マチンガのノート

読書、映画の感想など  

ロープ 戦場の生命線/ 監督:フェルエディナンド・レオン・デ・アラノア 出演:べネチオ・デル・トロ ティム・ロビンス

2020-04-29 16:36:41 | 日記

ユーゴ紛争直後のある村で、村の井戸に死体が放り込まれて、使えなくなっているのを

国際支援NGOがロープを掛けて取り出そうとしますが、途中で切れたので、

色々とロープを探しに行く話です。

現地人の店ではなぜか売ってくれなかったり、国連軍の基地にはあれこれと揉めた

元彼女が来たりとなかなか事態が進みません。

停戦合意がされていても、地元の兵隊が道を通してくれなかったり、

田舎道には牛の死体が置いてあって、その左右どちらかに地雷が仕掛けて

あるだろうとの事で、通行もなかなか自由にはいきません。

監督はアフリカの少年兵のドキュメンタリなどを撮った社会派の人との事で、

紛争地ではいかに先進国では普通のことが出来ないのかが解り易く

描かれていました。

最後の所で、「Perfect Day」という原題がしっくりきますが、やはり当時、

多くのジャーナリストが現地に行って、様々な報道がなされたことの

影響が大きいのでしょう。

現地に行ったジャーナリストには、かなりの数の死者が出たとの報道が

当時はされていました。

報道の自由の大切さが解る映画でした。


狩りの時間 TIME TO HUNT(2020)/ユン・ソンヒョン監督

2020-04-26 23:18:15 | 日記

近未来の韓国で若者3人が犯罪をして大金を得ますが、一人が刑務所に入っている間に、

そのお金が紙くず同然の価値になったので、もう一度犯罪をして、今度は米ドルを得ようと

カジノを襲撃することを計画します。

監視カメラもあるので、米ドルとともにハードディスクも奪っていく計画を立てて、

銃を購入し、カジノで働く知り合いの手引きで実行して、なんとか大金を得ますが、

当然そこに関わる闇社会の人たちも追跡を始めます。

3人はけっこう早くに追っ手に捕捉されますが、その相手が普通の犯罪者とは違い、

独特の展開になっていきます。

若者3人とプロとの駆け引きになりますが、結構、緊迫感と迫力のある展開になっていきます。

犯罪アクションという面と、触法青年の成長物語の両面があり、見応えのある映画でした。

狩りの時間 | 公式ティーザー予告編 | Netflix

 

 

 

 

 


ジェイコブズ・ラダー(2019)/デビィッド・M・ローゼンタール監督

2020-04-24 21:19:39 | 日記

1990年に作られた物のリメイクとの事ですが、現代の社会や戦争の事を描いています。

戦争に出征したジェイコブ(マイケル・イーリー)ですが、そこで軍医として働いているときに

手術室に運ばれてきた海兵隊員の兄を目の前で亡くします。

帰還して妻と息子と暮らしながら、退役軍人病院で働いていますが、

そこで不可解なことが起き始めるという展開です。

戦争のトラウマや薬物の話だろうと予想して観たので、登場人物の時間や場所が

混線していくところまではある程度想定内でした。

しかし、その後の展開が意外で、映画ならではの表現でした。

アクション映画ではないので、そういうものを期待して見るとハズレでしょう。

それにしても海外版のポスターと日本版のポスターのセンスの違いが、

とても大きく感じました。

JACOB'S LADDER (2019) Official Trailer

 


振動する身体ー私的ブルジョア主体の誕生/フランシス・バーカー その2

2020-04-21 23:02:21 | 日記

訳者あとがきによると本書が’84年に出版された当時から日本語に訳されている頃には

海外では英米の研究者や批評家も扱いかねている「奇書」扱いだったとの事。

何かと「近代的主体」というものが、臨床心理などでもテーマになっている現代なら、

多くの人にとって読み易く解り易い一冊だろう。

日本語版では帯の文言により、余計に中身が何か予想し難くなり、

売れなくなったのではないだろうか。

偶然、天牛書店で購入して読んだ一冊だが、いい本に巡り合えてラッキーだった。