DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

クロフォード、圧勝(WBOスーパーライト級)

2016年02月29日 01時40分18秒 | 世界ボクシング
現地時間の半日ほど前(27日・土曜日)、米国・ニューヨーク州で行われた試合結果です。
WBOスーパーライト級戦:
王者テレンス クロフォード TKO5回2分9秒 挑戦者ヘンリー ランディ(共に米)

*右構えの選手同士の対決で始まったこの試合。試合が終わった時はお互いに左構えで戦っていた、ある意味興味深い一戦でした。

スイッチ・ヒッターとして知られるクロフォードですが、随所にその構えを変えるのではなく、一つの構えを選択したらそのスタイルで戦い通す選手です。今回の防衛戦では、初回の半分ほどを右構えで戦い、それ以降はサウスポー・スタイルを貫き通しました。

特に大きなアクションが見られなかったこの試合。両者は常にリング中央でパンチを交換しますが、盛り上がりは少々欠けていました。

安定したスタイルを持つクロフォードは、常に右ジャブを出し続けます。そのパンチで試合のペースとポイントを奪取していくのですが、同時に左パンチの打ち方が悪いという印象を残します。

王者につられてか、ランディも4回途中からサウスポーにスイッチ。しかし試合の流れが変わることはありませんでした。

5回に入り、それまで一定のペースに終始していた試合が突如終わりを告げます。クロフォードがそれまで見栄えが悪かった左でチャンスをつかむと、連打からの左でダウンを奪います。試合再開後、再び連打を浴びせた王者。レフィリーはそこで試合をストップ。内容的にも王者のワンサイド気味だった試合が終わりを告げました。

指名挑戦者を相手に実力差を見せつけて2度目の防衛に成功したクロフォード。今後は他団体王者との統一戦を目指していくのでしょうか?力はあるものの、試合が少々地味なのが気にはなりますが、同級での中心選手になってきました。
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この階級、この選手(グレゴリオ バルガス:フェザー級①)

2016年02月28日 00時27分41秒 | ボクシングネタ、その他雑談
1990年代初頭からの約四半世紀、それぞれの階級で印象に残った選手を挙げていっております。記載上のルールは各選手、登場するのは1階級のみ。また、選んだ選手がその階級実力№1とは限りません。

3回に分けてお届けしたスーパーバンタム級で紹介したのはダニエル サラゴサ(メキシコ)、ウィルフレド バスケス(プエルトリコ)、そしてマルコ アントニオ バレラ(メキシコ)。これらの3選手はそれぞれ2階級、又は3階級制覇を達成していますが、彼らが登場するのはスーパーバンタム級での1回のみになります。

今回から新たな階級フェザー級となります。その第一回目に登場するのはWBCフェザー級王座を獲得したグレゴリオ バルガス(メキシコ)。ニックネームは「ゴーヨ」。一般的にはそれほど知られていないボクサーではないでしょうか。

バルガスは1993年4月、敵地(実際には第3国)アイルランドに渡り当時のWBCフェザー級王者ポール ホドキンソン(英)に挑戦。一進一退の攻防の末、強豪を7回で下し王座奪取に成功。その一戦がWOWOWで放送されたのが同年の7月24日。2日前には大阪で2階級下のWBCバンタム級暫定王座決定戦が行われており、辰吉 丈一郎(大阪帝拳)がビクトル ラバナレス(メキシコ)との大激戦の末判定勝利。10ヶ月前の雪辱を果たすと共に、暫定王座ながらも世界王座に返り咲いていました。その興奮が残った状態で見たWBCフェザー級戦。それでもバルガスの総合力の高いボクシングには驚きました、「辰吉よりわずか2階級上にこれほど凄い選手がいるのか」と。


(対ホドキンソン戦)

バルガスは王座を獲得してから4ヵ月後、無冠戦に出場して無難な勝利を収め、その年の師走にはこれまた実力者であるケビン ケリー(米)の挑戦を受けます。ケリー戦では逆ワン・ツーでダウンを奪いますが、前半戦での失点が響いて判定負け。世界王座の防衛に1度も成功することなく無冠の座に降格してしまいました。そういえば最近のインタビューで、ケリーはもっともパンチのあった対戦相手にバルガスの名前を挙げていました。


