ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

<映画『くちづけ』から考える>知的障害者を扱った映画のテーマ性とエンターテインメント性

2014年10月03日 11時50分59秒 | 障害者の自立

遅まきながらDVDで映画『くちづけ』を観た。貫地谷しほり、竹中直人主演、堤幸彦監督という豪華メンバーによる2013年の話題作。知的障害者が生活するグループホーム「ひまわり荘」を舞台に繰り広げられる、笑いも涙もいっぱいの感動の物語。貫地谷しほりは、この作品でブルーリボン賞主演女優賞を受賞した。

いやー、泣けた、泣けた。おそらく身近に障害者がいようがいなかろうが、とにかく感動して泣けると思う。それも、一度ではなく……。

感動の盛り上がりが幾度となく訪れ、ラストはいくぶんほっこりして終わるのだが、観終わって感じたのは「あれ?この映画っていちばん何を訴えたかったんだろう?」という、ちょっとした違和感だった。てっきり“弱者の居場所の必要性”みたいなテーマがもっと浮かび上がってくる映画なのかと思ったのだが、もちろんそこもポイントではあるのだが、なんか違う気がした。

そんな違和感は、『くちづけ』がもともと舞台作品だったことに関係するかもしれない。

原作・脚本は、準主役の“うーやん”役の宅間孝行氏。脚本家、監督、役者をマルチにこなす彼は、舞台でも“うーやん”を演じた。“うーやん”にはモデルとなった実在の障害者がいるそうだけど、話し方や手を出して質問する様子、何より、前髪に息を吹きかける→首を掻きながらかしげる→左上を見るなどして顔をしかめる、でワンセットの常道行動は、実にハマっていた。

彼はとにかく、知的障害者をテーマに芝居を作る上で、丁寧な取材をしたに違いない。

「~~~だと思う人?」「はーい!」のやりとりや、自分の名前に“ちゃん”をつける紹介の仕方や「チテキの人(知的障害者の意)」という言い方はじめ、自閉症および知的障害者である息子を育てている私にとって、たくさんの「あるある!」がてんこもり……てんこもりというより、「あるある!」だけをつなげて作った話に見えた。

ストーリー展開には、健常者と障害者の問題、身内に障害者がいることでの困難、グループホーム経営の問題、親による手当の着服、知的障害者が性犯罪の被害者になったり、浮浪者や犯罪者(冤罪)になってしまう問題、親なき後の生活……、現実の知的障害者をめぐる代表的かつ大きな問題点が、取材などで裏付けられた情報のリアルさとともに矢継ぎ早に、まるでジグソーパズルが1ピースずつはまっていくかのように進んでいく。

演劇的にそれぞれの立場のキャラクターが、各シーンで活き活きと立ちまわる。そして、障害者をもちろん好意的な視点で描きながらも、特定の問題点をクローズアップして、「だからこういう世の中にしようよ!」と強く引っ張ることはしない。

「理解しあえる世の中がいいね」的なセリフも、「支援側からの一意見」程度におさまっている。強いていえば、ガングロ女子高生が、「いったいこの家ではだれがチテキで、だれが普通なの!?」と叫ぶ台詞に、作者の隠れたメッセージを感じた気がしたぐらいだ。

私たちは日頃、「これは問題で、解決すべきだよね!」というような論旨展開に慣れ過ぎているのかもしれない。テレビの特集にしても、世の中への発信というものを意識し、主訴をはっきりさせて創られると思う。

たとえば、『24時間テレビ』は、ものすごく募金が集まるし、大いに社会の力になっているし、現に息子も番組ロゴが入った車で送迎されたりしていて意義は大きいけど、個々の物語りは違っても、「認め合おうよ」「頑張ろうよ」というような結論が、考える間もなく伝わってきてしまう気がする。もちろん、とくに長く続くテレビ番組などは、それが成功の一形態なのだろうけれど。

「よくできた感動的な芝居(映画)だよ。そしてこれを見ると、何も知らない人でも知的障害者の現状が、わかる範囲でわかるよ」。それが『くちづけ』なんだと思う。見て、大いに笑えて、大いに泣けた、そういう心の動きを引き出してくれるものが大事だとも思う。もちろん、この作品で提示されている問題のどこかに強く思うことがあれば、自分なりに突きつめればいい。それは自由だという感じ。

いろいろあるけど、私たちは生きていく。その現実の中で、“うーやん”のピュアさに乗せた、おしつけがましくないエンターテイメントをまずは楽しめばいいのかな、そんな気がした。

2014年10月01日 14:37       BLOGOS


障害者自立へ「剣菱」香る酒ケーキ レシピ提供

2014年10月03日 11時42分49秒 | 障害者の自立

 県内の中小企業でつくる県中小企業団体中央会は、全国有数の酒所「灘五郷」と神戸スイーツのブランド力を生かし、障害者作業所で継続生産が可能な新商品を開発した。灘五郷の蔵元「剣菱酒造」(神戸市東灘区)と洋菓子メーカー「シンケールス」(同)の共同開発による日本酒の風味を生かしたパウンドケーキ。新しい神戸土産として売り出す計画で、11月21、22の両日に神戸市内で開催されるイベント「神戸マラソンEXPO2014」の会場でお披露目される。

 「障害者の作業所でもっと付加価値が高い商品を生産できれば」。そんな障害者支援団体の声を受けて県中小企業団体中央会は、神戸のブランド力を生かした商品開発を会員の剣菱酒造と、シンケールスに依頼。社会貢献のための会員の積立金を開発費に充てた。

 剣菱酒造では、10年ほど熟成させた「灘の生一本」と、洋菓子と相性がいい「瑞穂黒松剣菱」の2種類を提供。シンケールスのパティシエ・畠中雅明さんが2種類の酒の特徴を生かし、障害者の作業所で生産できるレシピを考えた。

