吉野川の夜

夕方早めのうどんと温泉を堪能した後
一度吉野川の川原のキャンプ地まで戻ってくる。

もう陽はとっくに暮れ
街灯のあかりで手馴れた段取りを踏み、そそくさと寝床を作りあげる。
子どもたちが花火で騒ぐのは好きではないが
夏休みの楽しみなのだろうから今日は大目に見てやる事にする。

お腹はそこそこいっぱいだったので
今夜の食事は火を使わずに鰹のたたきと牛のたたきを準備した。
ビールを開けるとすぐにディナーは始まる。
昨日は標高1300mもあったので涼しかったが
今日は川沿いとは言え盆地状のここはとても蒸暑い。
すぐ近くの阿波池田の阿波踊りの熱気が
ここまで伝わってくるのか、そんな気さえする。
ちょっとぬるくなったビールではあったが
カラカラになった喉にはこの方がちょうど良かった。

長年愛用しているコールマンのランタンの調子が良くない。
ガスを全開にしても薄暗いのだ。
きっと何処かが詰まりかけているのだろう。
でもひとりの食事ならこのあかりがちょうど良い。
つまみの位置がわかるくらいの方がもの思いにふけ易いからだ。
そしてキャンプの食事は必要以上に時間をかけて頂くのがよい。
いろんな事を考えながら頂くのだ。
あんな事も、こんな事も。

今夜も月が綺麗だ。

今夜はビール2本で熟睡した。