マチンガのノート

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「甘えたいのに甘えられない: 母子関係のゆくえ、発達障碍のいま」 小林隆児 その5

2016-01-21 00:02:43 | 日記
この著書から見ると、発達障害の子供は、外部からの刺激に対して、
反射的にやけどをするかのように飛び退く、距離を取るという態度が
身についているようである。
定型発達の子供の場合、外部からの刺激に対して、関心を持ち近づく、
関わろうとするというスタンスなのではないのだろうか?
言語以前の根本的なスタンスが違うために、周囲から見て「了解不能」
「先天的な脳の障害」と見えるのではないのだろうか?
ベッテルハイムの言う「煮えたぎる無関心」というのは、そのような
外部からの刺激に対して、反射的に飛び退くが、当然他者について関心を持っている、
関わりたいというところがある、というところを言っているのではないのだろうか?
関わりたいが、反射的に飛び退くという姿勢が身についているために
他者と関われないのではないのだろうか?
ある程度、機能の高い発達障害の人は、反射的に飛び退きたい所があるが、
そうすると奇異に見られ、相手にされなく成る、というのを知っているため、知的に計算して
飛び退きたいという根本的な感覚を感じないようにしているために、周囲の雰囲気や他者の表情を
感じられないのだろう。
そのように考えると、発達障害の治療は、SSTなどの表面的な事を覚えるのではなく、
反射的に飛び退かなかなくても安全である、ということを経験させるというところに
基本を置くべきだろう。