ピピピピピピ‥

携帯のアラームが、大音量で鳴り響く。

眠りこけていた雪は、その音でパチッと目を覚ました。

すごい寝相のまま‥。

天井を見つめながら、「朝‥」と小さく呟く。

雪はのっそりと起き上がると、ベッドの上に置かれている携帯に手を伸ばした。
鳴り響いていたアラームを止める。

「‥‥‥‥」

なんだかやけに疲れたような気分だった。
目の下にクマを浮かべながら、雪は一言こう呟く。
「夢か‥」

はっきりとは思い出せないが、色々なことが目まぐるしく起こったような気がする‥。
雪はあくびを噛み殺しながら、出掛ける準備を始めたのだった。

外では青々と茂った緑が、涼やかな風に揺れていた。
雪は朝の支度を着々と済ませて行く。

教科書を準備し、服を選んだ。

薄手のボーダーニットを着た後、用意したアウターにふと目が止まる。

「‥‥‥」

これ‥最近着たっけ‥?

それは久々に引っ張り出した服だったのだが、ごく最近着たような気がしてならなかった。
雪は首を捻りつつ、それを羽織って玄関へと進む。

「行ってきまーす」
「ねぇ後で蓮にメール入れておいてくれない?勉強頑張りなさいよって」「分かった」


夢の中の出来事と似たようなやり取りを繰り返して、雪は青空の下に出た。
朝の空気に鳥の鳴き声が響いている。
「あー良い天気」

頭の中で「そうねェ」と声がしたような気がして、思わず雪は振り返った。

が、そこには当然誰もいない‥。

空は吸い込まれそうに青かった。

「‥‥‥‥」

ようやく辿り着いた青空だった。
雪の瞼の裏に、涙を流す彼の姿が思い浮かぶ。

あの日その涙が、ずっと閉ざされて来た彼の心の扉を開け放つ鍵となった。
二人の間にあった隔たりは無くなり、手を伸ばせば彼の核心に触れられる距離に、
雪はようやく立つことが出来たのだ。

あの時雪はそこに佇みながら、
ただ強く強く、自分の手を握り締めた‥。


もう何も囚われなくなったその手を、雪はじっと見つめていた。
髪の毛を風になびかせながら、そのまま一人で歩いて行く。

<あの日から数ヶ月が過ぎ>


地下鉄に乗り、
大学近くの街を歩き、

見慣れた構内に入って、指定された教室へと向かって行く。

そこにはもう、彼の姿は無い。


<春も過ぎ去っていた>

見上げた空は青かった。
その手にあった春を見送った今、それは果てしなく青く蒼い‥。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<最終章(1)ー送春ー>でした。
遂に最終章に突入しました!
ブログでは最終章として(1)〜(7)で構成してお送りします!
いよいよ終わりが見えてきましたね‥
うう‥寂しい‥
しかし前回までの仮想世界‥夢‥だったんかい‥
まぁ途中からそんな気はしていましたが‥
雪ちゃんが意識して振り返った過去ではなく、無意識の中でまた違った選択が出来ていたことこそが、
彼女の成長を表していたのかもしれませんね‥。
さて最終章、
ここから怒涛の春夏秋冬、行きますよー!
次回は<最終章(2)ー向夏・行く秋ー>です。
☆ご注意☆
コメント欄は、><←これを使った顔文字は文章が途中で切れ、
半角記号、ハングルなどは化けてしまうので、極力使われないようお願いします!
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携帯のアラームが、大音量で鳴り響く。

眠りこけていた雪は、その音でパチッと目を覚ました。

すごい寝相のまま‥。

天井を見つめながら、「朝‥」と小さく呟く。

雪はのっそりと起き上がると、ベッドの上に置かれている携帯に手を伸ばした。
鳴り響いていたアラームを止める。

「‥‥‥‥」

なんだかやけに疲れたような気分だった。
目の下にクマを浮かべながら、雪は一言こう呟く。
「夢か‥」

はっきりとは思い出せないが、色々なことが目まぐるしく起こったような気がする‥。
雪はあくびを噛み殺しながら、出掛ける準備を始めたのだった。

外では青々と茂った緑が、涼やかな風に揺れていた。
雪は朝の支度を着々と済ませて行く。

教科書を準備し、服を選んだ。

薄手のボーダーニットを着た後、用意したアウターにふと目が止まる。

「‥‥‥」

これ‥最近着たっけ‥?

