マチンガのノート

読書、映画の感想など  

話の訊き方からみた軽度発達障害」 畑中千紘 その6

2014-11-26 22:24:02 | 日記
この著書の中で、発達障害のクライエントは換喩で話す、
と触れられているところは、様々な話をして、その内容ではなく、
その話によって引き起こされる情動を通じて、クライエントと情動調律を
しているのだろう。
話している内容に関してではなく、間主観的なところに関わっているのだろう。
自閉症、発達障害は、乳幼児期から「甘えたくても甘えられない」というところで
フラストレーションを感じ、アンビバレントな状態が続いていることから、
話の内容ではなく、その話により引き起こされる情動に関わり、
面接のセッションをつうじて、「赤ちゃんをあやす」ことを
しているのだろう。
クライエントが子供なら、プレイルームの中の物を扱い、
情動調律できるが、大人の発達障害の場合、これまで関わってきた事柄が多いために、
様々な話や描画を通じて情動調律していくことになるのだろう。

京大心理臨床がとりあげる発達障害

2014-11-22 00:17:45 | 日記
京大心理臨床がとりあげる発達障害について書かれたものを
読んでも解らないという人がかなり居る様だが、
その様な方は単なる脳の機能障害、機能不全という
以前の微細脳損傷仮説と同じ様に、疾病としてしか見ず、
個人とは何か、近代とは何かを知る、考える処にいかず、
表面的なところでしか捉えないのだろう。
他の国と比べて日本では発達障害が大きな問題とされているのは、
コンビニ店員でも対応が丁寧、釣り銭を間違えない、
様々な支払いに対応している、など、近代化、効率化を進めすぎて
平均的な人間に求める機能が高くなりすぎているからだろう。
便利で快適を求めるあまり、逆に息苦しい社会になっているのだろう。
旧ソ連に抑留された、ソ連のために労働する義務が無い方々が、強制収容所に入れられて、
生殺与奪の権利を相手に握られた状態で強制労働させられて、
旧ソ連に好い建物を残した事なども良く取り上げられるが、
指示された事を前提を考えずに、ひたすら熱心に実行するというのは
現代のブラック企業と社員の関係と共通するものだろう。