マチンガのノート

読書、映画の感想など  

「ドラえもん」と発達障害  「話の聴き方からみた軽度発達障害」 畑中千紘著 その3

2013-12-18 00:15:42 | 日記
某サイトのレヴューで、この著者も書いている著作「発達障害への心理療法的アプローチ」
について、
「ドラえもん」を引き合いに出しているが、どこで「のび太」を発達障害と診断したのか、
などと書かれているが、「のび太」が発達障碍児なのではなくて、
何が起こっても、ドラえもんのポケットから何かの物を出して、
それで解決しようとするばかりで、その他の解決方法を探さない、
考えない、試さない、などがずっと続くところが、「発達」していない、
ということで、「ドラえもん」を例示してあるのだろうが、「のび太」が
発達障碍児とされていると思い込んでレヴューを書かれているようだ。
さらに、ユング派のバックグランドも持つ著者の
面接などの臨床について、「精神分析」と誤解されているようだ。
そもそも、ユング派の心理臨床と、「精神分析」は違うし、
著作の初めの方から、「対話的心理療法の見直し」などと
言う事で書かれているのだが、これまでのフロイト派、ユング派
など様々な立場からの心理臨床の積み重ねをご存じないようだ。
カタログ的に知識を持っているのみの方には、
この本は、理解しづらいようだ。




曽野綾子世代と「北斗の拳」的世界

2013-12-08 01:36:27 | 日記
作家の曽野綾子氏のような、戦後の混乱期に育った方々にとっては、
「北斗の拳」的な世界が「リアルな世界」なのではないのだろうか?
それまで国を守っていた軍隊が敗北して無くなり、
見下して差別していた朝鮮人、中国人、台湾人などが
暴れたり、犯罪を犯しても、日本の警察のみでは取り締まり切れずに
暴力団などが対抗して抗争していて、軍事力を持っているのは
占領している米軍のみで、米軍には日本人は逆らえず、
都市住民は、見下していた農民に貴重品を持って行って
頭を下げて食料を分けて貰わなければならなくなり、
さらに外地では、自分たちを守っていた軍隊が無くなり
使用人や、安い労働者として使って権利すら碌に与えていなかった
現地人からの、略奪、暴行、殺害にさらされ、
占領しているソ連軍からも同じような目に遭わされていたので、
「力こそ全て」という見方が深く刷り込まれたのではないだろうか?
その為、様々な社会制度などは、いつ無くなるか判らない
「かりそめのもの」という捉え方をしているのではないのだろうか?
戦後に様々に言われるようになった、「人権」「平等」などは、
またいつか、何かが起こったら無くなる、単なる絵空事でしか
ないという捉え方をしているのではないのだろうか?
ある程度年配の世代が、「みんな仲良く」「暴力はよくない」
などを、「甘い」「世間を知らない」というのには、
敗戦によるそれまでの封建的社会制度の崩壊というのが、
深く影響しているのではないのだろうか?