マチンガのノート

読書、映画の感想など  

「自閉症の哲学」相川翼 2

2018-04-25 20:48:29 | 日記
第一章で解説されているように、以前は統合失調症(当時の精神分裂病)の様々な
陽性症状に関して、それは理解不能とされて「狂気」とされていて、
病が進むと荒廃して、最後には無為自閉に至ると考えられていた。
しかしながら、自閉症という最初から自閉していて、
陽性症状も無い子供達がいることが知られるようになった。
それでは自閉や陽性症状をどのように位置づけるか、とのことで
様々な説が考え出された。
本書では取り上げられていないが、山中康裕氏は「自閉」が統合失調症の
中心的な症状で、子供の自閉症は再早発の統合失調症ではないかとの
考えを、「分裂病の精神病理」(東京大学出版会)シリーズなどに発表したが、
当時は統合失調症患者への拒否感が強かったこともあり、
療育関係者からは黙殺されたとのことだ。