2019/2/10から「オーバー・フェンス」「オールド・ボーイ」「大阪物語」「王将」
「大鹿村騒動記」 「王手」「おくりびと」「お葬式」「おとうと」
「男たちの大和/YAMATO」「男と女」「男はつらいよ 望郷篇」
「男はつらいよ 寅次郎忘れな草」「男はつらいよ 寅次郎相合い傘」
「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花」「大人は判ってくれない」「お引越し」
「ALWAYS 三丁目の夕日」「俺たちに明日はない」 を紹介いたしました。
2020/11/21からは「お熱いのがお好き」「黄金」「黄金の七人」「大いなる西部」
「狼たちの午後」「狼は天使の匂い」「オーメン」「おかあさん」「幼な子われらに生まれ」
「お嬢さん乾杯」「お茶漬の味」「女と男の名誉」「お日柄もよく ご愁傷さま」
「おみおくりの作法」「女が階段を上る時」 を紹介しております。
興味のある方はバックナンバーからご覧ください。
少し間口を広げて「お」を紹介していきます。
「大いなる決闘」 1976年 アメリカ
監督 アンドリュー・V・マクラグレン
出演 チャールトン・ヘストン
ジェームズ・コバーン
バーバラ・ハーシー
マイケル・パークス
ジョージ・リヴェロ
ラリー・ウィルコックス
ストーリー
1909年。開拓時代のアリゾナ地区。
バーゲードは鉄の意志と冷徹な頭脳の鬼保安官として鳴らした男であったが、年をとるに従い暴力の世界がいやになり遂に引退を決意し、妻と死別した彼は一人娘のスーザンと暮していた。
彼の長い保安官時代に、ナバオ・インディアンと白人のハーフで列車強盗の常習犯プロボを逮捕した時、過ってプロボの妻を殺したのがバーゲードのシコリとしていつまでも胸に残っていた。
一方、刑務所にいるプロボは復讐の鬼となり、脱走の機会を待っていたが遂にその機会がやって来た。
プロボが脱走したのを知ったバーゲードは、自分が保安官をやめようとやめまいとプロボに狙われるのを知ったが、プロボも相手が並々ならぬ敵である事は知っている。
プロボは、まずスーザンを誘拐してバーゲードを誘い出す手を打ったことで、バーゲードの追跡が始まる。
スーザンに心を寄せる若者ハルと、ノエル保安官が助っ人に出た。
一方、プロボには凶悪犯シーザーという味方がいる。
アリゾナ山間地帯を、プロボと彼に捕えられたスーザンの厳しい旅が続いた。
バーゲードは一行をやっと捜しだしたが、プロボの復讐は残忍をきわめた。
まず、父親であるバーゲードの目前で、スーザンを強姦しようとする。
たえるハルだが、バーゲードの銃口は、今にも火を吹かんばかり。
彼は枯草に火を放ち、一面を炎の海とし、プロボをいぶり出そうとする。
だが逆に、炎に巻かれたバーゲードとハルは、目の前で強姦されるスーザンをどうにもできなかった。
やがて、怨念にもえる男と男の宿命の対決は、白熱の銃撃戦出プロボ一味を倒したのち、ついにクライマックスの両者の決闘へと迫っていった。
寸評
追跡物の西部劇は色々あるがこの作品もその内の一つである。
追われる側は脱獄を果たした凶悪犯なのだが元保安官の娘を人質として連れている。
凶悪犯には愛する妻を殺されたので元保安官に復讐するという目的がある。
自分を刑務所に送った相手に復讐するという単純動機にはしていないのだが、相手が凶悪犯となればその動機も正当化されるものではない。
自分を監獄に送った元保安官に凶悪犯が復讐に来るものに「真昼の決闘」という傑作があるが、あちらは孤立無援で戦っているのに対し、こちらは新任の保安官が協力している。
しかし先住民の居留地に逃げ込まれたことで、保安官たちは管轄外だと離脱していく。
一方のプロボは先住民を母に持つ男という特異な設定となっている。
この映画で特徴的なエピソードは父親のバーゲードと婚約者のハルをおびき出すために二人の前でスーザンがレイプされ、助けようとした父親をハルが罠にはまるからとなぐり倒して止めることだ。