(ケリーのスピードに敗れる)

当時のWBAフェザー級王座には朴 永均(韓国)という同王座を8度防衛した好選手が存在していました。しかしケリー戦が放送された時、その試合放送前に浜田 剛史(帝拳)が「同級には朴という選手がいるが、とてもバルガスに対抗できる東洋の選手はいないだろう」と絶賛されていたことを今でも鮮明に覚えています。

王座から転落したとはいえ、敗れた相手が評価が非常に高かった指名挑戦者であり、王座を失った試合も内容は競ったもの。しかもバルガスはダウンを奪っています。無冠になっても評価が落ちないバルガスに、早くも次のチャンスが訪れます。1994年4月、当時のIBFスーパーフェザー級王者ジョン ジョン モリナ(プエルトリコ)に挑戦。バルガスの2階級制覇が期待されていましたが、打ち合い好きのモリナが想定外の勝つボクシングを披露。バルガスからすると、予想外の大差判定負けを喫してしまいました。まあ、この時点でモリナは既に同級の王座を3度獲得しており、しかもバルガス戦が6度目の防衛戦。バルガスにとってスーパーフェザー級は未知の階級だっただけに、致し方ないと言えばそれまででしょう。


(意外に試合巧者だったモリナとの戦い)

その後、後のIBFスーパーフェザー級王者カルロス エルナンデス(米)に僅差の判定負けを喫するバルガスですが、それ以外は順調に白星を伸ばしていきます。その勝ち星の中には、2階級制覇を達成したトレイシー パターソン(米)や、後にコンスタンチン チュー(露)の持つ統一スーパーライト級王座へ挑戦したベン タッキー(ガーナ)等強豪も含まれています。

バルガスの2度目の2階級制覇達成への機会が訪れたのは2000年3月。当時まだ若かったWBCスーパーフェザー級王者フロイド メイウェザー(米)の5度目の防衛戦の相手としてリングに登場します。しかし若い王者とはいえ、相手はあのメイウェザー。ほぼないも出来ずに完封負けを喫してしまいます。しかし大差の判定負けはさて置き、あの試合内容で試合後に自身の陣営に肩車をして貰っていた姿はかなり無様でした。敗者ならサッパリと敗戦を認め、勝者を称えた方がよほど潔かったはずです。あの行動には今でも残念に思います。


(若き日のメイウェザーとの一戦)

攻防兼備なれど打ち合い好きなバルガス。そのコンビネーションには常に左ボディーを交えていました。しかし得意の打撃戦に持っていけなければ空回りに陥る。それがバルガスのボクシング。モリナもメイウェザーもその点を上手く突いたといっていいでしょう。

メイウェザー戦後、2004年11月まで戦い続けたバルガスですが、その間の戦績は5勝(3KO)2敗。IBUなる団体のライト級王座を獲得することに成功していますが、自身の最終戦となった試合では、エリエセール コントレラス(米)という中堅選手に判定負け。北米ライト級王座奪取に失敗すると共に、有終の美を飾ることは出来ませんでした。

バルガスのプロデビューは1988年5月。3年後にメキシコ国内王座を獲得しますが、それまでに3敗を喫しています。しかしメキシコ王座を7度防衛していく過程で、3敗の内の2つの敗北を喫した相手に雪辱を果たしています。メキシコ国内では、国外から見る以上に評価の高かった選手なんでしょうね。

バルガスの獲得した王座(獲得した順):
メキシコ・フェザー級:1991年2月15日獲得(防衛回数7)
WBCフェザー級:1993年4月28日(0)
IBAスーパーフェザー級:1998年7月11日(0)
IBAアメリカス・ライト級:1999年1月16日(0)
WBC中米カリブ・ライト級:1999年7月10日(0)
IBUライト級:2003年10月31日(0)
(*何だこの王座は!?)

