ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

車いす使用者駐車場 スペース使わないで 滋賀

2010年11月30日 01時02分03秒 | 障害者の自立
 車いすを使う障害者のための駐車スペースを確保するため、県内各地の大型商業施設で28日、車いすバスケットボールの選手やガールスカウトの子供がチラシなどを配り、買い物客に駐車マナーを呼びかけた。

 県内の福祉団体などでつくる「だれもが住みたくなる福祉滋賀のまちづくり推進会議」と県が主催。この日は草津市と竜王町、高島市、長浜市の計4カ所の商業施設で実施し、延べ約120人が参加した。

 草津市西渋川の「アル・プラザ草津」では、ガールスカウトのメンバーらが、県のキャラクター「キャッフィー」と協力し、車いす使用者駐車場の必要性を訴えるクリアフォルダーやチラシ約700枚を配布した。

 県脊髄(せきずい)損傷者協会の木上秀保副理事長(57)は「車いす使用者は乗り降りに広いスペースが必要。障害者も暮らしやすい環境づくりのため協力してほしい」と話していた。

MSN産経ニュース

ワークショップ:障害者の虐待防げ ロールプレイで実体験--HANDS高知 /高知

2010年11月30日 00時57分28秒 | 障害者の自立

 障害のある人が受ける虐待の実例をロールプレイ(役割演技)で体験し、防止策を考えるワークショップが28日、高知市内で開かれた。県内外の約30人が参加。虐待を受ける役や施設の職員役などを演じ、抱いた感情をそれぞれ述べ合った。

 障害者らの自立支援を手がけるNPO法人「HANDS高知」(土佐市)の主催。ロールプレイは、全国自立生活センター協議会(東京都)がまとめたテキストに沿って行う。県内での実施は初めてという。障害者のほか、福祉や教育関係者らが参加した。

 7~8人の3班に分かれ、実例を体験。施設で入浴介助を受ける女性のケースはある日突然、担当が男性職員になる。女性職員への変更を求めると、施設は「あなたは体が大きいから女の人では抱えられない」「慣れるから大丈夫」と拒む。

 体験後、女性役は「体が大きいとの言葉はつらいし、そう言われたら嫌とは言えない」とポツリ。続いて、他の女性入所者役に相談するステップへ。数人で施設に直談判する。施設側の役を演じた参加者は「複数だと要求が強いことが分かる」と感想を述べる一方、「『あなたは特殊な意見を言っているから黙ってて』という意識が働いた」と話した。

 同協議会人権委員で、障害者の自立支援に取り組む市民団体「土佐の太平洋高気圧」(安芸市)の樋口恵子代表は「虐待を受けるのは自分のせいではないと知ってほしい。仲間がいれば勇気を出して立ち向かっていける。解決の糸口を見つけてもらえたら」と話した。

毎日新聞 2010年11月29日 地方版

伝える難しさ試行錯誤 中学生30人 障害者向け映画字幕

2010年11月30日 00時52分04秒 | 障害者の自立
 12月に全国公開される松竹映画「武士の家計簿」の聴覚障害者向け字幕の一部を、東京都中央区立晴海中学校の2年生約30人が作った。バリアフリー上映は同月から一部劇場で始まる。「伝えることの難しさ」を学んだ生徒たちは、字幕が披露されるのを楽しみにしている。

 映画は、江戸時代に加賀藩で会計係としてそろばんで主君に仕え、家計節約で家を立て直した武士の一家を描いた。出演は堺雅人さん、仲間由紀恵さんら。

 今回の字幕制作は、映画の制作にかかわる住友商事(東京都中央区)が2008年から、近隣の小中学校と協力して行っている地域貢献事業の一環。

 作業には夏休みに取り組んだ。自由参加の28人は最初、「音声だけ」「映像だけ」の場面を1分ずつ体験。さらに通常の状態で1分見て、季節や場所、登場人物の年齢、したこと、特徴などを分析。その後、視覚障害者向け音声ガイドについて学び、続いて聴覚障害者用の字幕作りに取り組んだ。

