季節は春の終わり。
大学の一大イベント、球技大会が始まった。

種目はバスケットボール。
各学科のチーム対抗戦で、優勝チームには会食費として多額の現金が贈られる。
女子たちも同じTシャツでわいわいと応援を楽しんでいた。

この日のために練習をしてきた彼ら(特に太一)は、気合が入っている。

しかし一番気合が入っているのはこの人だろう。
ロマンティック横山翔!
「聡美、俺だけを見ててくれ‥。お前にシュートだ!」

聡美の肩に手を置き、フフフと不敵の笑みでコートに向かう。

チームメートの太一に向かって、活躍するのは俺だと言わんばかりにガンを飛ばした。
すると‥
「あれ?横山?お前メンバーじゃねぇぞ?背ぇちっちゃいから外したんだよ!わりぃな~」

「えっ?!!」

一番最初にメンバー申請したのに‥。身長もそんな言うほど低くはないのに‥。
横山の必死の叫びも、健太先輩の「会食費を確実に取る」という目的のメンバー選抜には反映されず‥。
結局侘しく立ち尽くした彼を残して、ゲームは始まった。


太一が活躍し、

聡美が声を張り上げて彼の応援をする。

青田先輩、健太先輩、柳先輩‥、他のメンバーも一様に活躍し、ゲームは経営学科のリードを保った。
女子たちがキャーキャー応援する中で、横山は一人項垂れていた。

うっせーな、と地面に唾を吐く横山に対し、和美が彼に向かって向こう側を指さす仕草をしている。

指先の方向には‥

楽しそうに太一を応援する、横山の想い人、聡美が居た。
あんたと聡美が?うまくいくと思ってんの?ぷっ

それを見て、横山はキレた。
ツカツカと和美の方へ歩み寄ると彼女を通り越し、聡美の方へと歩いて行くと、

太一の応援をする聡美の手首をガシッと掴んだ。
「話がある。一緒に来いよ」

横山の気持ちもわからんでもない。
しかし時と場合を考えよう。
今は経営学科が一丸となって頑張っている試合の最中だ。
当然聡美もキレる。
「はぁ~?!あんた何考えてんの!てかあたしゃあんたのこと嫌いだし!嫌い嫌い嫌い嫌い!」

激昂されて、横山もまた声を荒げた。
「んだと?!てめぇ調子のんなよ!」

「離せ!!」

横山の顔面に、バスケットボールが炸裂した。
「いい加減にして下さいよ!」

太一が投げたボールは見事横山の鼻に命中したらしく、横山は鼻血を出した。
「黙れクソ野郎!やめなきゃどうなんだよ!おい答えろよ!」

今にも走り出しそうな太一を、健太先輩と柳先輩はゲラゲラ笑いながら必死に止めた。
そんな横山の後ろで、女子たちは騒然とし、ヒソヒソと囁く。

「あいつなんなのー。バカじゃん?」
「太一やるなぁ。かっこいー」
「横山全然懲りてないじゃん。超ウケるんだけど」

横山はワナワナと拳を震わせながら、自分への嘲笑と嘲りを聞いた。
そして遂に‥でもないが、やっぱり、キレた。
「おい!そこの腑抜けども!!」

*ここから横山のセリフをノーカットでお届けします

「あんなののどこがかっこいいんだよ!目腐ってんじゃねーのか?!
あんな暴力男に騙されてんじゃねーよ!
ただ年下で背が高いだけじゃねーか!常識の一つもありゃしねぇ!!
ああ、そういえばお前らの注目の的はもう一人居たっけ?青田先輩だろ?
前から可笑しくて可笑しくて‥先輩が本気でお前らのこと相手にしてるとでも思ってんのか?!
お前らのしつこさに観念してしょうがなしに付き合ってやってんだよ!
ハッキリ言って超うざがられてるからな!
目を覚ますんだな!先輩はお前らに同情してやってるだけ!
あ~~考えただけでイライラするぜ!
てめぇら見せかけかそうじゃないかもまともに区別出来ないくせに、
デレデレデレデレしてんじゃねーよ!!」





♪ラ~ラ~ラ~ ララ~ ラ~
♪こと ばに できな~い~
「あ、ヤベ」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
球技大会(2)へ続きます‥。
大学の一大イベント、球技大会が始まった。

種目はバスケットボール。
各学科のチーム対抗戦で、優勝チームには会食費として多額の現金が贈られる。
女子たちも同じTシャツでわいわいと応援を楽しんでいた。

この日のために練習をしてきた彼ら(特に太一)は、気合が入っている。

しかし一番気合が入っているのはこの人だろう。
ロマンティック横山翔!



