Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

各々の近況

2016-06-05 01:00:00 | 雪3年4部(虚勢の裏側~魔法の言葉)
赤山蓮はエプロン姿で、宴麺屋赤山の傍の路地に佇んでいた。



手にしている携帯には、”キンカン”こと小西恵宛てのメールの文面が表示されている。

まだすげー忙しいの?



たったこれだけの文章だが、蓮は未だこのメールを送れずにいた。

携帯片手に、ううんと頭を抱え込む。



蓮はモヤモヤした感情を持て余しながら、自分の周辺の人物達のことを考え始めた。

いや、だからほら‥亮さんは最初からピアノって道があるし、

店は取り敢えずやって行けそうだしさ‥。

姉ちゃんはもちろん良い会社行くだろうし‥彼氏の方は言わずもがな安泰だし

キンカンもいつも頑張ってる‥




俺だけが宙ぶらりんだよな?



アメリカに帰るのは死んでも嫌。

でもだからといってここで何をすればいいのか分からない。

それが今までの蓮だった。



しかし彼は今、新たな道を見つけて目を光らせているのだ。

だから俺は、



マジで二代目赤山社長になってやんだ‥!



蓮は携帯をぐっと握り締め、遂に見つけたその目標を鋭い眼光で見据える。

「とりあえず先立つモンが必要だよな‥」



踏み出した二代目・赤山社長への道。

蓮はその具体的な道程を、じっくりと思い描く‥。






その頃、A大・音楽学部、ピアノ練習室。

河村亮は終始、無言だった。



鍵盤の上に置かれた手は、

未来へと向かってもう一度動き始めた十本の指は、

その日、動くことはなかった。



反抗的で、プライドが高くて、それでも放っておけなかったその弟子を、

志村教授はじっと見つめる。



亮もまた何も口にすること無く、ただ鍵盤から指を下ろした。



あの日からずっと、左手が震えている。

もう一度夢に向かって歩もうとする意志とは裏腹に、

あの日感じた絶望は、今も心に陰を落とす。



何も語らない亮の横顔に、教授はその絶望を感じ取った。

普段なら叱咤し声を荒げる彼も、今日はただ口を噤むしか無い。



音の鳴らない練習室に、二人の呼吸の音だけが響いた。

そこにまとわりつく黒い影の、振り払い方は分からない‥。









一方図書館では、一人の男が携帯をじっと睨んでいた。

静香さんに‥



河村静香宛のメールの文面を考えて小一時間、佐藤広隆は一向に文面を作れずに居た。

難しい顔をして、携帯を睨みながら固まっている。



ふと我に返ったりもするが‥

ないない‥どうして俺が‥



やっぱり気になってずっと携帯に張り付いたり、

サッ



頭を悩ませてはやはり携帯が気になってすばやい動きを繰り返したり、

サッ サッ サッ



そんな意味不明な自分に呆れ返ったりした‥。



河村静香。一番苦手なタイプだったはずなのに。

佐藤の心は今、彼女のことばかり考えてしまう‥。

ああああーー






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<各々の近況>でした。

流れ上短めの記事になってしまいました。

皆、だんだんとラストに向けて動いてる感じですね。まだまだ波乱はありそうですが。

今回亮さんの所はセリフが一言も無いので、私の個人的推測描写になってしまいました。

ただ左手がクローズアップされている感じが強かったので、やはり思い通りに動かなくなってしまったのかな‥と。

うおーん


次回は<制裁(1)>です。


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