教授が、3時までに401号講義室に集まりなさいだって~!

雪と別れた後、青田淳が受け取ったメールは未登録アドレスから送られてきたものだった。
まだ大学構内に居た淳は暫し考えたが、時間もあることだし教室に向かうことにした。


401号講義室のドアを開けると、そこには誰も居なかった。
もうすぐ3時だというのに‥。淳は頭に疑問符を浮かべる。

すると背後から、聞き慣れた癖のある声が彼を呼んだ。
「あっれ~?せ~んぱ~い」

淳が振り返ると、ニヤニヤと嗤いながら佇む横山翔の姿があった。
早かったですね、と言って挨拶を口にする。

横山はゆっくりと淳に近付いた。
遂に青田淳を追い詰める日が来たのだ。横山の胸は高鳴っていた。
「ちょ~ど良かった!先輩に話さなくちゃいけないことがあるんすよ。
聞いたとこ今日がインターン前の最後の通学だそうで‥」

横山の言葉に、淳が「何?」と返す。
横山はニヤリと口元を歪めた。これまで水面下で進めてきた計画の暴露が始まる。
「先輩、近頃人生楽しいでしょ?」

そう切り出してきた横山を前にして、淳はキョトンとした表情を浮かべた。
淳の中では横山翔という人間を露ほども気にしていなかったので、彼の言葉は唐突に思えた。

しかし横山は尚も言葉を続けた。
ただでさえ順調な人生なのに、インターンは決まり、彼女も出来て、トントン拍子の人生ですね、と。
「それがしたかった話?」

横山は淳からの質問には答えず、更に話を続けた。
こと恋愛に関してはとても楽しそうに見えます、と。
「俺に赤山を勧めたのが不思議なくらいですよ」

どうやって今の関係に持ち込んだんすか?と横山は尋ねるが、
淳は依然としてキョトンとしていた。
「なんの話?」

そう淳が聞き返すと、横山はわざとらしく大きな声を上げた。
「うーわ!さすが青田先輩!やっぱり”すっとぼけ”にかけてはトップクラスっすね!」

皮肉を言った横山は大仰な仕草で淳に近づくと、
「もうほどほどにした方がいいんじゃないですか」と淳を見上げて言った。
「それとも、どこまでとぼけられるか試してみましょうか?」

横山の眼が意地悪く光る。
淳は横山の顔を見下ろす内に、だんだんと物事の本質が見えて来た。

淳は携帯を取り出すと、先ほど送られてきたメールを掲げて言った。
「これは横山が送ったのか?」

未登録アドレスから送られてきた、講義室集合のメール。
淳はこの場が横山によって仕組まれたものだということを確認しようとした。
「は?なんすかこれ。初めて見たんスけど~~ww」

しかし横山は嗤いながら首を横に振った。
そしてその横山の態度を見て、淳は感じた。彼の無言の挑戦状を。

しかし彼の敵意を前にして、淳は慌てるでも眉をひそめるでもなく、微かに笑った。
読者と同じくその笑みを疑問に思ったのは、横山も同じだ。
笑ってんのか?‥笑えばいいさ。俺が何の用意もなくここに居ると思うか?

横山には自信があった。
自分には天が味方してくれているんだと。

横山は微笑む淳と真っ向に向き合いながら、己も笑い続けた。
とある出来事が、横山の脳裏に浮かんでくる‥。

休学後、横山は久々に集まった友人達と談笑していた。
番号が変わったと言う友人の携帯をいじりながら、ふと思いついて質問する。
「なぁ、もしかして青田先輩ケー番変えた?携帯新しくなってる?」

横山の問いに、友人は首を横に振った。夏休み前と一緒だと言って。
「は‥?マジで‥?」

横山は信じられない思いだった。
てっきり青田淳は番号を変えたと思っていた。自分を焚き付けたあのメール履歴が残っている携帯など、
隙のない彼はとっくに証拠隠滅をして番号を変えているはずだと。
横山は友人の携帯をもう一度手に取ると、アドレス帳をスクロールして青田淳の番号を出した。
マジだ。末尾も変わって無い‥