聡美の肩に手を置き、フフフと不敵の笑みでコートに向かう。

チームメートの太一に向かって、活躍するのは俺だと言わんばかりにガンを飛ばした。
すると‥
「あれ?横山?お前メンバーじゃねぇぞ?背ぇちっちゃいから外したんだよ!わりぃな~」

「えっ?!!」

一番最初にメンバー申請したのに‥。身長もそんな言うほど低くはないのに‥。
横山の必死の叫びも、健太先輩の「会食費を確実に取る」という目的のメンバー選抜には反映されず‥。
結局侘しく立ち尽くした彼を残して、ゲームは始まった。


太一が活躍し、

聡美が声を張り上げて彼の応援をする。

青田先輩、健太先輩、柳先輩‥、他のメンバーも一様に活躍し、ゲームは経営学科のリードを保った。
女子たちがキャーキャー応援する中で、横山は一人項垂れていた。

うっせーな、と地面に唾を吐く横山に対し、和美が彼に向かって向こう側を指さす仕草をしている。

指先の方向には‥

楽しそうに太一を応援する、横山の想い人、聡美が居た。
あんたと聡美が?うまくいくと思ってんの?ぷっ

それを見て、横山はキレた。
ツカツカと和美の方へ歩み寄ると彼女を通り越し、聡美の方へと歩いて行くと、

太一の応援をする聡美の手首をガシッと掴んだ。
「話がある。一緒に来いよ」

横山の気持ちもわからんでもない。
しかし時と場合を考えよう。
今は経営学科が一丸となって頑張っている試合の最中だ。
当然聡美もキレる。
「はぁ~?!あんた何考えてんの!てかあたしゃあんたのこと嫌いだし!嫌い嫌い嫌い嫌い!」

激昂されて、横山もまた声を荒げた。
「んだと?!てめぇ調子のんなよ!」

「離せ!!」

横山の顔面に、バスケットボールが炸裂した。
「いい加減にして下さいよ!」

太一が投げたボールは見事横山の鼻に命中したらしく、横山は鼻血を出した。
「黙れクソ野郎!やめなきゃどうなんだよ!おい答えろよ!」

今にも走り出しそうな太一を、健太先輩と柳先輩は
そんな横山の後ろで、女子たちは騒然とし、ヒソヒソと囁く。

「あいつなんなのー。バカじゃん?」
「太一やるなぁ。かっこいー」
「横山全然懲りてないじゃん。超ウケるんだけど」

横山はワナワナと拳を震わせながら、自分への嘲笑と嘲りを聞いた。
そして遂に‥でもないが、やっぱり、キレた。
「おい!そこの腑抜けども!!」

*ここから横山のセリフをノーカットでお届けします


「あんなののどこがかっこいいんだよ!目腐ってんじゃねーのか?!
あんな暴力男に騙されてんじゃねーよ!
ただ年下で背が高いだけじゃねーか!常識の一つもありゃしねぇ!!
ああ、そういえばお前らの注目の的はもう一人居たっけ?青田先輩だろ?
前から可笑しくて可笑しくて‥先輩が本気でお前らのこと相手にしてるとでも思ってんのか?!
お前らのしつこさに観念してしょうがなしに付き合ってやってんだよ!
ハッキリ言って超うざがられてるからな!
目を覚ますんだな!先輩はお前らに同情してやってるだけ!
あ~~考えただけでイライラするぜ!
てめぇら見せかけかそうじゃないかもまともに区別出来ないくせに、
デレデレデレデレしてんじゃねーよ!!」





♪ラ~ラ~ラ~ ララ~ ラ~
♪こと ばに できな~い~
「あ、ヤベ」


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球技大会(2)へ続きます‥。