通産戦績は45勝(31KO)9敗(1KO負け)1引き分け。KO率は56%で獲得した世界王座は1つのみ。この程度の結果で終わる選手ではなかったと、今でも強く思っています。

バルガスの実弟アダンもプロで活躍した選手です。アダンは世界バンタム級王座に3度挑戦し、いずれも勝利ならず。1度目は2000年3月、敵地タイに乗り込み当時のWBC王者ウィラポンに指名挑戦者として挑戦。大差の判定負けを喫しています。ウィラポンは前年に辰吉を返り討ちしており、バルガス弟戦から3ヵ月後に兵庫県高砂で西岡 利晃(当時はまだJA加古川)の初挑戦を受けています。

アダンの2度目の世界挑戦は翌年10月、当時WBAの暫定王者だったエィディ モヤ(ベネズエラ)に挑戦しますが11回KO負け。10回終了時までの採点は、3人のジャッジとも引き分けとしていました。アダンの最後のチャンスは2002年7月に訪れ、当時絶対的な強さを見せていたIBF王者ティム オースティン(米)に挑戦しますが、王者の牙城を崩すことは出来ずに10回TKO負け。兄グレゴリオ以上に運がなかった選手として終わってしまいました。

IBU(世界ボクシング組合)なる団体について調べてみました。米国・ジョージア州に本拠地を置く団体で、1996年に設置。これまでに全階級を通じ31試合行われています。IBUの世界戦に出場したそれなりに名前のある選手は、ヘビー級のシャノン ブリッグス(米)が2003年に、同じくヘビー級でジェームス トニー(米)が2012年に同王座を獲得しています。昨年2015年にはクルーザー級で1試合行われたようです。第2次世界大戦終了時までに、欧州を中心に活動されていた同一名の団体とはまったくの別組織だそうです。


(デザイン的にIBFに近いものがあるIBUベルト)
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今週末の試合予定

2016年02月27日 00時08分24秒 | 世界ボクシング
2016年2月最終週末の試合予定です。

27日 土曜日
ドイツ
IBOクルーザー級戦:
王者オラ アフォラビ(英)対 挑戦者マルコ フック(独)



英国
2団体統一スーパーバンタム級戦:
WBA王者スコット キッグ 対 IBF王者カール フランプトン(共に英)



米国・ニューヨーク州
WBOスーパーライト級戦:
王者テレンス クロフォード 対 挑戦者ヘンリー ランディ(共に米)

米国・カリフォルニア州
WBAフェザー級戦(スーパー王座):
王者レオ サンタ クルス(メキシコ)対 挑戦者キコ マルティネス(スペイン)

WBCスーパーバンタム級戦:
王者フリオ セハ 対 挑戦者ウーゴ ルイス(共にメキシコ)


3月3日 木曜日
タイ
WBCミニマム級戦:
王者ワンヘン メナヨーシン(タイ)対 挑戦者大平 剛(花形)


3月4日 金曜日
島津アリーナ京都
WBCバンタム級戦:
王者山中 慎介(帝拳)対 挑戦者リボリオ ソリス(ベネズエラ)


WBCライトフライ級戦:
王者木村 悠(帝拳)対 挑戦者ガニガン ロペス(メキシコ)
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高山、まずは暫定王座獲得(OPBFウェルター級:暫定王座)

2016年02月26日 01時57分12秒 | 世界ボクシング
今週23日・火曜日、後楽園ホールで行われた試合結果です。
OPBFウェルター級王座決定戦(暫定王座):
高山 樹延(角海老宝石) KO6回2分53秒 ジョエル デラ クルーズ(比)

*6度防衛してきた日本王座を返上し、暫定ながらも今回の格上王座決定戦に出場した高山。終始試合を優位に進めていた高山は、最後はボディーで比国人をキャンバスに送りそのままKO。OPBF王座を獲得すると共に、2012年11月以来のKO勝利を収める事に成功しています。

高山陣営にとり、まずはおめでたいことでしょう。しかし対戦相手のクルーズの戦績を調べて驚きました。高山との一戦を含めたレコードは19勝(7KO)24敗(10KO負け)3引き分け。昨年は2試合行い2つの白星を収めていますが、それらは6回戦、8回戦での判定勝利。それ以前の勝利は2011年の師走まで遡らなければ発見できません。その間、1つの引き分けを挟んで11もの黒星を重ねています。再確認になりますが、2011年師走から2015年3月まで定期的に試合を行っていましたが、白星はゼロ。