通常の西部劇では何らかの理由でスーザンはレイプから逃れるのだが、ここではそうはならず婚約者のハルが「命あってのものだねだ」と助けに行かない。
そうであれば当然最後にはその事に関するハルとスーザンの間に慰め合うシーンがあるものなのだが、ここで終わらせるのかというラストシーンになっていて、それも特異なものとなっている。
ちょっとひねった西部劇なのだが脚本的には荒っぽいところがある。
服役中のプロボは鉄道の敷設作業に駆り出されていたところで監視役を殺害して逃亡するのだが、強いものだけを連れて行くと言って7人の囚人を味方につける。
しかし、このあたりの地理に詳しいという一人を除いて7人が選ばれた理由が分からない。
プロボ゙には腹心のシーザーという男がいるのだが、この二人の関係もよく分からない。
女好きの男とスーザンをかばう若者だけがわずかに必要人物と感じるだけで、キャラクターの描写不足がある。
プロボの母親が先住民であったということも上手くいかされていたとは言い難い。
わずかに逃げ込んだ居留地には顔見知りの先住民がいた程度となっている。
バーゲードが現役保安官としてプロボを逮捕した時と時代は変わっていて、電話もあれば自動車もある。
化学肥料を使って農業をやることに夢を抱いている若いハルに対し、バーゲードは肥料は馬糞だと言うことで時代の移り変わりを描いていたと思うのだが、そうであれば長い年月を服役していたプロボにも同様の戸惑いが生じても良いはずだが、時の流れに関するエピソードはそれ以外には登場しない。
保安官に時代の進歩を語らせ、ハルに近代農業を語らせた効果は出ていないように思う。
バーゲードはプロボが自分に一方ならぬ憎しみを抱いているから簡単に殺すことはないだろうと事前に語り、そこにスキが出来るとも言っていて、それが最後の対決に活かされている。
バーゲードの命は助かるのだろうが、ハルとスーザンはどうなるのだろうと思わせるラストシーンとなっている。
「大鹿村騒動記」 「王手」「おくりびと」「お葬式」「おとうと」
「男たちの大和/YAMATO」「男と女」「男はつらいよ 望郷篇」
「男はつらいよ 寅次郎忘れな草」「男はつらいよ 寅次郎相合い傘」
「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花」「大人は判ってくれない」「お引越し」
「ALWAYS 三丁目の夕日」「俺たちに明日はない」 を紹介いたしました。
2020/11/21からは「お熱いのがお好き」「黄金」「黄金の七人」「大いなる西部」
「狼たちの午後」「狼は天使の匂い」「オーメン」「おかあさん」「幼な子われらに生まれ」
「お嬢さん乾杯」「お茶漬の味」「女と男の名誉」「お日柄もよく ご愁傷さま」
「おみおくりの作法」「女が階段を上る時」 を紹介しております。
興味のある方はバックナンバーからご覧ください。
少し間口を広げて「お」を紹介していきます。
「大いなる決闘」 1976年 アメリカ
監督 アンドリュー・V・マクラグレン
出演 チャールトン・ヘストン
ジェームズ・コバーン
バーバラ・ハーシー
マイケル・パークス
ジョージ・リヴェロ
ラリー・ウィルコックス
ストーリー
1909年。開拓時代のアリゾナ地区。
バーゲードは鉄の意志と冷徹な頭脳の鬼保安官として鳴らした男であったが、年をとるに従い暴力の世界がいやになり遂に引退を決意し、妻と死別した彼は一人娘のスーザンと暮していた。
彼の長い保安官時代に、ナバオ・インディアンと白人のハーフで列車強盗の常習犯プロボを逮捕した時、過ってプロボの妻を殺したのがバーゲードのシコリとしていつまでも胸に残っていた。
一方、刑務所にいるプロボは復讐の鬼となり、脱走の機会を待っていたが遂にその機会がやって来た。
プロボが脱走したのを知ったバーゲードは、自分が保安官をやめようとやめまいとプロボに狙われるのを知ったが、プロボも相手が並々ならぬ敵である事は知っている。