それは久々に引っ張り出した服だったのだが、ごく最近着たような気がしてならなかった。
雪は首を捻りつつ、それを羽織って玄関へと進む。

「行ってきまーす」
「ねぇ後で蓮にメール入れておいてくれない?勉強頑張りなさいよって」「分かった」


夢の中の出来事と似たようなやり取りを繰り返して、雪は青空の下に出た。
朝の空気に鳥の鳴き声が響いている。
「あー良い天気」

頭の中で「そうねェ」と声がしたような気がして、思わず雪は振り返った。

が、そこには当然誰もいない‥。

空は吸い込まれそうに青かった。

「‥‥‥‥」

ようやく辿り着いた青空だった。
雪の瞼の裏に、涙を流す彼の姿が思い浮かぶ。

あの日その涙が、ずっと閉ざされて来た彼の心の扉を開け放つ鍵となった。
二人の間にあった隔たりは無くなり、手を伸ばせば彼の核心に触れられる距離に、
雪はようやく立つことが出来たのだ。

あの時雪はそこに佇みながら、
ただ強く強く、自分の手を握り締めた‥。


もう何も囚われなくなったその手を、雪はじっと見つめていた。
髪の毛を風になびかせながら、そのまま一人で歩いて行く。

<あの日から数ヶ月が過ぎ>


地下鉄に乗り、
大学近くの街を歩き、

見慣れた構内に入って、指定された教室へと向かって行く。

そこにはもう、彼の姿は無い。


<春も過ぎ去っていた>

見上げた空は青かった。
その手にあった春を見送った今、それは果てしなく青く蒼い‥。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<最終章(1)ー送春ー>でした。
遂に最終章に突入しました!

ブログでは最終章として(1)〜(7)で構成してお送りします!
いよいよ終わりが見えてきましたね‥


しかし前回までの仮想世界‥夢‥だったんかい‥

まぁ途中からそんな気はしていましたが‥

雪ちゃんが意識して振り返った過去ではなく、無意識の中でまた違った選択が出来ていたことこそが、
彼女の成長を表していたのかもしれませんね‥。
さて最終章、
ここから怒涛の春夏秋冬、行きますよー!
次回は<最終章(2)ー向夏・行く秋ー>です。
☆ご注意☆
コメント欄は、><←これを使った顔文字は文章が途中で切れ、
半角記号、ハングルなどは化けてしまうので、極力使われないようお願いします!
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気になってた現実の続きですが、
夢オチですか?!ww
そして、先輩とあのあと、どうなったのか…?!
数ヶ月って…チートラは1日の雪ちゃんのまわりの出来事でさえ時間かけて描く作品なのに(過去問事件とか)、あっさりそんな日が過ぎているとは…
いつか怪我した先輩と一緒に電車で帰った日に言った「春」がまた来たのに、隣に笑っている先輩がいない…( ;∀;)
ジャケットの下りは
夢の名残からデジャヴ発生してますね…
うー〜〜最終章さみしいですが、
全部うまく清算した二人の笑顔が見たいです!
一日置きの楽しみがもうすぐ終わるかと思うと、とってもさみしい気分...。
ってか、あれから数ヶ月ってどういうことなんでしょうww
先輩がもういないってどういうことなんでしょうー?!
もう訳わからない泣
今すぐ中に飛び込んで雪ちゃんに事情を説明させたい気分です😭
どういう心理状況でそうなった?
距離近くなってなくない?
雪ちゃん優しいのか凄く実はドライで冷たいのか分からなくなった。。。
とはいえ結末もきになるから最終章キタコレ!って気持ちもあります。
これぞ複雑な気持ち...
最近の楽しみであるこのブログが終わってしまうのが悲しい....。
まだ先のことでしょうけどね。
残りを大事にして行きたいと思います!
スンキさんとyukkanenさんへの感謝を忘れずに最終章読ませていただきたいと思います!!!!!
いつもありがとうございます!!!!
いつも感謝してますが、より一層!!!!
私も本家でこの回を見た時は、白目を剥いて泡吹くかと思いましたよ!!
えっ今までの夢?!
いきなり数ヶ月後?!
あの淳の涙はどうなったの?!
しかも春過ぎ去ってるんかい!!
‥今はモヤモヤするでしょうが、とりあえず皆様この先の展開を見守って頂けると幸いです!!