マチンガのノート

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「沙羅双樹」 監督:河直美

2013-11-16 01:31:53 | 日記
大阪のフェスティバルゲートにあった映画館で鑑賞。
「名探偵コナン」と交互に上映されていた。
この映画のみの上映では赤字になるからだろう。
奈良の町中で遊んでいた10歳くらいの双子の片方が、急に居なくなる。
それから、もう片方の子供が、高校生になり、
美術部で絵を描いている。
デッサンするのは彼女。
ほほえましい学校生活がある。
奈良の街並みの風景も綺麗に撮られている。
そして警察から、行方不明になった子供が見つかったとの
知らせが入る。
いつも通りに学校に行こうとする子供を生瀬さん演ずる父が
かなり強引に掴んで引き留めて、
「忘れてもいい事と、あかん事があって」
など言う。
このシーンはアドリブで撮ったとの事だが、
とても心に迫るシーンだった。
彼女の母役に、メジャー女優の樋口可南子が出ていたので
意外だった。
その後の、奈良の町中の「何とか祭り」にところは、
そのシーンの意図がよく解らなかった。
河直美の映画は、カンヌで最初に賞を取るまで、
大阪の読売テレビで、深夜に「シネマチューズデイ」で
放送されていた。
その際に見た、「かたつもり」という、養母の宇乃さんを撮ったものが
一番良かった。私的には河映画のベスト。
畑仕事をする宇乃さんや、河監督の子供時代のことを話す宇乃さん、
窓越しに宇乃さんを撮っていて、そのままカメラを持って、
宇乃さんの所に行って、頬を触ったりする処に、宇乃さんに対する
愛情が感じられてよかった。
河直美の映画は、素朴さ、シンプルさ、綺麗な風景があり、
どれもとてもいい。