 その後、視覚障害者向け音声ガイドを題材に勉強。「登場人物が互いに抱く感情」をどこまで盛り込むか議論した。「あまり説明してしまうと、あとの展開がわかってしまってつまらない」「表情が見えないのだからある程度説明した方がいい」と意見が分かれた。助言役の視覚障害者、浅香ちぐささん(43)は「みんな正解。よく考えてくれてうれしい」と評価した。

 聴覚障害者向けの字幕は、パソコンで入力すると同時に字幕が画面に現れるシステムを使った。映画会社から提供された台本を基に打ち込んだ字幕を見た聴覚障害者の堀井良一さん(67)らから「『そろばんの音がパチパチ』はわかりやすい。でも足音を『カラコロ』だけで、げたと書かないとどんな履物かわからない」と助言を受けた。

 参加した後藤みちるさんは「伝わるだろうと思ってもよく伝わらなかったり。難しかった」、伊藤太一君は「障害者の目線を考えることが大事だと知った」と語った。映画のプロデューサー元持昌之さんは「子どもたちは一場面一場面をていねいに見てくれた。こういうガイドが障害のある人に本当に必要だと教えられた」と話している。

朝日新聞

障害者と観客 音楽で一体 

2010年11月30日 00時49分29秒 | 障害者の自立
 横浜市栄区の障害者支援施設「リエゾン笠間」で開かれている音楽教室が来月1日、コンサートを開く。昨年に続いて2回目の開催で、出演者は「日頃の成果を一生懸命発揮したい」と意気込んでいる。

 音楽教室は同施設で生活する息子を持つ、プロ合唱指揮者の福田美知子さん(62)の発案で始まった。月に2、3回の練習がある。昨年初めてコンサートを開き、約100人の観客から拍手を浴びた。出演者たちはコンサート直後から「次はどうしようか」と2回目の開催を願っていた。観客から「感動で涙、涙でした」「優しい気持ちになれました」とのアンケート結果が寄せられ、再度の開催が決まった。


 コンサートの題名は「音楽のおもちゃ箱」。入所者がそれぞれ好きな曲を選ぶため、「何が出るかわからない」という意味が込められている。最年少の板垣昭論さん(29)は「高校三年生」、最年長の木村悦子さん(59)は「きよしのズンドコ節」、学生時代は合唱部だったこともあるという小倉勉さん(47)はミュージカル曲の「ドリーム」。選曲には入所者それぞれの思いが込められている。


 昨年は声を出せる人が中心のメンバーだった。だが今年は「声は出せなくても心の中では歌っているはず」と、一人では歌えない人もステージに立つことになった。


 出演者全員で最後に合唱するのは「手のひらを太陽に」。昨年、この歌を歌う予定だった入所者の男性がコンサート直前に体調を崩し、出演できなくなった。男性は約2週間後に亡くなった。それ以来、音楽教室のテーマ曲になっているという。


 福田さんは「昨年は障害にめげずに頑張っている姿を見せて、お客さんを励ますつもりだったが、逆に声援に励まされた。今年も一体となって楽しみたい」と話していた。


 コンサートは同市栄区桂町の栄公会堂で開かれる。開場時間は午後1時。午後1時半開演。入場は無料。問い合わせは同施設(045・898・3533)へ。

朝日新聞

不況もなんのその、最高益を見込む「障害者雇用の最先進モデル」エフピコ≪前編≫

2010年11月30日 00時40分25秒 | 障害者の自立
 障害のある人たちの働く場をどのようにして広げていくか。障害者雇用は、「ダイバーシティ経営」を推進するうえで最も喫緊の課題の1つである。筆者は今年4~9月の半年間にわたって『障害者が輝く組織が強い』を連載し、主に民間企業における障害者雇用の取り組みを追った。

 連載終了後の10月末、厚生労働省は今年6月1日現在の障害者の法定雇用率を公表した。それによると、障害者雇用促進法が「1.8%以上」と定める民間企業(従業員数56人以上)の法定雇用率は1.68%で、前年比0.05ポイント増となった。ここ数年、着実に改善を見せ、過去最高となったものの、それでもなお対象企業全体の達成率は47.0%に留まっている。

