高齢者などを無事に避難させることができ、自治会の中でけがをした人はいませんでした。

行村さんは「自治会が独自に避難の呼びかけを始めるのは重い判断で、自分たちの行動が完璧だったとは考えておらず、検証が必要だと思う。よりよい防災態勢とは何かを行政などと連携しながら、これからも模索したい」と話しています。

5年前の豪雨教訓にマニュアル見直し

大分県日田市の吹上町自治会は、5年前の九州北部豪雨が起きる前から防災マニュアルを作成していました。

しかし、避難する具体的な経路や、高齢者や障害者の避難先を決めていなかったため、九州北部豪雨の際に避難に時間がかかったことを教訓に、マニュアルの検証と見直しを進めました。

新しいマニュアルには、行政の情報だけに頼ることなく、自治会が独自に危険を判断することを盛り込んだうえで、緊急時に確実に集まることができる要員を洗い出したほか、支援が必要な住民の避難を誰が担当するのかを明確化しました。また、住民の間でマニュアルへの理解の共有が進むよう、避難訓練を繰り返し実施してきました。

専門家「住民独自の判断は重要」

住民が独自に避難の判断を行うことについて、防災対策に詳しい群馬大学の金井昌信准教授は「地域全体に被害が出ている場合、行政が地区ごとの被災の状況を細かく把握するには限界があり、住民が自分たちの身を守りながら、独自に避難を判断するのは命を守るために非常に重要だ。その際住民どうしが、災害が起きたときにどう行動するかについて、事前に理解を深めておく必要があるほか、避難の呼びかけが仮に空振りになったとしても、住民が緊張感を保てるような工夫が必要だ」と指摘しています。
 
7月14日    NHK

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