いくらOPBFのランカーだとはいえ、実力的には日本国内ランカー以下でしょう。OPBFもまあ、こんな選手を4位にランクインさせたものです。

高山は試合後、正規王者であるジャック ブルベイカー(豪)との王座統一戦を希望していますが、当然と言えば当然でしょう。そのブルベイカーはまず、来月12日にパディ マーフィー(豪)との初防衛戦を予定しています。
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次々に試合が決定(色々:02‐25‐16)

2016年02月25日 00時14分57秒 | 世界ボクシング
最近(2016年2月25日ごろ)のニュースです。

ここ数週間、特に大きな興行が行われなかった世界ボクシング界。今週末から次々に世界王座が絡んだ試合が行われていきますが、それらに続く興行もどんどん発表されています。

1)昨年8月、初のアメリカのリング登場でそれまでWBOクルーザー級王座を13度守ってきたマルコ フック(独)に引導を渡したクジストフ グロワッキー(ポーランド)。4月16日に米国・ニューヨーク州で初防衛戦を行います。グロワッキーに挑戦するのは、元IBF同級王者で最近はヘビー級を主戦場にしていたスティーブ カニンガム(米)。

2)WBCフライ級王者ローマン ゴンザレス(ニカラグア/帝拳)が4月23日に予定している4度目の防衛戦の相手がようやく決定。無敵ゴンザレスに挑戦するのは、2014年9月にIBF同級王者アムナット ルエンロエン(タイ)に敵地で挑戦し、1対2の判定負けを喫しているマクウィリアムス アローヨ(プエルトリコ)。

3)WBOスーパーフェザー級王者ローマン マルティネス(プエルトリコ)が来月12日、メキシコに渡り指名挑戦者ミゲル ベルチェル(メキシコ)の挑戦を受けます。ベルチェルは28勝(25KO)1敗という危険性の高い戦績の持ち主。面白い試合になりそうです。

4)同日、米国・コネチカット州でWBCフェザー級王者ゲリー ラッセル(米)がパトリック ヘイランド(アイルランド)を相手に初防衛戦を行います。ラッセルにとりこの試合は、昨年3月末ジョニー ゴンザレス(メキシコ)を破り奪取した王座の初防衛戦となります。

5)その試合の1週間前の5日(来週末)、米国の首都ワシントンDCでロビンソン カステジャノス(メキシコ)とオスカル エスカンドン(コロンビア)が空位のWBCフェザー級暫定王座を賭け対戦します。

6)最後は試合結果。先週20日、比国で比国人同士によるOPBF(東洋太平洋)フライ級戦が行われ、王者アルデン ディアレがジョナサン フランシスコ(比)に3対0(116-112、117-112、115-113)の判定勝利。10月に獲得した同王座の初防衛に成功しています。
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シュトルム、雪辱+二階級制覇に成功(WBAスーパーミドル級:スーパー王座)

2016年02月24日 01時20分07秒 | 世界ボクシング
先週末20日・土曜日、ドイツで行われた試合結果です。
WBAスーパーミドル級戦(スーパー王座):
挑戦者フェリックス シュトルム(独)判定2対0(115-113x2、114-114)王者フュードル チュディノフ(露)

*昨年5月以来の両者による再戦。この試合はシュトルムにとり、挑戦試合を挟まずに行われた戦いであり、チュディノフはその間1度の防衛に成功しています。

両者の第一戦は、2対1と判定は分かれましたが内容的にはロシア人の圧勝に終わっています。今回の再戦は数字が示すようにかなり試合内容は競っていたようです。

シュトルムにとり、今回の世界王座は2014年5月にIBFミドル級王座を失って以来のもの。通産で5度目の世界王座を獲得すると共に、ミドル級に続いて念願の2階級制覇達成となりました。チュディノフは4度目の防衛に失敗。

試合後、シュトルムは「このまま現役引退もありえる」というコメントを残しています。また現在、WBAスーパーミドル級にはジョバンニ デ カロリス(伊)というレギュラー王座も君臨中。WBAには早期の「シュトルム対カロリス」戦実施を催促して貰いたいですね。
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アジア圏の地域王座

2016年02月23日 01時07分55秒 | 世界ボクシング
先週18日木曜日、比国で大塚 喬太(きょうた)が空位だったWBCユーラシア・太平洋のスーパーフライ級王座決定戦に出場し、11回TKO負けを喫しています。21歳の大塚はデビュー以来比国を本拠地に戦っている選手で、今回の試合を含め5勝(3KO)1敗(1KO)1引き分けの戦績の持ち主。

