マチンガのノート

読書、映画の感想など  

トラウマの影響に関する興味深い考察 5

2021-10-31 23:11:07 | 日記

シャーンドル・フェレンツィも、「攻撃者との同一化」と言うことを取り上げていますが、

そちらの場合は鏡像段階などをそれなりに経て、ある程度自律性のある人格の基礎の上に、

攻撃者の振る舞いを取り入れているのでしょう。

渡邉琢氏の取り上げた「まっちゃん」やうちの父親などの場合は、そこまで自他が分化しておらず、

自他共に未成立な所に、攻撃的な態度を取られたので、自分の人格とつながらない形で

その攻撃的な態度がずっとあるのでしょう。

臨床日記 シャーンドル・フェレンツィ みすず書房

リンク 心理オフィスK にも解説が載っています。

障害者の傷、介助者の痛み 渡邉琢 青土社

攻撃的、暴力的な言動や態度をとるクライアントに接する際には、その相手が鏡像段階などを経ているか

どうかなどを見極めないと、単なる暴力的な人格なのか、表面的に暴力的な

言動や行動があっても、その基礎に自律的な主体のない発達障害を抱えた

重ね着症候群なのかを、見逃すことがありそうです。

 

 

 

 


スヘルデの戦い 監督 マティス・バン・ヘイニンゲン・Jr. 出演 ヘイス・ブロム、ジェイミー・フラタース、スーザン・ラデル、感想

2021-10-20 23:40:10 | 日記

オランダ、リトアニア、ベルギーの合作映画です。そのためイギリス映画やハリウッド映画などとは

かなり違う映画となっていました。

【あらすじ】

オランダ出身でドイツ軍に志願した兵士や、対独レジスタンスに参加した弟を救おうとする

オランダ女性、グライダーの操縦士としてマーケット・ガーデン作戦に参加したものの、

途中で撃墜されオランダのドイツ占領地に撃墜された英軍パイロットなどを描いた群像劇で、

それぞれ物語が進むに連れ結びついて行く展開の映画です。

当時の戦況としてはベルギーのアントワープで物資の補給を画策する連合軍ですが、

アントワープの北側にドイツ軍がいるため、アントワープの港を使えないため、

状況の打開を計ろうとしています。

【感想】

それぞれ自分が良かれと思ったことをする話ですが、立場によってすることが様々なことに

なっています。

誰かを悪役にせずに物語は進みますが、時代の制約により、それぞれが苦境に陥る展開です。

ドイツに占領されたオランド、ベルギー、リトアニアの制作による映画なので

このような内容になったのでしょう。戦闘シーンは少ない目でしたが、

迫力があり見応えがありました。

当時のドイツ占領地の困難さが解る映画になっています。

JCOM 番組ガイド


THE GUILTY/ギルティ 監督 アントワーン・フークワ 出演 ジェイク・ギレンホール

2021-10-14 21:33:59 | 日記

同名のデンマーク映画のハリウッド・リメイクですが、シンプルな映画ながら、

こちらのほうが色々作り込んでいます。

なんと言ってもジェイク・ギレンホールさんの演技が秀逸です。

【あらすじ】

ロスアンジェルスの緊急通報センターに勤務するジョーはもともと他の部署に居たようですが、

何らかのことでそこに配置されているようです。

そこに女性から通報があり、どうも彼女は誰かにさらわれて車に乗って移動中のようです。

さらに、その相手は武器を持っているようで、彼女は自分の子どもに電話をしている様に装って

ジョーと会話しています。

ジョーは少しずつ話を聞き出しながら、彼女を助けようとします。

【感想】

緊急通報センターの大型モニターで山火事の起きている郊外を映しながら

話が展開してゆきますので、終末世界的な感覚があります。

電話の音声で解ることは少ないですが、交通警察などの様々な部署につないだり、

通話相手のことなどをデータベースから色々と調べられますが、

最初に想像した方向に考えて調べてしまいます。

通話相手の声や仲間の警察官の声は聞こえても、そこに行ったり見たり出来ない

もどかしさが、強調される展開になっています。

暴力や格差などの、現代社会の問題を色々と考えさせる内容でした。

ほぼ全編、ジェイク・ギレンホールさん一人の出演の映画ですが、とても見ごたえのある映画でした。

ジェイク・ギレンホール主演『THE GUILTY/ギルティ』予告編 - Netflix