マチンガのノート

読書、映画の感想など  

来るべき精神分析のプログラム (講談社選書メチエ) 十川幸司

2020-06-19 23:10:09 | 日記

本書では、主体の生成のための欲動と情動のカップリングの必要性や

それに関わる言葉と前者2つののカップリングの必要も考察されているが、

欲動や情動のカップリングや、その2つと結びついた言葉の発達は、様々な周囲の人との関係や、

それに関わる場所や時間との関係も深い。

時系列にそって、それらが結びついて主体が生成してくのだろうが、

関わる要因が多いので、これからの臨床家にとっては大変そうなテーマである。

これからの臨床は現在よりも動的になっていきそうである。

発達障害のひとは様々な境界が未成立とされているが、動的に境界を生成していく関りが

これからは必要とされるのだろう。

そのように考えると発達障害専門の治療施設が必要とされそうある。

講談社BOOK倶楽部


チョンキン(重慶)マンションのボスは知っている 小川さやか 春秋社

2020-06-14 20:38:34 | 日記

著者の取材した香港のタンザニアの人たちは、アジアにいる同じタンザニア人でも信用はしないが、

何かあればその都度出来る範囲で分け与えるという形で支援する、見返りは求めないという所が、

先進国の利用者を評価するネットのサービスとは違うとの事だった。

著者も調査研究のためにタンザニアに居たときに、日本人という事で周囲からあまりに頻繁に

金銭的支援を求められるので、持っているお金をすべて見せて、それぞれ必要な額を持っていくように言って、

お金が無くなった後は、何か必要なものがあると、その人達に言って支援してもらっていた

ことがあったとのこと。

アフリカ諸国では、長期間に亘り努力を積み上げて何かを獲得するという社会であったことが

無かったところが多そうなので、そのようにその都度自分にその時出来る範囲で

分け与え助けるというシェアの仕方が多いのだろう。

Ours. 小川さやかに見る借りのない「借り暮らし」

日経ARIA 「その日暮らしの幸福論」小川さやか

チョンキンマンションのボスは知っている 小川さやか 春秋社


ザ・ファイブ・ブラッズ/監督 スパイク・リー 出演 デルロイ・リンドー

2020-06-14 01:56:54 | 日記

本作は、スパイク・リーが製作、脚本、監督をしたものだが、この企画を様々なスタジオに

持ち込んだが断られて、ネットフリックスに持ち込み製作にこぎつけられたものとのこと。

米国での黒人の歴史や差別の問題が出てくるので、米国に関してそれ程詳しくないこちらには

いまいちしっくりこない映画だった。

ストーリーとしては、ベトナム戦争当時に隠した金塊と,現地で戦死した上官の遺骨を

持ち帰ろうとする話だが、長い期間の差別の歴史と現地での捜索活動を両方詰め込んでいるので、

いまいちだった。

「ブラック・クランズマン」は観ていて楽しめたが、こちらは詰め込みすぎで

米国人でもなく黒人の差別の歴史にも疎いこちらにはいろいろ盛り込みすぎな感じがした。

Da 5 Bloods Movie Clip - Hanoi Hannah (2020) | Movieclips Coming Soon


防衛大卒の父親について2

2020-06-12 00:50:07 | 日記

こちらが大学に入学してから、それまでの医師が何もしないので、

家族療法というものに行くと、そこのスタッフは父親のことが理解不能だったようで、

母親と兄に来てもらい、「あの人はこれまでどうやって来たのか」と聞いたそうだが、

母親は異常な夫から離れられなかった人生を受け入れられなかったようで、

父親について「ちゃんと務め上げた人です。」と実際と違うことを言ったので、

そこのスタッフは、普通の家庭の不登校児への介入方法と同じように、

子供とぶつかり合うように両親に指示したので、さらにこちらが被害を受けるようになった。

普通の家庭で育った医師の介入は、異常な家庭に関しては破壊的な影響をもたらすことが

多いのではないだろうか。


防衛大卒の父親について

2020-06-11 23:38:59 | 日記

祖父は地方から出てきて、いろいろ自営業をしたが上手くいかず、

おじさんのコネで大手製紙会社の現場に雇ってもらったが、

自分というものが成立していなかったようで、上司の言いなりになって働いていたようだ。

そのため被害感を持ち、長男の父親に、べったり張り付いて勉強をさせたので、

父親も自分というものを持てず、言いなりになって学校の勉強を丸暗記させられていたようだ。

父親は自分というものが無いので、却って暗記能力があり、関心も持てない学校の勉強を暗記していても、

それなりの筆記試験の成績はとれて、さらに本人は英文学に関心があり、

関連のある国立の学部に合格したが、防衛大学にも合格したので、

祖父が英文学で食っていけるか、などの現実を無視したことを言ったので、

防衛大学に入学させられた。

そこでも教官のいう事には絶対服従だったので、入学後も自分というものを

持てなかったのだろう。

そのため卒業後の幹部学校では、適応できず、退学したようだ。

その後メーカーに就職したが、そこでも適応できなかったようだが、

時代的に定年まで在職できた。

父親はこちらに対しても、一方的にあれこれ言ってきたので、こちらがそれで具合が悪くなっても、

関わった医師は普通の家庭としか認識できなかったようで、こちらが甘えているだけとして、

何の介入もしなかった。

今なら精神的、心理的虐待という事に気づき、何らかの介入する医師もある程度いるだろうが、

当時はそのようなことを知っている医師はいなかったので、学校どころではない家庭と

云うものがあることも知らず、こちらが家から離れようとしても、邪魔しかしなかった。

現在でも医師になる人は恵まれた家庭の人が多いだろうから、異常で学校どころではない

家庭と云うものに関してほとんどの医師は知らないのだろう。