010-5555-4580。
それは横山の携帯アドレスにある淳の番号と同じ番号であった。
横山は天から降ってきたような幸運に、思わず笑みを漏らす。

これで青田淳が自分を赤山雪に焚き付けた裏付けが取れる。
あのメールの送信者が彼だということの、証明が出来る‥。
横山は不敵な笑みを浮かべた。彼の復讐劇が、そこから幕を開けたのだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<横山翔の復讐(1)>でした。
いけ好かない横山ですが‥。
「うーわ!さすが青田先輩!やっぱり”すっとぼけ”にかけてはトップクラスっすね!」

↑
これは同意しますw
しかし横山が友人に青田先輩の番号を確認したのはいつの時期なんですかね?
よく分からないまま記事にしてしまいました‥^^;
分かる方、教えてくださるとありがたいです。
そしてこの横山の復讐回は過去記事にしたものもあるので、過去記事にリンクを貼りつつ進もうと思います~。
次回<横山翔の復讐(2)>へ続きます。
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雪と別れた後、青田淳が受け取ったメールは未登録アドレスから送られてきたものだった。
まだ大学構内に居た淳は暫し考えたが、時間もあることだし教室に向かうことにした。


401号講義室のドアを開けると、そこには誰も居なかった。
もうすぐ3時だというのに‥。淳は頭に疑問符を浮かべる。

すると背後から、聞き慣れた癖のある声が彼を呼んだ。
「あっれ~?せ~んぱ~い」

淳が振り返ると、ニヤニヤと嗤いながら佇む横山翔の姿があった。
早かったですね、と言って挨拶を口にする。

横山はゆっくりと淳に近付いた。
遂に青田淳を追い詰める日が来たのだ。横山の胸は高鳴っていた。
「ちょ~ど良かった!先輩に話さなくちゃいけないことがあるんすよ。
聞いたとこ今日がインターン前の最後の通学だそうで‥」

横山の言葉に、淳が「何?」と返す。
横山はニヤリと口元を歪めた。これまで水面下で進めてきた計画の暴露が始まる。
「先輩、近頃人生楽しいでしょ?」

そう切り出してきた横山を前にして、淳はキョトンとした表情を浮かべた。
淳の中では横山翔という人間を露ほども気にしていなかったので、彼の言葉は唐突に思えた。

しかし横山は尚も言葉を続けた。
ただでさえ順調な人生なのに、インターンは決まり、彼女も出来て、トントン拍子の人生ですね、と。
「それがしたかった話?」

横山は淳からの質問には答えず、更に話を続けた。
こと恋愛に関してはとても楽しそうに見えます、と。
「俺に赤山を勧めたのが不思議なくらいですよ」

どうやって今の関係に持ち込んだんすか?と横山は尋ねるが、
淳は依然としてキョトンとしていた。
「なんの話?」

そう淳が聞き返すと、横山はわざとらしく大きな声を上げた。
「うーわ!さすが青田先輩!やっぱり”すっとぼけ”にかけてはトップクラスっすね!」

皮肉を言った横山は大仰な仕草で淳に近づくと、
「もうほどほどにした方がいいんじゃないですか」と淳を見上げて言った。
「それとも、どこまでとぼけられるか試してみましょうか?」

横山の眼が意地悪く光る。
淳は横山の顔を見下ろす内に、だんだんと物事の本質が見えて来た。

淳は携帯を取り出すと、先ほど送られてきたメールを掲げて言った。
「これは横山が送ったのか?」

未登録アドレスから送られてきた、講義室集合のメール。
淳はこの場が横山によって仕組まれたものだということを確認しようとした。
「は?なんすかこれ。初めて見たんスけど~~ww」

しかし横山は嗤いながら首を横に振った。
そしてその横山の態度を見て、淳は感じた。彼の無言の挑戦状を。

しかし彼の敵意を前にして、淳は慌てるでも眉をひそめるでもなく、微かに笑った。
読者と同じくその笑みを疑問に思ったのは、横山も同じだ。
笑ってんのか?‥笑えばいいさ。俺が何の用意もなくここに居ると思うか?