 約1か月かけて試行錯誤した末、日本酒の風味を生かしたパウンドケーキの開発に成功。工程や材料をシンプルで作りやすいよう工夫した。日本酒はアルコールを飛ばさず、シロップと合わせ、白あんを生地に練り込んだ。

 9月25日に行われた関係者向けの試食会では、ケシの実と栗の2種類が振る舞われ、「しっとりした食感で上品な味」「ふわっとした酒の香りで、子どもでも食べられる」と好評だった。

 今後は、畠中さんが神戸市須磨区と川西市にある計2か所の作業所で、ケーキ作りに従事する障害者を直接指導。「Japanese SAKE cake」の商品名で11月から本格的に製造を開始する。NPO法人「兵庫セルプセンター」が運営する「神戸ふれあい工房」でも販売予定で将来は、製造する作業所も増やす計画だ。

 開発に携わった県中小企業団体中央会の谷崎友亜さん(29)は「直接金銭を寄付するのではなく、神戸の地場産業の発信力を生かし、土産物の定番として育てることが、結果的には、障害者の収入を安定させ、自立支援につながるはずです」と手応えを感じている。

2014年10月02日    読売新聞

障害者緊急時支援カード 徳島市配布開始

2014年10月03日 11時34分34秒 | 障害者の自立

 徳島市は、障害を抱えた人が外出先などで困った時に周囲への協力を求めやすくしようと、連絡先などを記入できる携帯用の「ヘルプカード」を作製し、1日から配布を始めた。

 カードは二つ折りにすると名刺サイズになり、障害者手帳などに入れて携帯できる。表面に「あなたの支援が必要です ヘルプカード」と印刷され、助けを得たい時に示せば思いが伝わるデザイン。中面には名前や住所に加え、かかりつけ医や服用中の薬、緊急連絡先などを書く欄を設けた。

 市によると、ヘルプカードが普及している東京都の様式にならって作成したといい、県内自治体では初の導入。市障害福祉課は「障害のある人は、自分から困ったことを伝えられないことが多い。役立ててもらうと同時に、カードの存在を市民にも広く知ってもらいたい」としている。同課窓口で配るほか、市ホームページからもダウンロードできる。問い合わせは同課(088・621・5177)。

 
徳島市が作ったヘルプカード
 
2014年10月02日       読売新聞

障害者 絵と向き合う 映像作家吉行さん 10年かけ撮影、上映

2014年10月03日 11時30分27秒 | 障害者の自立

 世田谷区豪徳寺の福祉施設で、障害者らが絵を描き続ける姿を約10年間追った映画「アトリエいろいろ」が同区で上映されている。撮影した同区在住の映像作家吉行良介さん(34)は「回数をかけて通ううちに、徐々に受け入れられ、自然な姿を捉えることができた」と話す。 (石井紀代美)

 舞台は福祉施設「自立の家」。月二回、自立支援の一環で行われている絵画教室「アトリエいろいろ」で、講師役で知人の絵本作家三田圭介さんと一緒に、さまざまな障害がある参加者が創作に打ち込む。

 映画製作は二〇〇四年八月、三田さんから、参加者の作品展で映像を流すために「普段の活動を記録してほしい」と頼まれたのがきっかけ。

 障害者と接する機会がほとんどなかった吉行さんは戸惑ったが、腕が不自由で体全体を動かして筆を走らせたり、絵を描けずに画用紙の前で真剣に悩んだりする姿に心を動かされた。

 障害とは何か、作品を作るとは-。疑問がいくつも湧き上がり、撮り続けているうちに十年がたった。

 絵に向かう表情を映すため、カメラを十数センチまで近づけることもしばしばあった。初めは創作の邪魔になり、参加者が興奮してしまったが、「何回も通ううち存在が認められ、邪魔にならなくなった」。

 三田さんが「写真のように描くんじゃなくて、どうモチーフと向き合ったかが画面に残ったら、デッサン終了です」と語る場面がある。参加者の一人は一年間、同じ対象をデッサンし続ける。

 「余計な説明はしたくない」と、ナレーションやテロップは一切使わなかった。画面に挿入したのは、撮影した日付と参加者の名前だけだ。「多様な見方ができるような映画になっていると思う。見た人それぞれが、自由に受け止めてほしい」と吉行さん。

 上映は三日まで。下北沢駅南口の映画館「トリウッド」で午後一時、同三時四十分の二回上映。一般千三百円。問い合わせは同館=電03(3414)0433=へ。

講師の三田さん(左から2人目)が参加者にデッサンのアドバイスをする映画のワンシーン

2014年10月2日    東京新聞


上り上河内SAでも販売 障害者手作り品 委託拡充

2014年10月03日 11時23分29秒 | 障害者の自立

【宇都宮】市役所1階の障がい者支援施設等製品販売所「わく・わくショップU」の委託販売が1日、東北道上り線上河内サービスエリア(SA)と大谷パーキングエリア(PA)で始まった。

 同SAには「泉が丘ふれあいプラザ」「konomi」「グーフォ・かわち」「ひびき」「とちぎライトセンター」の5事業所が、いちごラスクやとちまるくんクッキー、手作り石けんなど10種類を納品。同PAでは泉が丘がいちごラスク、konomiがとちまるくんクッキーを販売する。

 今回はショップUに登録する全24事業所のうち、販売を希望した事業所。市は障害者の工賃向上を図るため、2009年度から宇都宮アンテナショップ「宮カフェ」やJR宇都宮駅ビル「パセオ」などで委託販売を始めた。東北道では13年5月から下り線上河内SAでラスクやかりんとうなどを委託販売している。

10月2日 朝刊   下野新聞