マチンガのノート

読書、映画の感想など  

<責任>の生成ー中動態と当事者研究 國分功一郎 熊谷晋一郎 新曜社 感想

2022-04-30 01:16:17 | 日記

「中動態の世界 意志と責任の考古学」〈医学書院〉などを書いた國分功一郎氏と

当事者研究を実践している熊谷晋一郎氏のトークイベントをまとめたもので、

言語としては能動態と受動態の以前にあった中動態に関する知見と、

当事者研究の知見を元にした両氏の対話をまとめた一冊です。

能動/受動が支配的となった現代社会で、中動態と当事者研究について論じることで、

これまで見えていなかった、意思と責任などに関する様々なことが見えてくる内容となっています。

近代において個人の選択、責任とされてきた事を歴史を遡り掘り下げて行く内容なので、

様々なことが深く論じられています。

何かをしたことを周囲が個人の責任に負わせることを止めることは、

本人が逆に自ら責任を引き受けようとする契機になるという点は、

マイクル・バリントの「治療論から見た退行」(金剛出版)で書かれている、

「新規蒔き直し」に近いものなのではないかと思わせるところでした。

様々な依存症を抱える当事者にもオススメの一冊です。

 

 


ニューヨーク・タイムズの記事 スタバで時給15.5ドル(2015円)だって。

2022-04-28 23:31:08 | 日記

 

The Revolt of the College-Educated Working Class

The Revolt of the College-Educated Working Class

Since the Great Recession, the college-educated have taken more frontline jobs at companies like Starbucks and Amazon. Now they’re helping to unionize them.

 

 

ある人は、中学生の子供たちが暮らすグループホームで青少年カウンセラーとして

時給約14ドル(1820円)[1ドル130円で計算]を稼いでいたのを辞めて、

スターバックスで時給15.5ドル(2015円)で働いているそう。

自分たちの法的な権利を知っている大卒者が現場で働くようになったので、

労働組合組織率が上がって来たとのこと。

アマゾンとかの倉庫とかでも、従業員の学歴が混在してきたことが、

労働組合の組織率の向上につながっているそう。

 


ザ・コントラクター/The Contractor 監督 タリク・サレー 出演 クリス・パイン ベン・フォスター 感想

2022-04-22 22:14:10 | 日記

単純に元特殊部隊員が活躍する映画、ではなかったです。

近年、何かと取り上げられるPMC(民間軍事会社)ですが、

そこで働くことになった元米兵の話です。

[あらすじ]

海兵隊員のジェームズ(クリス・パイン)は、膝の痛み止めを服用していたことなど

諸々の理由により、海兵隊を除隊させられ、年金も健康保険も与えられないのでした。

もともとPMCのことは知っていても、そこで働くことはしたくなかったのですが、

他で稼げる方法も無いため、契約して働くことにします。

そこでドイツに友人とともにチームとして派遣され、テロを企んでいるとされる

アラブ系のウィルス研究者を監視するのでした。

[感想]

ストーリーの最初の方から、トリプル・キャノピーエリック・プリンスなどの

その方面で色々話題になった名前が出てきますので、シンプルなアクションものでは

無さそうなことが伺えます。

テロ対策の実務を公的機関から民間会社が請け負い、現場は民間の会社員が

実行しますので、実行部隊のメンバーは詳しいことは知らされません。

そのあたりの民間委託ならではのことを扱った映画になっていました。

宣伝写真などでは普通に軽いアクション映画のようですが、時代を反映した結構しっかりと

作られた映画でした。