4月には、ここ数戦同じく比国を舞台に戦っている闘将 青木 誠(グリーンツダ)が、OPBF(東洋太平洋)ライト級王者中谷 正義(井岡)に挑戦することが決まっています。青木はこれまでに比国の地でABCO、ABCO大陸、IBF環太平洋ライト級王座を獲得してきています。

また日本国内ランキングでは中堅に位置しているコブラ 諏訪(ピューマ渡久地)は昨年、2度タイで試合を行い2連勝。それぞれの試合でABCOシルバー、PABAスーパーウェルター級王座を獲得することに成功。今月5日には元日本、OPBF(東洋太平洋)ライト級王者加藤 善孝(角海老宝石)がインドネシアに乗り込み実力者ダウド ヨルダンの持つWBOアジア・太平洋王座に挑戦し善戦空しく9回負傷判定負けを喫しています。


最近、国外に試合を求める選手が徐々に増えているようです。そこで主要4団体のアジア圏に属する地域王座を可能な限り挙げて見ました。


IBF:
IBF豪州、IBF環太平洋、IBF環太平洋ユース

WBA:
PABA、WBAオセアニア

WBC:
OPBF、ABCO、ABCO大陸、ABCOシルバー、WBCユーラシア・太平洋

WBO:
WBO中国地区、WBOオリエンタル、WBOアジア・太平洋、WBOアジア・太平洋ユース


探せばもっと出てくるでしょうが、どれもこれも信用のない王座ばかりです。これらの地域王座に加え、各団体はそれぞれインターナショナル、インターコンチネンタル、或いは両方の王座を設置しています。WBAの一階級複数王座もそうですが、一つの団体が同じ地域に複数の地区王座を設置するのもいただけませんね。
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この階級、この選手(マルコ アントニオ バレラ:スーパーバンタム級③)

2016年02月22日 00時24分20秒 | ボクシングネタ、その他雑談
1990年代初頭からの約四半世紀、それぞれの階級で印象に残った選手を挙げていっております。記載上のルールは各選手、登場するのは1階級のみ。また、選んだ選手がその階級実力№1とは限りません。

ここまで登場したスーパーバンタム級の選手は、ダニエル サラゴサ(メキシコ)とウィルフレド バスケス(プエルトリコ)。スタイルは違えど両選手とも玄人受けが良い試合巧者のボクサーでした。今回登場するのはマルコ アントニオ バレラ(メキシコ)。前者2人とは対照的に、デビュー当時から頭角をメキメキと現し、そのままの勢いで世界王座を奪取。スター選手の仲間入りを果たします。サラゴサ、バスケス同様に浮き沈みのある場面もありましたが、常に注目を浴び続けそのキャリアを終了。現在もボクシングの番組に定期的に出場するなど、リング内外での成功者、キラキラ星のような選手だったといっていいでしょう。



同級でお届けしたサラゴサやバスケス同様に、日本人の層の厚い階級で活躍したバレラですが、2人の先輩たちとは違い日本人ボクサーと拳を交えることはありませんでした。唯一とでもいうのでしょうか、当時のWBCジュニアバンタム(現スーパーフライ)級王者川島 郭志(ヨネクラ)への挑戦権を賭けてカルロス サラサール(亜)と対戦。1994年4月にサラサールの地元で行われたこの試合に2対0の判定ながらも明白な勝利を収めたバレラ。しかし前日計量に失敗するというミスを犯しています。それがバレラと日本人ボクサーの再接近時だったのではないでしょうか。しかしもしスーパーテクニシャン川島対バレラが行われていたら?想像するだけで鳥肌が立ってきます。

バレラのキャリアは1989年11月から2011年2月と20年以上という非常に長いもの。この選手、面白いことに全盛期が何度かありました。1度目は1995年3月から翌年11月までのWBOスーパーバンタム級の第一次政権時代。この時は相手を打ち潰していく迫力満点のボクシングを展開。2度目は2000年代初頭。ライバルであるエリック モラレス(メキシコ)との第1、第2戦。そしてナジーム ハメド(英)を攻略したキャリア最大の白星が含まれるなど、打ち合い+安定したボクシングを披露しています。最後は2000年代の半ば、スーパーフェザー級で3階級制覇を達成し、駆け引きの上手い老獪な選手として白星を重ねていた時期になるのではないでしょうか。