横山には自信があった。
自分には天が味方してくれているんだと。

横山は微笑む淳と真っ向に向き合いながら、己も笑い続けた。
とある出来事が、横山の脳裏に浮かんでくる‥。

休学後、横山は久々に集まった友人達と談笑していた。
番号が変わったと言う友人の携帯をいじりながら、ふと思いついて質問する。
「なぁ、もしかして青田先輩ケー番変えた?携帯新しくなってる?」

横山の問いに、友人は首を横に振った。夏休み前と一緒だと言って。
「は‥?マジで‥?」

横山は信じられない思いだった。
てっきり青田淳は番号を変えたと思っていた。自分を焚き付けたあのメール履歴が残っている携帯など、
隙のない彼はとっくに証拠隠滅をして番号を変えているはずだと。
横山は友人の携帯をもう一度手に取ると、アドレス帳をスクロールして青田淳の番号を出した。
マジだ。末尾も変わって無い‥

010-5555-4580。
それは横山の携帯アドレスにある淳の番号と同じ番号であった。
横山は天から降ってきたような幸運に、思わず笑みを漏らす。

これで青田淳が自分を赤山雪に焚き付けた裏付けが取れる。
あのメールの送信者が彼だということの、証明が出来る‥。
横山は不敵な笑みを浮かべた。彼の復讐劇が、そこから幕を開けたのだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<横山翔の復讐(1)>でした。
いけ好かない横山ですが‥。
「うーわ!さすが青田先輩!やっぱり”すっとぼけ”にかけてはトップクラスっすね!」

↑
これは同意しますw
しかし横山が友人に青田先輩の番号を確認したのはいつの時期なんですかね?
よく分からないまま記事にしてしまいました‥^^;
分かる方、教えてくださるとありがたいです。
そしてこの横山の復讐回は過去記事にしたものもあるので、過去記事にリンクを貼りつつ進もうと思います~。
次回<横山翔の復讐(2)>へ続きます。
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横山って、計算すると一年休学していますよね?
一年間こればっかり考えていたのかしら…
仮にも名門A大学生が?(´・_・`)
続きが気になります。このメールが後に重要になってくるのでしょうか。
先輩のポカン顔は本気?
横山の言うとおり、演技?
青田先輩が本気で分からない。
とりあえず続きを期待です!
一番コメありがとうです!
確かに横山ってば一年間何してたんでしょうね‥。
わりと裕福なところの息子さんらしいので、バイトってわけじゃなさそうですし、昔の仲間とかと遊び歩いていたんじゃないか、と予想です。
<横山翔の復讐>シリーズ(?)は、4まで続きます。全部終わると真相が明らかになりますので、暫しお待ちを~~^^
今更教室カーストとかママ友カーストとか騒がれてますけど
そんなのもう小学校からずっと存在してて何を今更って感しじゃないですか
普通はそういうのを敏感に感じて自分の立位置確認するのに
ほんとKYなのなのな横山
個人的にはあの淳の、きょとんとした後の不適な笑みにぐっと来ますがね
叩き潰してしまいなさいって(笑)
とりあえず今日は支障の4までこの横山復讐続くってのにおっと~となりました(笑)
休学が一年だった所で彼の器の小ささを感じます。
いっそこうなったら恨みなんか全部忘れて
2年休んで軍役でも勤める方が生産的だったはずなのに・・・
むくげさん
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/4d/6ed6469bd82e49f6de9c0d6f6dba7dc8.jpg
↑これですね。私もぐっと来ました。
このシーンで終わった回の本家のコメントは「横山さん、ご愁傷さま」だらけでしたよ(笑)
これ君が送ったのかって聞かれて、横山スッとぼけてましたけど、送り主じゃないにしても、このメールの存在すらスットボケルって、「早かったスねー」に矛盾してませんか?
それで、あの淳サマのははぁ~んの笑顔ですかね。
なんかもーワケわかってなくてすんません。