 そこで今一度、雇用拡大に向けた課題を考えるために、多くの関係者が「障害者雇用の最先進モデル」としてその名を挙げる企業を訪ねた。広島県福山市に本社を置く食品トレーの最大手、エフピコである。2009年に厚労省の「障害者雇用優良企業」に認定された同社は9月末現在、事業提携先を含むグループ全体で321人の障害者を雇用しており、その9割以上が重度の知的障害者だという。法定雇用率に換算すると実に20%近い水準となり、他の追随を許さない実績を上げているのだ。

 エフピコの創業者である小松安弘会長兼CEO(最高経営責任者)は「企業は法で定められたことは守らなければならない。だが、それは企業にとって負荷になるものとは限らない。そこからむしろ、新たな成長の種が芽生え、育つからだ」と豪語する。エフピコの取り組みを、福山市の本社と周辺工場を取材した。

 エフピコは食品トレーの最大手で、50%を超える国内シェアを誇る。食品トレーとは、スーパーの店頭などでおなじみの、肉や魚、総菜、寿司や弁当などの販売用に使われる発泡スチロール製の簡易包装容器のこと。

高い商品開発力とコスト競争力、リサイクル事業への積極的な取り組みなどを原動力として、エフピコは1962年の創業以来ほぼ一貫して右肩上がりの成長を続けている。2011年3月期連結決算予想も、売上高1430億円(前期比14.5%増)、経常利益140億円(同14.6%増)と2ケタの増収増益を達成し、過去最高を更新する見通しだ。


リサイクルシステムの確立を先導

 特に環境対策では、早くから先進的な取り組みを続けてきたことで知られる。容器リサイクル法施行のはるか以前の1980年代後半から主力商品である食品トレーの回収・リサイクル事業を開始。全国に独自の回収ネットワークを築き、回収したトレーを再び破砕して原料に加えた「エコトレー」(再生トレー)を商品化、現在の主力商品の1つに育て上げた。多くのスーパーの入り口で見かけるトレーやPET(ポリエチレンテレフタレート)ボトル、牛乳パックなどの容器別の回収ボックスは、エフピコが主導して設置を進めてきたものだ。

 こうして集められた使用済みトレーは、全国数カ所にあるエフピコのリサイクル工場で選別・洗浄・破砕され、再生用原料となる。世界で初めてエフピコが実現した、リサイクルシステム「トレーtoトレー」と呼ばれる独自の再生工程だ。ここで重要な役割を担っているのが、障害のある社員たちである。

 詳しくは後述するが、エフピコの生産システムの最大の特徴を一言で表現するならば、「ハイテクと人手の融合」ということになるだろう。

 ロボットやセンサーなどを駆使した最先端の自動化ラインと障害のある社員の熟練したスキルが役割を分担し、機械ができない高度な仕事を人が行う形で、生産性の高い効率的なラインを作る。そして、ハイテクと人間が相互に補完・シンクロし合いながら、フェイルセーフの安全管理と歩留まり率の向上を実現する。

 そこには、練り上げられた「一人ひとりの障害者の能力を戦力として活用する仕組み」が確かに機能しているように見えた。


障害者を雇用する3つのスキーム

 JR福山駅から車で約15分、福山市曙町にあるエフピコ本社を最初に訪ねた。訪問したのは11月15日。私事だが、この日は筆者が21年前に眼病を発症した“開戦記念日”でもある。

 本社ビルはワンフロアぶち抜き、全面ガラス張り。まるで東京・丸の内か大手町の最新ビルと見まごうばかりの超近代的なオフィスに、まず驚かされる。エフピコグループの障害者雇用の中核企業の1つであるエフピコ愛パック(本社福山市)の藤井良朗社長と、広報担当の土利川泰彦エフピコ取締役秘書室ジェネラルマネージャーが出迎えてくれた。