バレラのプロデビューは1989年の11月末。何とまだ15歳の、日本の中学生の時です。驚くなかれそんな中学生/高校生の年齢の選手が、軽量級王国メキシコで白星を次々に勝ち取っていくのです。順当に勝ち星を伸ばしていくバレラ。メキシコ国内スーパーフライ級王座獲得と防衛、アメリカ・デビュー、NABF王座奪取と当時の世界王者達の脅威としてグングンと成長。しかし前記のサラサール戦を最後に、2階級上のスーパーバンタムに進出していきます。

マネージメントの都合から、当時まだマイナー団体の域を脱していなかったWBO王座を獲得したバレラ。この王座初戴冠劇は1995年の3月に行われますが、その年に何と4度の防衛に成功。まあ、今振り返ってみると2流、3流の対戦相手が目立ちましたが年間世界戦5勝(3KO)はたいしたものです。

勢い任せに突っ走ってきたバレラにも壁にぶち当たる時が来ました。その打ち気に逸るボクシングと、連戦の疲れから元WBAバンタム級王者ジュニア ジョーンズ(米)の長いリーチと強打に2連敗。同時期に同級の同国人ライバル・エリック モラレスが急速に評価を高めていたため、バレラの存在は急速に薄くなってしまいました。



失地回復に手っ取り早い方法は、現行のスター選手を倒すこと。2000年2月にバレラはそれに取り掛かります。ターゲットはライバル・モラレス。その試合で激戦の末敗れるも、面白い事に評価を上げたバレラ。逆に勝者モラレスはスランプに陥っていきます。バレラの評価を決定付けたのは2001年4月。当時ボクシング界を疾風を巻き起こしていた変則中の変則選手ハメドを左ジャブという基本中の基本なパンチで攻略。その勝利で「バレラ」というブランドを絶対のものにしました。

  

その後モラレスとの再戦を制し、雪辱を果たしたバレラ。暴れん坊ジョニー タピア(米)、スピードスター・ケビン ケリー(米)に明白な力量差を見せつけ勝利。その政権に箔を加えていきます。そんな中、現在のボクシングの代名詞となっているマニー パッキャオ(比)にまさかのワンサイドのTKO負け。それは驚きますよ。当時のパッキャオは既に2階級制覇を達成しているとはいえ、世界的にはほとんど無名な選手。その後パッキャオが開拓していった米国でのアジア人ボクシング市場ですが、10年ほど前の米国内でのアジア人ボクサーの評価というのは目も当てられない酷いものでしたから。

  

パッキャオ戦が見事なワンサイド・マッチだったためか、回復も早かったようです(全然説得力がない文ですね)。タフなポーリー アヤラ(米)にそのキャリア唯一のKO(TKO)負けを与え引退に追い込み、宿敵モラレスとの第3戦に勝利。パッキャオ戦から僅か1年で上の階級で世界王座に復帰し、その戦績に花を添えていきます。

その後IBF王座も吸収し統一王者になるも、格下と思われていたロッキー フアレス(米)との苦闘の2連戦。2007年にはファン マヌエル マルケス(メキシコ)に判定で破れ王座から転落し、パッキャオとの再戦でも大差判定負け。その後さらに階級を上げ、アミア カーン(英)とまで対戦しますが、勢い、体格、スピードで大きく劣り敗北。こうして振りかえってみると、フェザー級以降のバレラのキャリアはおまけだったような気がしますね。



その後2011年2月まで戦い続けたバレラ。その長いキャリアの締めくくりに、無冠戦を母国で結構。少々弛んだ腹回りでしたが、格下選手をTKOで下し有終の美を飾っています。

バレラの獲得した王座(獲得した順):
メキシコ・スーパーフライ級:1992年4月1日獲得(防衛回数5)
NABFスーパーフライ級:1993年8月28日(0)
WBA大陸間スーパーバンタム級:1994年10月22日(1)
WBOスーパーバンタム級:1995年3月31日(8)
WB0スーパーバンタム級:1999年10月31日(5)
IBOフェザー級:2001年4月7日(0)
WBCフェザー級:2002年6月22日(0)
WBCスーパーフェザー級:2004年11月27日(4)
IBFスーパーフェザー級:2005年9月17日(0)