プロボは、まずスーザンを誘拐してバーゲードを誘い出す手を打ったことで、バーゲードの追跡が始まる。
スーザンに心を寄せる若者ハルと、ノエル保安官が助っ人に出た。
一方、プロボには凶悪犯シーザーという味方がいる。
アリゾナ山間地帯を、プロボと彼に捕えられたスーザンの厳しい旅が続いた。
バーゲードは一行をやっと捜しだしたが、プロボの復讐は残忍をきわめた。
まず、父親であるバーゲードの目前で、スーザンを強姦しようとする。
たえるハルだが、バーゲードの銃口は、今にも火を吹かんばかり。
彼は枯草に火を放ち、一面を炎の海とし、プロボをいぶり出そうとする。
だが逆に、炎に巻かれたバーゲードとハルは、目の前で強姦されるスーザンをどうにもできなかった。
やがて、怨念にもえる男と男の宿命の対決は、白熱の銃撃戦出プロボ一味を倒したのち、ついにクライマックスの両者の決闘へと迫っていった。
寸評
追跡物の西部劇は色々あるがこの作品もその内の一つである。
追われる側は脱獄を果たした凶悪犯なのだが元保安官の娘を人質として連れている。
凶悪犯には愛する妻を殺されたので元保安官に復讐するという目的がある。
自分を刑務所に送った相手に復讐するという単純動機にはしていないのだが、相手が凶悪犯となればその動機も正当化されるものではない。
自分を監獄に送った元保安官に凶悪犯が復讐に来るものに「真昼の決闘」という傑作があるが、あちらは孤立無援で戦っているのに対し、こちらは新任の保安官が協力している。
しかし先住民の居留地に逃げ込まれたことで、保安官たちは管轄外だと離脱していく。
一方のプロボは先住民を母に持つ男という特異な設定となっている。
この映画で特徴的なエピソードは父親のバーゲードと婚約者のハルをおびき出すために二人の前でスーザンがレイプされ、助けようとした父親をハルが罠にはまるからとなぐり倒して止めることだ。
通常の西部劇では何らかの理由でスーザンはレイプから逃れるのだが、ここではそうはならず婚約者のハルが「命あってのものだねだ」と助けに行かない。
そうであれば当然最後にはその事に関するハルとスーザンの間に慰め合うシーンがあるものなのだが、ここで終わらせるのかというラストシーンになっていて、それも特異なものとなっている。
ちょっとひねった西部劇なのだが脚本的には荒っぽいところがある。
服役中のプロボは鉄道の敷設作業に駆り出されていたところで監視役を殺害して逃亡するのだが、強いものだけを連れて行くと言って7人の囚人を味方につける。
しかし、このあたりの地理に詳しいという一人を除いて7人が選ばれた理由が分からない。
プロボ゙には腹心のシーザーという男がいるのだが、この二人の関係もよく分からない。
女好きの男とスーザンをかばう若者だけがわずかに必要人物と感じるだけで、キャラクターの描写不足がある。
プロボの母親が先住民であったということも上手くいかされていたとは言い難い。
わずかに逃げ込んだ居留地には顔見知りの先住民がいた程度となっている。
バーゲードが現役保安官としてプロボを逮捕した時と時代は変わっていて、電話もあれば自動車もある。
化学肥料を使って農業をやることに夢を抱いている若いハルに対し、バーゲードは肥料は馬糞だと言うことで時代の移り変わりを描いていたと思うのだが、そうであれば長い年月を服役していたプロボにも同様の戸惑いが生じても良いはずだが、時の流れに関するエピソードはそれ以外には登場しない。
保安官に時代の進歩を語らせ、ハルに近代農業を語らせた効果は出ていないように思う。
バーゲードはプロボが自分に一方ならぬ憎しみを抱いているから簡単に殺すことはないだろうと事前に語り、そこにスキが出来るとも言っていて、それが最後の対決に活かされている。
バーゲードの命は助かるのだろうが、ハルとスーザンはどうなるのだろうと思わせるラストシーンとなっている。
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