 障害者雇用の取材の常として、最初に直近の雇用率について質問した。すると、藤井エフピコ愛パック社長は間髪入れずに、「法定雇用率がどうなっているかという話は、当社ではもうあまり意識していないんですよ。偉そうに聞こえたら、ごめんなさい。でも実際のところ、私たちの取り組みはそうした議論を超えた段階に進んでいますから」と穏やかな表情で答えてくれた。それはいったい、どういうことか。

 エフピコグループの障害者雇用は、次の3つの異なる雇用スキームで進められている。すなわち、(1)特例子会社、(2)就労継続支援A型事業所、(3)事業提携――である。

 (1)特例子会社は、障害者雇用促進法が定めた障害者雇用の受け皿会社。障害者への配慮など一定の要件を満せば、その子会社に雇用されている労働者を親会社(またはその企業グループ)に雇用されているものとみなして、実雇用率を算定できる。2010年6月現在、全国で283社が認定されている。

 エフピコグループには、ダックス(千葉県習志野市)、ダックス四国(高知県南国市)、ダックス佐賀(佐賀県吉野ヶ里町)、茨城ピジョンリサイクル(茨城県坂東市、エフピコ下館の100%子会社)の4社があり、2010年9月末現在で重度の知的障害者を中心に89人の障害者を雇用している。複数の特例子会社を持つ企業グループは、まだ数例しかない。

 (2)就労継続支援A型事業所に当たるのが、2007年3月に設立した100%子会社のエフピコ愛パックだ。

 就労継続支援A型事業所とは、障害者自立支援法が定めた就労支援ための事業形態の1つ。障害のある人に就労の機会を提供し、自立に必要な職業スキルを身に着けるための職業訓練を行うとともに、一般企業などへの就労に向けた支援も実施する事業所を指す。障害者のための、いわゆる通所施設である。

 事業所側は勤める障害者と原則として雇用契約を結び、労働基準法の適用も受ける。その一方で、福祉施設としての機能も持っているため、“サービスを利用する障害者”の人数に応じて職業指導や生活支援に当たる「サービス管理責任者」を置くことが義務付けられている。ほとんどの事業所は社会福祉法人が運営しており、純然たる「株式会社」としてはエフピコ愛パックが全国で初めての認定事業所になる。
 エフピコ愛パックは全国に8つのトレー製造工場と、「エフピコハートリサイクル」と名付けた回収容器の選別センター6カ所を運営している。障害者の雇用数は2010年9月末現在で182人だが、10月に本格稼働した山形と北海道の両選別センターでの新規雇用が加わった結果、11月時点では221人、来年3月末には237人にまで増加する見通しだ。

 (3)事業提携を行っているのは、業務委託先となっている金沢容器リサイクル(金沢市)に加えて、養和会F&Y境港(鳥取県境港市)と共生会エコステーション セミーノ(静岡県長泉町)という2つの社会福祉法人。。これらはエフピコの業務委託工場の機能を担い、9月末現在で合わせて29人の障害者が働いている。


法定雇用率に反映されない雇用実績

 これらにエフピコ本社などに勤務する人たちを合計した障害者の実雇用数が、冒頭で示した「321人」という数字である。

 さらに今秋には、山形と北海道の選別センターに加えて、PET容器などを原料にした初の「再生透明容器」の製造ラインとなる中部リサイクル工場(岐阜県)が本格稼働するのに伴い、新規雇用者がプラスされ、2011年3月末には387人に増加することが見込まれている。

 障害者雇用促進法では、重度障害者を常用雇用した場合は、1人を2人とダブルカウントできることになっているため、計算上の雇用数は2010年9月末時点で543人(カウント)、2011年3月末時点では実に656人(カウント)になる。ウェブサイトに掲示しているエフピコグループ全体の従業員数は3019人(2010年3月末現在)なので、事業提携先を含めてざっくりと計算しても、法定雇用率は現時点でも16%前後、来春には20%強に達することになる。

 エフピコが「もはや法定雇用率云々を超えた段階に進んでいる」と言い切る所以である。

 ところが、なんとも不思議なことがある。厚生労働省調査による2010年6月1日現在のエフピコグループの障害者雇用率は8.60%に過ぎないのだ。しかも、その後は7%台に落ち込んでいるのだそうだ。これは「相次ぐラインの新設などでグループ全体の従業員数が拡大しているため、相対的に障害者の割合が低下したことが主な要因」(土利川取締役秘書室ジェネラルマネージャー)だが、それにしても、実態とは大きく乖離しているのはなぜだろうか。

