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あの試合から30年(WBCバンタム級:1994年4月16日)

2024年04月16日 05時53分18秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前となる1994年4月16日、愛知県稲永スポーツセンターで行われた試合結果です。
WBCバンタム級戦:
王者薬師寺 保栄(松田)KO10回2分21秒 挑戦者ホセフィーノ スアレス(メキシコ)

*この試合の前年師走に、辺 丁一(韓国)を僅差の判定で破り世界王座の座を射止めた薬師寺。11ヵ月前に辺が保持していたWBC王座に挑戦し、超大差の判定負け(0対3:104-120、106-120、109-119)を喫しているフアレスを迎え初防衛戦を行いました。

フアレスは18勝(12KO)9敗1引き分けと、世界王座へ挑戦する選手としては黒星の多い選手です。しかしそれまでに対戦してきた選手には、後のWBCスーパーフェザー級王者ガブリエル ルエラス(米)や、3階級制覇を達成した暴れ者ジョニー タピア(米)、そして軽量級から中量級にかけ一時代を築いたマルコ アントニオ バレラ(メキシコ)等が含まれています。敗戦は多いものの、その中から実力を蓄えてきた実戦派と言っていいでしょう。

スピードは無いものの、中々のパンチ力を持つスアレス。技巧派サウスポー(左構え)の辺に対しては、全くと言っていいほど手も足も出ませんでした。しかし相性の良い薬師寺を相手に、時折その強打で王者を追いつめるなどそれなりの善戦を見せました。

薬師寺から見ても、辺と比べるとやり易い相手となったスアレス。時折メキシカンのパンチでピンチにさらされるなど、まだまだ不安定な面も見せました。しかし世界王者になった自信からでしょうか、常に落ち着いたボクシングを展開していきます。

(落ち着いた表情で、初防衛戦に臨む薬師寺)/ Photo: Youtube

中盤以降、一方的な試合展開に持っていった薬師寺。しかし10回、フアレスの右を頭部に貰いピンチに陥ります。しかしその場面でも冷静にクリンチで対処。ダメージからの回復後、今度はお返しの右でメキシカンを極地に追い込みます。最後は左ボディーで止めを刺しゲーム終了。見事なワンパンチで初防衛に成功しました。

当時、日本には勇利 アルバチャコフ(WBCフライ級)、鬼塚 勝也(WBAジュニアバンタム級=現スーパーフライ級)、グッシー ナザロフ(WBAライト級)、そして薬師寺と4名の世界王者が君臨していました。その中で薬師寺は一番評価の低い王者でした。しかし一戦ごとにその戦力を増していった薬師寺。まだまだ安定王者には程遠いものの、一戦ごとに確実に成長していることを誇示しています。


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