通産戦績は67勝(44KO)7敗(1KO負け)。KO率は59%で獲得した世界王座は3階級で5つ。印象的にはもっとベルトを持っていたと思ったのですが、素晴らしい戦績には代わりありません。

現役引退後、体重が増大する例が多く見られるメキシカン・ボクサーですが、バレラは例外のようです。


(つい最近の写真。メキシコの英雄フリオ セサール チャべス、「ロッキー バルボア」ことシルベスター スタローン氏と)

バレラと言えばライバル・モラレスとの3戦。どの試合も僅差の判定結果でしたが、バレラが2勝と勝ち越しています。面白い事に両者の対戦はスーパーバンタム、フェザー、スーパーフェザーとそれぞれ違う階級で行われました。

 

個人的一番のお気に入りの試合は、1996年2月に行われたWBOスーパーバンタム級王者としての5度目の防衛戦。ジャブの名手で元IBF同級王者ケネディー マッキニー(米)との大激闘は、バレラ云々以上に、これまで見てきたボクシング全試合の中でもかなり気に入った試合になります。

  

そういえばバレラが世界王者に成り立ての頃、「将来は弁護士になりたい」と言っていた記憶があるのですが、その件はどうなったのでしょうかね。
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ヘビー級活発化(色々:02‐21‐16)

2016年02月21日 00時23分27秒 | 世界ボクシング
最近(2016年2月21日ごろ)のニュースです。

1)1月に当時空位だったIBFヘビー級王座を獲得しているクリスティー マーティン(米)。4月9日、大英帝国に乗り込みアンソニー ジョシュア(英)の挑戦を受けることが決定しています。現時点でこのカードが世界ヘビー級戦として行われる事には少々疑問符が打たれますが、試合内容自体は大いに期待できるでしょう。

2)WBAの暫定王者ながら中々注目度が高いルイス オルティス(キューバ)。来月5日にトニー トンプソン(米)を迎え2度目の防衛戦を行います。

3)ヘビー級の次期世界王者候補の一人に挙げられているのがニュージーランドのジョセフ パーカー。対戦相手は未定ながらも4月17日に次戦を予定。潜在能力はそれなりにあるとは思いますが、現在のところかなり過大評価されているといって過言ではないでしょうか。

4)WBAの暫定戦が行われる日に、ロシアでは同団体のレギュラー王座戦ルスラン チャガエフ(ウズベキスタン)対 ルーカス ブラウン(豪)が行われます。南太平洋地区のヘビー級としては、実績、実力共にブラウンの方がパーカーの上を行くでしょう。

5)夏までに開催が予定されるタイソン フューリー(英)対 ウラジミール クリチコ(ウクライナ)の再戦。開催地は英国かアラブ首長国連邦になるようです。

6)最後はヘビー級以外のニュース。日本でもお馴染みの元WBOフライ級、スーパーフライ級王者オマール ナルバエス(亜)が現地時間の昨夜(19日)に地元のリングに登場。自身より17歳若いヘスス バルガス(ベネズエラ)にワンサイドの7回終了(8回開始?)TKO勝利を収め、空位だったIBFラテン・バンタム級王座を獲得しています。この試合、ナルバエスは従来のスーパーフライ級とバンタム級のちょうど中間の体重で登場。体調管理は流石のようですね。今後井上 尚弥(大橋)への雪辱を狙うのか、それとも3階級制覇を目指すのか。どちらにしろ現役を続ける限り、頑張って貰いたいものです。
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今週末の試合予定

2016年02月20日 01時23分45秒 | 世界ボクシング
2016年2月第3週末の試合予定です。

20日 土曜日
比国
OPBF(東洋太平洋)フライ級戦:
王者アルデン ディアレ(比)対 ジョナサン フランシスコ(比)

ドイツ
WBAスーパーミドル級戦(スーパー王座):
王者フュードル チュディノフ(露)対 挑戦者フェリックス シュトルム(独)


23日 火曜日
後楽園ホール
OPBFウェルター級王座決定戦(暫定王座):
高山 樹延(角海老宝石) 対 ジョエル デラ クルーズ(比)

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