 その理由は、就労継続支援A型事業所であるエフピコ愛パックや外部の事業提携先の雇用者は法定雇用率の「対象外」で、計算には入ってこないからである。要するに、いかにもお役所仕事的な“制度上のカラクリ”ということなのだ。

 ただ、このことは決して笑い話で終わらせてはならない問題であろう。せっかく作った新しい雇用スキームをエフピコ以外の多くの民間企業に広げるためには、新たな枠組みによる雇用実績もきちんとカウントして社会的評価を受けられるようにすることが重要だ。雇用拡大に取り組む企業側にはインセンティブになるし、同時に、企業で働きたいと考えている障害者やその保護者、支援者にとっても貴重な情報となり、将来への夢や希望につながるからだ。

 民間企業の障害者雇用がようやく上昇傾向を見せ始めてきた今、この流れを加速させるためにも、行政側には雇用実績の積算基準・方法をより実態を反映する形に見直すことが求められているのではないか。障害者権利条約の批准という「次のステージ」を見据えた新たな就労支援・雇用促進施策を検討していく過程で、ぜひとも考えてほしいテーマだと思う。


「環境対策」と「障害者雇用」を両立させる

 障害者が働くエフピコの工場・事業所は、北海道から佐賀まで全国各地に点在している(下図)。このことが、エフピコの障害者雇用のもう1つの大きな特徴になっている。

 軽量でその割にかさが張り、しかも単価が安い食品トレーは、特定の工場で集中生産して全国各地に配送するには不向きな商品だ。それでは物流コストが膨れ上がり、トラック運送に伴う二酸化炭素排出量の増加など環境への負荷も大きくなってしまう。使用済みトレーの回収・リサイクル事業もまた同様である。

 消費地により近い場所に工場・リサイクル拠点を分散的に配置し、ジャスト・イン・タイム方式で生産・流通・回収する。エフピコのビジネスモデルは、食品トレーという商品の特性に合わせて必然的に編み出されたものであるに違いない。

 それが結果的に、障害者雇用の促進にも大きく寄与している。障害のある人の中には転勤はもとより、遠距離通勤も困難な人が多い。たとえ働く意欲と能力があっても、家の近くに良い働く場所がなければ、「就職したい」という希望は叶わない。そうした人たちに、エフピコは多くの働く場を提供しているのだ。

 実際のところ、例えばエフピコ愛パックの福山地区にある2つの工場の場合、募集は「自宅通勤できる」ことを条件に地元のハローワークなどを通じて行っており、障害のある社員たちの大半は地元福山市や隣接する広島県尾道市や岡山県笠岡市などに居住しているという。社員たちはそれぞれの自宅からJR福山駅まで通い、そこからは会社が運行する送迎バスで各職場に出勤している。「ほかの地域でも同じやり方を踏襲している」とエフピコは説明している。

 言い換えれば、「地域に根付いた就労の場が絶対的に不足している」という障害者雇用に関する最大の社会的課題に、エフピコは1つの有力な解決策を示している、と見ることもできるだろう。

 本連載でも度重ねて指摘してきたように、「環境対策」と「人権配慮」はCSR(企業の社会的責任)の両輪をなす最重要テーマである。エフピコの取り組みは、その2つの課題への対応を見事に融合した「社会的ソリューション」であり、その点にこそ、雇用実績で表される以上の真の価値があると言っていい。

 それでは、障害のある社員はエフピコで実際にどのような働き方をしているのだろうか。本社の近隣に立地するトレー製造工場とリサイクル事業の選別センターを訪問し、そこで働く人たちの声を聞いた。

 後編では、2つの工場からの現地報告とともに、小松安弘会長兼CEOへのインタビューをお届けする。

(後編は、12月6日[月]に公開する予定です) 日経ビジネス オンライン