u t a u k u j i r a
詠う鯨 - Whale that sings -
BMW M1
フロントグリル,リアビューで記したBMW M1だが,知らない人がほとんどだと思われる。
ネーミングだけ聞けば,1シリーズのハイパフォーマンスモデルと考える人がほとんど。
1シリーズはBMWのエントリークラスのハッチバックモデル。MercedesのAシリーズ,AudiのA1シリーズ,LEXUSのCTがライバルだ。
実は1シリーズにもM Sportがラインナップされている。しかし「M1」は名乗っていない。
M1がどんな車かというと,Wikipediaが詳しい。
ザっと紹介するとこんな感じ。
BMWのモータースポーツ部門は,サーキットレースのグループ4,5でオラついていたポルシェがどうにも面白くなくなり,1976年,「ポルシェをー ぶっ潰す!」と,サーキット用のマシン開発を始めた。
デザインは「かっこいい方がイイ!」ということで,定評のあるジウジアーロのイタルデザインに発注したが,そもそもレーシングマシンは作ったことがなかったので,どうしたらいいか分からない。
で,レースはやらないけどミッドシップのバカッぱやいマシンを作っていたランボルギーニに開発,製造を委託した。
シャシはあのダラーラが担当。
開発は順調に進んだのだが,グループ4の規定では,連続する24ヵ月に400台以上生産した車しか,レースのベース車両にできない,が,ランボルギーニは流石イタリアという感じで,1ヵ月に2台作るのが精いっぱい。
BMWは「ふざけるな! ゲルマンの仕事のやり方を教えてやる!」と,ランボを買収しようとしたが,ランボの下請け業者が,「ドイツ人とは仕事したくない!」とゴネたので,買収は失敗。
結局,委託先はバウアになったのだが,パーツのアッセンブル,最終仕上げはBMWでやることになってしまった。
なんやかやでラインオフすることはできたが,当初はワンメイクレースをやるにとどまってしまった。
更に,1981年,なんとか400台以上生産したのだが,グループ4は規定が変わり,グループCに移行することになったので,M1は活躍の場を完全に失ってしまった。
ぶっちゃけ,BMWの黒歴史なのだ,M1は。
私がM1を知ったのは,多分,
石ノ森章太郎(当時は石森章太郎)のおみやさんだ。おみやさんの愛車がM1。
おみやさんは都市部の大地主で大金持ち,ドーラクで刑事をやっている。
連載開始は1981年。奇しくもM1がレースに出た年。価格は調べても分からなかったが,当時で数千万円はしたであろうM1をドーラクで所有していても不思議はない。
確かコミックス全4巻は実家にあったと思う。また読みたくなってきた